第四章
夢小説設定
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「壱馬さん!!!!!」
「ぐ…大丈夫、かすっただけや」
壱馬さんが流れ弾で負傷した腕を抑えて、無理やり笑う。どくどくと溢れた血が服を紅く染め上げていく。
「壱馬、一旦下がって!俺と交代だ!」
北人さんが叫んで壱馬さんと入れ替わりにバリゲードから飛び出して行った。俺も援護射撃で牽制しつつ、転がり込んできた壱馬さんの手当に当たる。
夜が明けてもなお敵が引く様子は見られない。体力も精神力も、限界に近かった。
「少し痛みます」
傷口付近の袖を引き裂いて、消毒液を直接かける。壱馬さんの整った顔が苦痛に歪んだ。
「骨は?」
「大丈夫、表面だけや。まだ戦える」
それでも酷い痛みのはずだ。壱馬さんはそんな素振りも一切見せずに笑おうとする。
もういいですと、俺たちだけで大丈夫ですからと、そう言えないのが悔しかった。
ひとりでも欠ければ戦線が崩壊してしまうくらいに、事態は逼迫している。
そこへ、さらに事態が悪化するような情報が舞い込んでくる。
『本社がやられた!内部にまで敵が入り込んでるらしいで!』
突然耳元で響いた陣さんの声。
俺ははっとダウンタウンに目を向けた。遠視と透視を使い要塞へと変形した本社の中を見る。
惨状だった。
建物内部は血の海だ。多くの非戦闘員が殺され、敵味方問わず死体が累々と転がっている。
そんな中、EXILEのメンバーが必死に戦っていた。
「そんな…!」
「何でや!あそこの防御モデルは最強なんじゃなかったんですか!?」
『詳しいことはよく分からん!くそッ、事態は最悪や…!』
どれだけ倒しても減らない敵。落ちた本丸。
絶望の2文字が浮かぶ。
と、ふいに波が引くように敵が撤退し始めた。
向こうも武器が尽きたらしい、補給に向かうのだろう。戦ってきたなかでこういう時間は度々見られた。
『こちら山彰。敵が引いていきます』
『力矢だ。深追いはせず、全員一旦アジトまで引け。作戦を立て直そう』
力矢さんの指示でバリゲードの外にいた北人さん、陸さん、拓磨が戻ってきた。アジトに16人が集合する。
みんな傷だらけで、疲労しきっていた。
それでも、決して心は折れていない。
心が折れたら真の敗北だと知っているから。
円卓に座った俺たちに、力矢さんが語り始める。
「うちだけじゃない。三代目さんも、GENERATIONSさんにも、THE SECONDさんのところにも負傷者が出てる。大樹はEXILEさんの戦いに精一杯で他のチームまでヒールしてまわる余裕はないらしい」
うちは健太さんと壱馬さん、翔平さん、翔吾さん、昂秀がそれぞれ負傷者リストに入っている。それ以外の全員も、どこかしらに傷を作っていた。
今までにない被害だ。
「いいか。事態は最悪だ。敵の正体も目的も分からず、防戦一方。銃弾だって無限にあるわけじゃない」
資源の供給ルートの確保もままならない今、俺たちの能力だけが頼りだった。しかし体力にも限界というものがある。
「俺たちはTHE RAMPAGEだ。LDHの一員なんだ。俺たちの目標を思い出せ」
理想郷 。
そうだ。
俺たちには目指す場所がある。
そこに到達するまでは、誰一人として欠けてはならない。
「もう一度言う」
力矢さんがぐっと顎を上げて、俺たち1人1人の顔を見た。噛み締めるように、力強く言う。
「死ぬな。俺たちの街を守り抜け」
誰からともなく、握り拳を高々と突き上げた。
俺たちTHE RAMPAGEのシンボル。
俺もマメだらけの手を固く握って、空に突き上げる。
「Are you ready!!!!!!!!!!!!」
「「「おお!!!!!!!!!!!!!!!」」」
猛り狂った雄叫びを上げて、みんなが再びバリゲード内に散らばっていく。
俺も壱馬さんに続き持ち場に戻ろうとして、陣さんに呼び止められた。
「まこっちゃん、あといっちゃん。ちょっといいか」
「?はい」
何だろう。
俺は訝りながら樹さんの隣に立った。
「どうしたんですか」
「HIROさんからお前ら2人に召集がかかった」
「え…」
どうして。しかも樹さんと俺を名指しで。
