第五章
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俺たちの敵は、黒髪の少年を教祖に置くカルト集団【ハデス】。少年を崇める者にのみ輪廻転生が許されると本気で信じているらしい。
あの少年をみさはマスターと呼んでいた。もしかしたら彼自身、命の環を巡って再び生まれたのかもしれない。
もしそれが彼の能力からなるものだとしたら、永遠にいたちごっこだ。勝ち目がない。
相手は殺してもまた生まれ変わるのだから。
「ハデスの本拠地は北緯32°、東経139°にある無人島です。そこに最新鋭の設備を備えた基地がある。奴はそこにいます」
健太さんがバイクを走らせながら無線機に向かって言った。
敵は海上の孤島。守りは固いかもしれないが、逆に言えば奴らにも逃げ場がないということ。
『車はここに置いていけ。バイクはそのまま舟に乗り込むぞ。最短距離で奴らの城を目指す』
港には大型モーターヨットがいくつも停泊していた。俺たちがバイクごと甲板に飛び乗ると、すぐにエンジンがうなりをあげて出航する。
『こちら敬浩。先行して航路の安全を確認します』
隣のボートから巨大な鷲が飛び立った。あっという間に前方へと舞い上がっていく。
「こちら慎、同じく敵に警戒します」
能力を発動する。遠くの海がぐんと近づく。
…いた。奴らが海岸沿いに武器を構えて俺たちを待ち構えている。
「どんな感じや?」
「約200人、海岸沿いで待ち伏せてます」
「ははっ、俺たち人気者やな」
潮風を受けながら壱馬さんが乾いた声で笑う。
走ること約10分。奴らが俺たちに気づいた。小型ボートがこちらへ向かってくる。
「来たぞ。一点突破だ。迷わず突っ切れ」
力矢さんの言葉に、THE RAMPAGE全員が拳を突き上げ雄叫びを上げる。他チームが乗るモーターヨットからも猛々しい声が響いてきた。
この感じ。
血湧き肉躍るような高揚感。そこにスパイスを足す微かな死の香り。
たまらない。
すると突然水面が生き物のようにうねって敵のボートを飲み込んだ。
あの能力は…
「水上の戦いなら負けないよ?」
GENERATIONSの旗が翻る船の船首で、涼太さんが笑う。
さらに。
海面がビキビキと音を立てて凍っていく。数秒後には敵の舟も、乗組員も、何もかもが氷となっていた。
白い息を吐いて、樹さんが鋭く睨む。
「どけ。妹を取り戻しに来た」
これが樹さんの本気。凄まじいとしか言いようがない。
「ええぞ樹!そのまま乗りあげろ!」
陣さんが叫ぶ。
クルーザーはスピードを落とすことなく氷の大地に突っ込んでいく。当然ブレーキなどあるわけもなく、船底は嫌な音を立てて氷を抉りながら海岸に乗り上げ、ようやく止まった。
奇岩の突き出る海岸の向こうには鬱蒼とした森が俺たちを飲み込もうと待ち構えている。この奥に人が住めるとは思えないけど。
俺の瞳が金色に光る。
見つけた。
島の最奥に、堅牢なコンクリートの建物がある。
あそこに、みさがいる。
「こちら慎。南西にまっすぐ800m行ったところにハデスのものと思われる建物があります」
『こちら敬浩。同じく島の中心部に建物を発見』
『HIROから全員へ。目指すはその場所だ』
森は不気味なほどに静まり返っている。
俺たちを飲み込まんと待ち構えているように。
やってみろよ、俺は顎を引いて森を睨みつけた。
『死ぬんじゃねえぞ』
HIROさんが言った。
祭が、始まる。
あの少年をみさはマスターと呼んでいた。もしかしたら彼自身、命の環を巡って再び生まれたのかもしれない。
もしそれが彼の能力からなるものだとしたら、永遠にいたちごっこだ。勝ち目がない。
相手は殺してもまた生まれ変わるのだから。
「ハデスの本拠地は北緯32°、東経139°にある無人島です。そこに最新鋭の設備を備えた基地がある。奴はそこにいます」
健太さんがバイクを走らせながら無線機に向かって言った。
敵は海上の孤島。守りは固いかもしれないが、逆に言えば奴らにも逃げ場がないということ。
『車はここに置いていけ。バイクはそのまま舟に乗り込むぞ。最短距離で奴らの城を目指す』
港には大型モーターヨットがいくつも停泊していた。俺たちがバイクごと甲板に飛び乗ると、すぐにエンジンがうなりをあげて出航する。
『こちら敬浩。先行して航路の安全を確認します』
隣のボートから巨大な鷲が飛び立った。あっという間に前方へと舞い上がっていく。
「こちら慎、同じく敵に警戒します」
能力を発動する。遠くの海がぐんと近づく。
…いた。奴らが海岸沿いに武器を構えて俺たちを待ち構えている。
「どんな感じや?」
「約200人、海岸沿いで待ち伏せてます」
「ははっ、俺たち人気者やな」
潮風を受けながら壱馬さんが乾いた声で笑う。
走ること約10分。奴らが俺たちに気づいた。小型ボートがこちらへ向かってくる。
「来たぞ。一点突破だ。迷わず突っ切れ」
力矢さんの言葉に、THE RAMPAGE全員が拳を突き上げ雄叫びを上げる。他チームが乗るモーターヨットからも猛々しい声が響いてきた。
この感じ。
血湧き肉躍るような高揚感。そこにスパイスを足す微かな死の香り。
たまらない。
すると突然水面が生き物のようにうねって敵のボートを飲み込んだ。
あの能力は…
「水上の戦いなら負けないよ?」
GENERATIONSの旗が翻る船の船首で、涼太さんが笑う。
さらに。
海面がビキビキと音を立てて凍っていく。数秒後には敵の舟も、乗組員も、何もかもが氷となっていた。
白い息を吐いて、樹さんが鋭く睨む。
「どけ。妹を取り戻しに来た」
これが樹さんの本気。凄まじいとしか言いようがない。
「ええぞ樹!そのまま乗りあげろ!」
陣さんが叫ぶ。
クルーザーはスピードを落とすことなく氷の大地に突っ込んでいく。当然ブレーキなどあるわけもなく、船底は嫌な音を立てて氷を抉りながら海岸に乗り上げ、ようやく止まった。
奇岩の突き出る海岸の向こうには鬱蒼とした森が俺たちを飲み込もうと待ち構えている。この奥に人が住めるとは思えないけど。
俺の瞳が金色に光る。
見つけた。
島の最奥に、堅牢なコンクリートの建物がある。
あそこに、みさがいる。
「こちら慎。南西にまっすぐ800m行ったところにハデスのものと思われる建物があります」
『こちら敬浩。同じく島の中心部に建物を発見』
『HIROから全員へ。目指すはその場所だ』
森は不気味なほどに静まり返っている。
俺たちを飲み込まんと待ち構えているように。
やってみろよ、俺は顎を引いて森を睨みつけた。
『死ぬんじゃねえぞ』
HIROさんが言った。
祭が、始まる。