第一章
夢小説設定
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「海竜さん、お元気で!」
私は遠ざかっていく海竜さんに手を振った。
追い風を捕まえた船はあっという間に海の真ん中に出る。
少しの寂しさを胸に抱え、それでも私は清々しい思いでいっぱいだった。
THE RAMPAGEのみんなに助けてもらったように、私も誰かの助けとなることができた。それが嬉しかった。
さぁ、次の島が待ってる。気を引き締めてみんなのお手伝いを…
「うみ、ちょっといい?」
「拓磨さん。どうしたんですか?」
「いいから、こっちこっち」
私は拓磨さんに誘われるまま、デッキハウスの中へ。
食堂を通り抜け、普段使われていない一室の扉を開く。
そこにあったのは…
「わ、何ですかこれ!?」
女の子らしい設えの部屋。
ドレッサーや洋服タンス、可愛らしいぬいぐるみまで置かれている。
そして何よりも目を引いたのは、床に真四角に空いた穴だった。ハッチのように蓋を開閉できるようになっているみたいだけど、その奥にあるのは、
「水槽…?」
「ちょっと入ってみて」
拓磨さんが嬉しそうに言う。何が何だか分からないけど、私はとにかく人魚の姿に戻って穴からするりと水槽らしきものに潜り込んだ。
下へと潜ってみて、ようやくその全貌が分かった。
「すごい…!本当の海みたいです!」
上甲板から中甲板までをぶちぬくようにして設置されていたのは大きな水槽だった。ガラスの一面は中甲板の図書室に面しており、ここなら水の中からでもみんなとお喋りすることができる。
「やっぱり人魚だし水の中の方が楽かなって思って作ってみた。島の人にも材料をもらったりして協力してもらったんだ。どう?気に入ってくれたかな」
図書室に降りてきた拓磨さんに尋ねられ、私はくるりと一回転してみせた。
「すごく嬉しいです!!こんな素敵なものを作っていただき、ありがとうございます!!」
「ん、良かった」
陸上での生活にあまり慣れておらず、本当はずっと水の中で寝たいと思っていたのだ。
「上がる時は上のハッチからね。あの一室をうみの部屋にしたから、もしベッドで寝たければそこで寝ればいいから」
「水陸両用ってことですか?拓磨さんアイデアも船大工としての腕も本当にすごいです…!」
「えぇ、照れる~」
頬を染める拓磨さんの後ろから、樹さんが降りてきた。水槽の中の私を見あげて、「おぉ」と驚きの声を上げる。
「完成したんだ。すごいねこれ」
ガラスをこんこん叩く樹さん。私も内側から叩き返すと、樹さんはちょっと笑ってくれた。
「図書室に入り浸って船の仕事サボんないでくださいよ樹さん」
「んー…ちょっと自信ないかも」
ん?
それって、どういう意味?
戸惑う私を見つめて、樹さんはふっと笑った。
私は遠ざかっていく海竜さんに手を振った。
追い風を捕まえた船はあっという間に海の真ん中に出る。
少しの寂しさを胸に抱え、それでも私は清々しい思いでいっぱいだった。
THE RAMPAGEのみんなに助けてもらったように、私も誰かの助けとなることができた。それが嬉しかった。
さぁ、次の島が待ってる。気を引き締めてみんなのお手伝いを…
「うみ、ちょっといい?」
「拓磨さん。どうしたんですか?」
「いいから、こっちこっち」
私は拓磨さんに誘われるまま、デッキハウスの中へ。
食堂を通り抜け、普段使われていない一室の扉を開く。
そこにあったのは…
「わ、何ですかこれ!?」
女の子らしい設えの部屋。
ドレッサーや洋服タンス、可愛らしいぬいぐるみまで置かれている。
そして何よりも目を引いたのは、床に真四角に空いた穴だった。ハッチのように蓋を開閉できるようになっているみたいだけど、その奥にあるのは、
「水槽…?」
「ちょっと入ってみて」
拓磨さんが嬉しそうに言う。何が何だか分からないけど、私はとにかく人魚の姿に戻って穴からするりと水槽らしきものに潜り込んだ。
下へと潜ってみて、ようやくその全貌が分かった。
「すごい…!本当の海みたいです!」
上甲板から中甲板までをぶちぬくようにして設置されていたのは大きな水槽だった。ガラスの一面は中甲板の図書室に面しており、ここなら水の中からでもみんなとお喋りすることができる。
「やっぱり人魚だし水の中の方が楽かなって思って作ってみた。島の人にも材料をもらったりして協力してもらったんだ。どう?気に入ってくれたかな」
図書室に降りてきた拓磨さんに尋ねられ、私はくるりと一回転してみせた。
「すごく嬉しいです!!こんな素敵なものを作っていただき、ありがとうございます!!」
「ん、良かった」
陸上での生活にあまり慣れておらず、本当はずっと水の中で寝たいと思っていたのだ。
「上がる時は上のハッチからね。あの一室をうみの部屋にしたから、もしベッドで寝たければそこで寝ればいいから」
「水陸両用ってことですか?拓磨さんアイデアも船大工としての腕も本当にすごいです…!」
「えぇ、照れる~」
頬を染める拓磨さんの後ろから、樹さんが降りてきた。水槽の中の私を見あげて、「おぉ」と驚きの声を上げる。
「完成したんだ。すごいねこれ」
ガラスをこんこん叩く樹さん。私も内側から叩き返すと、樹さんはちょっと笑ってくれた。
「図書室に入り浸って船の仕事サボんないでくださいよ樹さん」
「んー…ちょっと自信ないかも」
ん?
それって、どういう意味?
戸惑う私を見つめて、樹さんはふっと笑った。