第五章
夢小説設定
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どこだ、どこだ。
どこにいる。
「残りの時間は?」
「4時間です!」
HIROさんが舌打ちをもらす。
「まずいな…」
あと4時間でこの狂ったゲームに決着を付けなければならない。
あの少年とみさを見つけ出せなければ、俺たちは島ごと吹き飛ぶことになる。
どこを見ても訳の分からない幻像が邪魔をする。見慣れたあの銀髪が見当たらない。
「EXILEとTHE RAMPAGEで二手に分かれよう。目標を発見次第、全員へ報告を」
「「はい!」」
襲いかかる敵を払いながら、俺たちは廊下の曲がり角で二手に分かれた。
「闇雲に走り回ってたって敵に遭遇するだけだ。頭を使わないと」
山彰さんがバチバチと電気を纏いながら呟いた。感電死した敵数人が雪崩るように倒れていく。
「頭使うったって…じゃあみさと目標はどこにいるの?」
瑠唯さんが影の中から尋ねた。山彰さんは首を捻る。
「えぇと…あのサイコパス男何考えてるか分かんないからなぁ」
「サイコパス同士何か通じ合うところあるんじゃないですか!」
「何だと翔平お前!」
「うわっ、さーせん!」
翔平さんが手のひらで起こした爆破の反動を使って逃げるように前方に飛んでいった。ついでに襲いかかってきた敵を驚異的な反射神経で倒す。
「ふざけとる場合やないで!あと3時間しかない…!」
くそ、考えろ考えろ考えろ。
あいつはどこにいる?
島ひとつ吹き飛ばすほどの爆弾。
それほどの規模のものならば、爆弾が仕掛けられているのは恐らく島の中心部、つまりここだ。
そしてより爆発をより効果的に伝えるならば地下。
俺ははっと足元に目をやった。
幻像が邪魔をするが、集中して必死に目を凝らす。
「…あった」
ちょうど俺たちの真下、地下100mほど。
巨大な時限爆弾が刻一刻と死へのタイムリミットを刻んでいる。
「爆弾がありました!真下に!」
「はぁ!?ここに仕掛けてたのかよ…いよいよサイコパスだな」
「ほんなら俺らも本気でヤバいっすね」
力矢さんと陣さんが苦い表情で顔を見合わせる。
でも、爆弾の在り処が分かってもみさの居場所が分からないんじゃ意味が無い。
みさの持つスイッチを押さないと爆発は止められない。
「陣さん、陣さんの能力でもみさは応答しないんですか!?」
昂秀が尋ねても、陣さんは苛立ちまぎれに首を横に振るだけ。
「さっきから何回も呼びかけとるけど反応はない。もうこの前みたいな接触はないと思った方がええ。自我があるかも怪しいで」
「何でもいい。力づくで取り返します」
樹さんはそう言って天井付近に付けられている監視カメラを睨みつけた。
カメラの向こうにはきっとあの男がいて、俺たちが駆けずり回っているのを嘲笑っているのだろう。
…あ。
そうか。
俺と同時に何人かが同じ考えに至ったようで、一斉に健太さんを振り返った。
「…え?何?」
「例えばの話なんですけど、健太さんの耳って監視カメラを通ってどこかに送られる俺たちの声とかも聞き取れたりできます?」
「は?」
北人さんの突然の質問に健太さんは戸惑いを隠せない。
「い、いや別に監視カメラってあれ音をそのまま送ってるわけじゃねぇから!一旦電子信号にしてんだよ?」
「じゃあその電気が流れる音!聞き取れませんか!?健太さんの耳って普通の10000倍の聴力があるんすよね!」
「壱馬まで何言ってんの!?」
「あいつは監視カメラで俺たちを監視してるはずなんだ。だからあの監視カメラから送られる信号を辿った先に、目標とみさがいる」
力矢さんの説明で、他のみんなもはっと気づく。
このカメラが繋がる先を辿れば。
「全員、思念に切り替えろ。あいつが聞いとんならこっちの動きが筒抜けや」
陣さんの瞳が金色に光った。みんなが口を閉じ、陣さんの『テレパス』を介して脳内で会話を始める。
(電気の音を辿るなんてやったことないけど、とりあえずやってみる)
(あ、じゃあ俺が大量の電力を回路に送ればもっと分かりやすくなるんじゃね?)
