第二章
夢小説設定
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船が嵐に巻き込まれた。
「帆をおろせ!マストごと持ってかれるぞ!」
「火薬庫が水でやられる前にハッチ閉めとけ!」
船上は慌ただしい。私は荒れ狂う海の中で船が暗礁に乗り上げないよう必死に先導していた。
「12時の方向に大きな暗礁があります!このままだとぶつかる!!」
「でも波に持ってかれて舵がきかない…!」
龍さんが言うことを聞かない舵にしがみつきながら苦しげに叫び返す。
だめだ、何とかしなきゃ座礁してしまう。
私は船尾に回り込むと波に翻弄される大きな舵に手をついた。
水をかく尾ひれにありったけの力を込めて押す。
ギ、ギギィ
「もうちょっと…!」
重苦しい音を立てて舵が動いた。船体がゆっくりと方向を変える。
「…!何だ?進路が変わった」
「うみが海の中から舵を動かしてくれたんじゃないすか!?」
樹さんが船べりからこっちを覗き込んだ。
「この先に南へ向かう海流があります!それに乗ればこの嵐も抜けられる!」
「分かった!ありがとう!」
私は大粒の雨が打ち付ける海を、船が海流に乗るまで先導していった。
「はぁ、は……疲れた…」
びしょ濡れの甲板に昂秀さんが大の字になっている。海から上がった私もへとへとだった。
「わ、私ちょっと疲れたので部屋で休んできます」
「大丈夫?」
「大丈夫です」
樹さんが心配してくれるけど、疲れているのはきっと樹さんもみんなもそう。余計な心配をかけたくなかった私は、ひとりでキャビンに戻ろうとした。
でも。
ぐらり
「え、」
下から上へと流れていく景色。
薄れゆく意識の中で、私は樹さんの叫び声を聞いた。
「うみ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「帆をおろせ!マストごと持ってかれるぞ!」
「火薬庫が水でやられる前にハッチ閉めとけ!」
船上は慌ただしい。私は荒れ狂う海の中で船が暗礁に乗り上げないよう必死に先導していた。
「12時の方向に大きな暗礁があります!このままだとぶつかる!!」
「でも波に持ってかれて舵がきかない…!」
龍さんが言うことを聞かない舵にしがみつきながら苦しげに叫び返す。
だめだ、何とかしなきゃ座礁してしまう。
私は船尾に回り込むと波に翻弄される大きな舵に手をついた。
水をかく尾ひれにありったけの力を込めて押す。
ギ、ギギィ
「もうちょっと…!」
重苦しい音を立てて舵が動いた。船体がゆっくりと方向を変える。
「…!何だ?進路が変わった」
「うみが海の中から舵を動かしてくれたんじゃないすか!?」
樹さんが船べりからこっちを覗き込んだ。
「この先に南へ向かう海流があります!それに乗ればこの嵐も抜けられる!」
「分かった!ありがとう!」
私は大粒の雨が打ち付ける海を、船が海流に乗るまで先導していった。
「はぁ、は……疲れた…」
びしょ濡れの甲板に昂秀さんが大の字になっている。海から上がった私もへとへとだった。
「わ、私ちょっと疲れたので部屋で休んできます」
「大丈夫?」
「大丈夫です」
樹さんが心配してくれるけど、疲れているのはきっと樹さんもみんなもそう。余計な心配をかけたくなかった私は、ひとりでキャビンに戻ろうとした。
でも。
ぐらり
「え、」
下から上へと流れていく景色。
薄れゆく意識の中で、私は樹さんの叫び声を聞いた。
「うみ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」