第四章
夢小説設定
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「見えた!本社のバリゲード!」
巨大なライオンに化けた海青さんの背中で、俺はまっすぐ前を指さした。
「敵に取り囲まれてるけど」
俺の前に乗った樹さんが目の上に手をかざしてバリゲードを取り囲む敵の大軍を見やる。海青さんは勢いを緩めることなく走り続けた。
「飛ぶぞ!しっかり掴まってろよ!」
敵がこちらに気づいた。俺たちの耳元を銃弾が掠めていく。
海青さんは助走の勢いを殺すことなくぐっと重心を落とすと敵の頭上を通過し、3mはあろうバリゲードを軽々と飛び越えた。
「すげ…」
これが百獣の王が誇る脚力。俺はあっという間に遠ざかっていくバリゲードの壁を振り返る。
内側に入っても海青さんは走り続ける。
本社ビルが見えてきた。窓の内側にはべったりと血が付着し、今も凄まじい戦いが行われているのが見える。
「あれ、海青入口はあっち…」
「これが最短ルートやろ!突っ込むぞ!」
「えっちょ、海青さん待って!ストップストッ…!」
背中に乗る俺たちの制止の声も聞かず、海青さんは窓に頭から突っ込んで行った。
強化ガラスがまるで飴細工のように粉々に砕け散り、俺たちの上に降り注ぐ。
そして俺たち3人は敵のど真ん中に着地した。戦っている最中だった世界さんがぎょっと俺たちを振り返る。
「はぁ!?まこっちゃんに樹に海青…普通に入ってこいよ!」
「海青さんに言ってください!」
「あ、俺は2人を送ってきただけなんで。それじゃあ樹に慎、みさを頼んだで!」
海青さんは爽やかにしっぽを一振してまた同じ窓から出ていった。
「世界さん、俺たちみさの身に危険が迫ってるってHIROさんから応援を頼まれたんです!みさはどこですか!?」
襲いかかってくる敵を凍らせながら樹さんが怒鳴った。世界さんも能力で敵をサファイアやエメラルドに変えながら怒鳴り返す。
能力名『レッド・ダイアモンド』。触れたもの全てを鉱石に変える美しく強力な力。
「みさなら3階の管制室でセキュリティを担当してるはずだ!亜嵐くんが護衛についてたと思うけど…」
「3階管制室…行きましょう樹さん」
「ああ。世界さんあざっす」
「よくわかんないけどさっさと行け。ここは俺ひとりで充分だ」
俺たちは強く頷くと上階へと繋がる階段を駆け上がって行った。
至る所に避難が遅れた非戦闘員と敵の惨殺死体が転がっている。その中に見知った顔をいくつか見つけた俺は唇をぐっと噛み締めた。
頼む。無事でいてくれ。
巨大なライオンに化けた海青さんの背中で、俺はまっすぐ前を指さした。
「敵に取り囲まれてるけど」
俺の前に乗った樹さんが目の上に手をかざしてバリゲードを取り囲む敵の大軍を見やる。海青さんは勢いを緩めることなく走り続けた。
「飛ぶぞ!しっかり掴まってろよ!」
敵がこちらに気づいた。俺たちの耳元を銃弾が掠めていく。
海青さんは助走の勢いを殺すことなくぐっと重心を落とすと敵の頭上を通過し、3mはあろうバリゲードを軽々と飛び越えた。
「すげ…」
これが百獣の王が誇る脚力。俺はあっという間に遠ざかっていくバリゲードの壁を振り返る。
内側に入っても海青さんは走り続ける。
本社ビルが見えてきた。窓の内側にはべったりと血が付着し、今も凄まじい戦いが行われているのが見える。
「あれ、海青入口はあっち…」
「これが最短ルートやろ!突っ込むぞ!」
「えっちょ、海青さん待って!ストップストッ…!」
背中に乗る俺たちの制止の声も聞かず、海青さんは窓に頭から突っ込んで行った。
強化ガラスがまるで飴細工のように粉々に砕け散り、俺たちの上に降り注ぐ。
そして俺たち3人は敵のど真ん中に着地した。戦っている最中だった世界さんがぎょっと俺たちを振り返る。
「はぁ!?まこっちゃんに樹に海青…普通に入ってこいよ!」
「海青さんに言ってください!」
「あ、俺は2人を送ってきただけなんで。それじゃあ樹に慎、みさを頼んだで!」
海青さんは爽やかにしっぽを一振してまた同じ窓から出ていった。
「世界さん、俺たちみさの身に危険が迫ってるってHIROさんから応援を頼まれたんです!みさはどこですか!?」
襲いかかってくる敵を凍らせながら樹さんが怒鳴った。世界さんも能力で敵をサファイアやエメラルドに変えながら怒鳴り返す。
能力名『レッド・ダイアモンド』。触れたもの全てを鉱石に変える美しく強力な力。
「みさなら3階の管制室でセキュリティを担当してるはずだ!亜嵐くんが護衛についてたと思うけど…」
「3階管制室…行きましょう樹さん」
「ああ。世界さんあざっす」
「よくわかんないけどさっさと行け。ここは俺ひとりで充分だ」
俺たちは強く頷くと上階へと繋がる階段を駆け上がって行った。
至る所に避難が遅れた非戦闘員と敵の惨殺死体が転がっている。その中に見知った顔をいくつか見つけた俺は唇をぐっと噛み締めた。
頼む。無事でいてくれ。