(問題はその作業の間にどうやって敵に俺らの動きを悟られないようにするかやで)
(俺の『Phantom』でこの辺りに幻覚を張ります)
そこからは阿吽の呼吸だった。
昂秀の能力が発動してすぐに山彰さんが壁に手を当てて、体内に溜め込んでいた電気を送る。健太さんは瞼を閉じて耳を澄ます。
俺たちはその邪魔にならないよう息を詰めて辺りの警戒にあたっていた。
「…!」
健太さんのまつ毛がぴくりと震えた。
「真上に150m」
俺は即座に上を見上げた。
瞳を光らせて透視する。
幻像のその奥、壁一面に監視カメラのモニターが並ぶ一室。
そこに、ようやく見つけた。
青い虹彩、プラチナに輝く巻き毛。
「見つけた」
どこにいる。
「残りの時間は?」
「4時間です!」
HIROさんが舌打ちをもらす。
「まずいな…」
あと4時間でこの狂ったゲームに決着を付けなければならない。
あの少年とみさを見つけ出せなければ、俺たちは島ごと吹き飛ぶことになる。
どこを見ても訳の分からない幻像が邪魔をする。見慣れたあの銀髪が見当たらない。
「EXILEとTHE RAMPAGEで二手に分かれよう。目標を発見次第、全員へ報告を」
「「はい!」」
襲いかかる敵を払いながら、俺たちは廊下の曲がり角で二手に分かれた。
「闇雲に走り回ってたって敵に遭遇するだけだ。頭を使わないと」
山彰さんがバチバチと電気を纏いながら呟いた。感電死した敵数人が雪崩るように倒れていく。
「頭使うったって…じゃあみさと目標はどこにいるの?」
瑠唯さんが影の中から尋ねた。山彰さんは首を捻る。
「えぇと…あのサイコパス男何考えてるか分かんないからなぁ」
「サイコパス同士何か通じ合うところあるんじゃないですか!」
「何だと翔平お前!」
「うわっ、さーせん!」
翔平さんが手のひらで起こした爆破の反動を使って逃げるように前方に飛んでいった。ついでに襲いかかってきた敵を驚異的な反射神経で倒す。
「ふざけとる場合やないで!あと3時間しかない…!」
くそ、考えろ考えろ考えろ。
あいつはどこにいる?
島ひとつ吹き飛ばすほどの爆弾。
それほどの規模のものならば、爆弾が仕掛けられているのは恐らく島の中心部、つまりここだ。
そしてより爆発をより効果的に伝えるならば地下。
俺ははっと足元に目をやった。
幻像が邪魔をするが、集中して必死に目を凝らす。
「…あった」
ちょうど俺たちの真下、地下100mほど。
巨大な時限爆弾が刻一刻と死へのタイムリミットを刻んでいる。
「爆弾がありました!真下に!」
「はぁ!?ここに仕掛けてたのかよ…いよいよサイコパスだな」
「ほんなら俺らも本気でヤバいっすね」
力矢さんと陣さんが苦い表情で顔を見合わせる。
でも、爆弾の在り処が分かってもみさの居場所が分からないんじゃ意味が無い。
みさの持つスイッチを押さないと爆発は止められない。
「陣さん、陣さんの能力でもみさは応答しないんですか!?」
昂秀が尋ねても、陣さんは苛立ちまぎれに首を横に振るだけ。
「さっきから何回も呼びかけとるけど反応はない。もうこの前みたいな接触はないと思った方がええ。自我があるかも怪しいで」
「何でもいい。力づくで取り返します」
樹さんはそう言って天井付近に付けられている監視カメラを睨みつけた。
カメラの向こうにはきっとあの男がいて、俺たちが駆けずり回っているのを嘲笑っているのだろう。
…あ。
そうか。
俺と同時に何人かが同じ考えに至ったようで、一斉に健太さんを振り返った。
「…え?何?」
「例えばの話なんですけど、健太さんの耳って監視カメラを通ってどこかに送られる俺たちの声とかも聞き取れたりできます?」
「は?」
北人さんの突然の質問に健太さんは戸惑いを隠せない。
「い、いや別に監視カメラってあれ音をそのまま送ってるわけじゃねぇから!一旦電子信号にしてんだよ?」
「じゃあその電気が流れる音!聞き取れませんか!?健太さんの耳って普通の10000倍の聴力があるんすよね!」
「壱馬まで何言ってんの!?」
「あいつは監視カメラで俺たちを監視してるはずなんだ。だからあの監視カメラから送られる信号を辿った先に、目標とみさがいる」
力矢さんの説明で、他のみんなもはっと気づく。
このカメラが繋がる先を辿れば。
「全員、思念に切り替えろ。あいつが聞いとんならこっちの動きが筒抜けや」
陣さんの瞳が金色に光った。みんなが口を閉じ、陣さんの『テレパス』を介して脳内で会話を始める。
(電気の音を辿るなんてやったことないけど、とりあえずやってみる)
(あ、じゃあ俺が大量の電力を回路に送ればもっと分かりやすくなるんじゃね?)
(問題はその作業の間にどうやって敵に俺らの動きを悟られないようにするかやで)
(俺の『Phantom』でこの辺りに幻覚を張ります)
そこからは阿吽の呼吸だった。
昂秀の能力が発動してすぐに山彰さんが壁に手を当てて、体内に溜め込んでいた電気を送る。健太さんは瞼を閉じて耳を澄ます。
俺たちはその邪魔にならないよう息を詰めて辺りの警戒にあたっていた。
「…!」
健太さんのまつ毛がぴくりと震えた。
「真上に150m」
俺は即座に上を見上げた。
瞳を光らせて透視する。
幻像のその奥、壁一面に監視カメラのモニターが並ぶ一室。
そこに、ようやく見つけた。
青い虹彩、プラチナに輝く巻き毛。
「見つけた」