第一章
夢小説設定
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「まっ待ってくれ!仕方なかったんだ!」
気を失った人々があちこちに転がる中、最後に残った男はそう叫んだ。俺たちを案内してくれた人だ。
「ま、そら非力な民間人が海賊を襲うにはそれなりの理由がないとおかしいやろ。仕方ないってどういうことや」
壱馬さんが銀色のナックルを外しながら尋ねる。
「海竜だ…あいつに月に一度生贄を差し出さなければ俺たちが食べられてしまう…」
「海竜?」
俺たちが聞き返したその時。うみが興奮した様子で男に詰め寄った。
「海竜!?まさか…まだ海竜が生き残っていたんですか!?」
「あ、あぁ…よく分からないが、とにかくそいつはここの近海に住み着いて、普段は眠ってるが月に一度だけ起き出して暴れ始めるんだ。人の肉を差し出せば大人しくなるから、俺たちはこうして島の外から来た人間を捕まえては海竜へ差し出していた…」
それを聞いて、俺は海岸に転がっていた船の破片を思い出した。
あれはここの島で生贄に差し出された船乗りたちが乗ってきた船が朽ちたものだったんだ。
しかし、うみの考えは俺とは別のところにあるようで。
「まさか…海竜が人間を食べることはありません。普段は海の魚とか、そういうものだけで充分なはずなのに」
うみは口元に手を当てて考え込む。同じ海に暮らすものとして知識は誰よりもあるみたいだ。
「うみ、海竜って?」
「読んで字のごとく、海に住む大型の竜です。私たちと同じように太古の昔に繁栄していた種族で、寒い海を好んで住みます。でも環境の変化に対応しきれず、さらにその恐ろしい見た目から人間に恐れられたことで乱獲が進み、今では絶滅してしまったと思ったのですが…」
「へぇ…海にはまだ不思議な生き物がいっぱい暮らしてるんだね」
龍が感心したように言う。
そこまで黙って話を聞いていた街の男が、おずおずとうみを見上げた。
「お嬢さん、やけに海竜に詳しいが…」
「え?あ、いえ、又聞きです!はい!」
「そうか、まぁそれはいいんだが…もし、対処方法を知っているなら助けてくれないか。本当は俺たちだってやりたくないんだ、こんなことは」
「えっ」
うみが戸惑いの声をあげる。
俺を振り返る。
ネオンブルーの瞳が揺れていた。
お前次第だと、目で言う。
うみは俺があげたネックレスをきゅっと握ると、決心したのか男の前に膝をついた。
「分かりました。私に任せてください」
気を失った人々があちこちに転がる中、最後に残った男はそう叫んだ。俺たちを案内してくれた人だ。
「ま、そら非力な民間人が海賊を襲うにはそれなりの理由がないとおかしいやろ。仕方ないってどういうことや」
壱馬さんが銀色のナックルを外しながら尋ねる。
「海竜だ…あいつに月に一度生贄を差し出さなければ俺たちが食べられてしまう…」
「海竜?」
俺たちが聞き返したその時。うみが興奮した様子で男に詰め寄った。
「海竜!?まさか…まだ海竜が生き残っていたんですか!?」
「あ、あぁ…よく分からないが、とにかくそいつはここの近海に住み着いて、普段は眠ってるが月に一度だけ起き出して暴れ始めるんだ。人の肉を差し出せば大人しくなるから、俺たちはこうして島の外から来た人間を捕まえては海竜へ差し出していた…」
それを聞いて、俺は海岸に転がっていた船の破片を思い出した。
あれはここの島で生贄に差し出された船乗りたちが乗ってきた船が朽ちたものだったんだ。
しかし、うみの考えは俺とは別のところにあるようで。
「まさか…海竜が人間を食べることはありません。普段は海の魚とか、そういうものだけで充分なはずなのに」
うみは口元に手を当てて考え込む。同じ海に暮らすものとして知識は誰よりもあるみたいだ。
「うみ、海竜って?」
「読んで字のごとく、海に住む大型の竜です。私たちと同じように太古の昔に繁栄していた種族で、寒い海を好んで住みます。でも環境の変化に対応しきれず、さらにその恐ろしい見た目から人間に恐れられたことで乱獲が進み、今では絶滅してしまったと思ったのですが…」
「へぇ…海にはまだ不思議な生き物がいっぱい暮らしてるんだね」
龍が感心したように言う。
そこまで黙って話を聞いていた街の男が、おずおずとうみを見上げた。
「お嬢さん、やけに海竜に詳しいが…」
「え?あ、いえ、又聞きです!はい!」
「そうか、まぁそれはいいんだが…もし、対処方法を知っているなら助けてくれないか。本当は俺たちだってやりたくないんだ、こんなことは」
「えっ」
うみが戸惑いの声をあげる。
俺を振り返る。
ネオンブルーの瞳が揺れていた。
お前次第だと、目で言う。
うみは俺があげたネックレスをきゅっと握ると、決心したのか男の前に膝をついた。
「分かりました。私に任せてください」