第五章
夢小説設定
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「見えた…!あそこ!」
「あと30秒!」
船が見えた。既にみんな乗り込んでいる。
「『Convert!』!」
直人の声がしたと思ったら、次の瞬間には船上に移動していた。物質と物質の場所を入れ替える直人の能力だ。
「みさ!!まこっちゃん!!」
樹が真っ先に駆け寄ってきて、私を抱きすくめる。
心臓が早鐘を打っていた。
「もうどこにも行くな、バカ妹」
「…うん。ごめん、お兄ちゃん」
「よし、これで全員だな!?船出せ、爆発に巻き込まれるぞ!」
HIROの指示で、モーターが唸りを上げた。船が猛スピードで走り出す。
せつな。
耳をつんざく轟音と共に、島の中心で爆発が起こった。
猛烈な熱風が叩きつけるように吹き、瓦礫や木片が降り注ぐ。
あぁ、これが本当の終わり。
そして、始まり。
「全員、よく聞け」
操舵室の屋根の上で、HIROが銃を持った右腕を掲げた。
高らかに、宣言する。
「LDH の勝利だ」
その顔に、笑顔はなかった。
誰も、笑ってはいなかった。
マスターに勝つまで、あまりにも多くの命を失った。多くの血が流れた。
だから、彼らは叫ぶ。
拳を掲げて。
天を突くような声で、叫ぶ。
勝利の咆哮を。
「みさ」
船尾から崩壊していく島を見ていた私の隣に、慎がやってきた。
傷だらけの腕で、私の肩を抱く。
「まこっちゃん。私、もう迷わないよ」
「うん」
「だから私を、連れて行ってね」
理想郷 へ。
慎が私の顎に手をかけて自分の方を向かせた。
ふっと、柔らかく笑う。
「約束する」
ふたりの距離が、ゼロになる。
「あと30秒!」
船が見えた。既にみんな乗り込んでいる。
「『Convert!』!」
直人の声がしたと思ったら、次の瞬間には船上に移動していた。物質と物質の場所を入れ替える直人の能力だ。
「みさ!!まこっちゃん!!」
樹が真っ先に駆け寄ってきて、私を抱きすくめる。
心臓が早鐘を打っていた。
「もうどこにも行くな、バカ妹」
「…うん。ごめん、お兄ちゃん」
「よし、これで全員だな!?船出せ、爆発に巻き込まれるぞ!」
HIROの指示で、モーターが唸りを上げた。船が猛スピードで走り出す。
せつな。
耳をつんざく轟音と共に、島の中心で爆発が起こった。
猛烈な熱風が叩きつけるように吹き、瓦礫や木片が降り注ぐ。
あぁ、これが本当の終わり。
そして、始まり。
「全員、よく聞け」
操舵室の屋根の上で、HIROが銃を持った右腕を掲げた。
高らかに、宣言する。
「
その顔に、笑顔はなかった。
誰も、笑ってはいなかった。
マスターに勝つまで、あまりにも多くの命を失った。多くの血が流れた。
だから、彼らは叫ぶ。
拳を掲げて。
天を突くような声で、叫ぶ。
勝利の咆哮を。
「みさ」
船尾から崩壊していく島を見ていた私の隣に、慎がやってきた。
傷だらけの腕で、私の肩を抱く。
「まこっちゃん。私、もう迷わないよ」
「うん」
「だから私を、連れて行ってね」
慎が私の顎に手をかけて自分の方を向かせた。
ふっと、柔らかく笑う。
「約束する」
ふたりの距離が、ゼロになる。
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