第五章
夢小説設定
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俺のスナイパーライフルと、
少年の背後に立つみさが構えた、スタームルガーの銃口から硝煙が上がっていた。
「……あ…………あ…」
少年の口から、大量の血がごぼりと溢れる。
前と後ろから心臓を撃ち抜かれて。
俺は肩で息をしながら、右手1本で支えていたへカートIIをガシャンと下ろす。
血を流しすぎてくらくらする。それでも、ここで意識を失ってはいけない。
彼らの『最後』を、見届ける義務がある。
「みさ…………どうして……」
「マスター」
少年が、ぼたぼたを白い床に血を落としながらゆっくりとみさに歩み寄っていく。
この光景。
初めてベッドを共にしたあの夜に見た、あいつの過去。
みさよりも少し背丈の低い少年が、その胸にとさりと倒れこんだ。
「私は、あなたによって生み出されました。あなたこそが世界の全てだった」
みさは少年の身体を優しく抱きしめて、そっと床に膝をつく。
人によって作られた存在。歪んだ愛の鳥籠のなかに囚われてきた、美しい人形。
「あなたが私を作ってくれたから。私は今の仲間に出会えたんです」
「いまの…なかま……」
「はい。あなたという世界から、私を約束の地へと連れ出してくれた大切なひとたち」
俺はみさを、幸せにしたかった。
心を知らない人形ではなく、ひとりの人間として。
どこかにある理想郷で、誰も殺さず、死なない世界というものを見てみたかった。
「私はもう、自分で歩くことができます。でも、きっとあなたには私がいないとダメだから」
みさの美しい手が、少年の黒髪を撫でる。
「あなたを救いたい。命という鎖から解放されて、自由にしてさしあげたいんです」
俺は、抱き合う2人を黙って見守っていた。
少年の背中はようやく年相応の幼さを取り戻し、まるで母親に抱かれる子供のようにみさの胸に身体を委ねている。
みさの大きな瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。
「おやすみなさい、マスター。またいつか、理想郷 で会いましょう」
「みさ……」
穏やかな少年の横顔。
救われた。そう直感した。
バステトの呪いから、解き放たれたんだ。
「愛してるよ」
「はい。私も、愛しています」
少年の背後に立つみさが構えた、スタームルガーの銃口から硝煙が上がっていた。
「……あ…………あ…」
少年の口から、大量の血がごぼりと溢れる。
前と後ろから心臓を撃ち抜かれて。
俺は肩で息をしながら、右手1本で支えていたへカートIIをガシャンと下ろす。
血を流しすぎてくらくらする。それでも、ここで意識を失ってはいけない。
彼らの『最後』を、見届ける義務がある。
「みさ…………どうして……」
「マスター」
少年が、ぼたぼたを白い床に血を落としながらゆっくりとみさに歩み寄っていく。
この光景。
初めてベッドを共にしたあの夜に見た、あいつの過去。
みさよりも少し背丈の低い少年が、その胸にとさりと倒れこんだ。
「私は、あなたによって生み出されました。あなたこそが世界の全てだった」
みさは少年の身体を優しく抱きしめて、そっと床に膝をつく。
人によって作られた存在。歪んだ愛の鳥籠のなかに囚われてきた、美しい人形。
「あなたが私を作ってくれたから。私は今の仲間に出会えたんです」
「いまの…なかま……」
「はい。あなたという世界から、私を約束の地へと連れ出してくれた大切なひとたち」
俺はみさを、幸せにしたかった。
心を知らない人形ではなく、ひとりの人間として。
どこかにある理想郷で、誰も殺さず、死なない世界というものを見てみたかった。
「私はもう、自分で歩くことができます。でも、きっとあなたには私がいないとダメだから」
みさの美しい手が、少年の黒髪を撫でる。
「あなたを救いたい。命という鎖から解放されて、自由にしてさしあげたいんです」
俺は、抱き合う2人を黙って見守っていた。
少年の背中はようやく年相応の幼さを取り戻し、まるで母親に抱かれる子供のようにみさの胸に身体を委ねている。
みさの大きな瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。
「おやすみなさい、マスター。またいつか、
「みさ……」
穏やかな少年の横顔。
救われた。そう直感した。
バステトの呪いから、解き放たれたんだ。
「愛してるよ」
「はい。私も、愛しています」