「今からダウンタウンに向かってくれ。今あそこにはバリゲードが張ってあるからバイクじゃ乗り越えられへん。海青の背中に乗ってけ」
「でも、何で俺たちなんですか」
樹さんの言葉に、陣さんは一瞬押し黙った。少し言いにくそうに、口を開く。
「HIROさんがな、」
みさが危ないんじゃないかって。
「ぐ…大丈夫、かすっただけや」
壱馬さんが流れ弾で負傷した腕を抑えて、無理やり笑う。どくどくと溢れた血が服を紅く染め上げていく。
「壱馬、一旦下がって!俺と交代だ!」
北人さんが叫んで壱馬さんと入れ替わりにバリゲードから飛び出して行った。俺も援護射撃で牽制しつつ、転がり込んできた壱馬さんの手当に当たる。
夜が明けてもなお敵が引く様子は見られない。体力も精神力も、限界に近かった。
「少し痛みます」
傷口付近の袖を引き裂いて、消毒液を直接かける。壱馬さんの整った顔が苦痛に歪んだ。
「骨は?」
「大丈夫、表面だけや。まだ戦える」
それでも酷い痛みのはずだ。壱馬さんはそんな素振りも一切見せずに笑おうとする。
もういいですと、俺たちだけで大丈夫ですからと、そう言えないのが悔しかった。
ひとりでも欠ければ戦線が崩壊してしまうくらいに、事態は逼迫している。
そこへ、さらに事態が悪化するような情報が舞い込んでくる。
『本社がやられた!内部にまで敵が入り込んでるらしいで!』
突然耳元で響いた陣さんの声。
俺ははっとダウンタウンに目を向けた。遠視と透視を使い要塞へと変形した本社の中を見る。
惨状だった。
建物内部は血の海だ。多くの非戦闘員が殺され、敵味方問わず死体が累々と転がっている。
そんな中、EXILEのメンバーが必死に戦っていた。
「そんな…!」
「何でや!あそこの防御モデルは最強なんじゃなかったんですか!?」
『詳しいことはよく分からん!くそッ、事態は最悪や…!』
どれだけ倒しても減らない敵。落ちた本丸。
絶望の2文字が浮かぶ。
と、ふいに波が引くように敵が撤退し始めた。
向こうも武器が尽きたらしい、補給に向かうのだろう。戦ってきたなかでこういう時間は度々見られた。
『こちら山彰。敵が引いていきます』
『力矢だ。深追いはせず、全員一旦アジトまで引け。作戦を立て直そう』
力矢さんの指示でバリゲードの外にいた北人さん、陸さん、拓磨が戻ってきた。アジトに16人が集合する。
みんな傷だらけで、疲労しきっていた。
それでも、決して心は折れていない。
心が折れたら真の敗北だと知っているから。
円卓に座った俺たちに、力矢さんが語り始める。
「うちだけじゃない。三代目さんも、GENERATIONSさんにも、THE SECONDさんのところにも負傷者が出てる。大樹はEXILEさんの戦いに精一杯で他のチームまでヒールしてまわる余裕はないらしい」
うちは健太さんと壱馬さん、翔平さん、翔吾さん、昂秀がそれぞれ負傷者リストに入っている。それ以外の全員も、どこかしらに傷を作っていた。
今までにない被害だ。
「いいか。事態は最悪だ。敵の正体も目的も分からず、防戦一方。銃弾だって無限にあるわけじゃない」
資源の供給ルートの確保もままならない今、俺たちの能力だけが頼りだった。しかし体力にも限界というものがある。
「俺たちはTHE RAMPAGEだ。LDHの一員なんだ。俺たちの目標を思い出せ」
そうだ。
俺たちには目指す場所がある。
そこに到達するまでは、誰一人として欠けてはならない。
「もう一度言う」
力矢さんがぐっと顎を上げて、俺たち1人1人の顔を見た。噛み締めるように、力強く言う。
「死ぬな。俺たちの街を守り抜け」
誰からともなく、握り拳を高々と突き上げた。
俺たちTHE RAMPAGEのシンボル。
俺もマメだらけの手を固く握って、空に突き上げる。
「Are you ready!!!!!!!!!!!!」
「「「おお!!!!!!!!!!!!!!!」」」
猛り狂った雄叫びを上げて、みんなが再びバリゲード内に散らばっていく。
俺も壱馬さんに続き持ち場に戻ろうとして、陣さんに呼び止められた。
「まこっちゃん、あといっちゃん。ちょっといいか」
「?はい」
何だろう。
俺は訝りながら樹さんの隣に立った。
「どうしたんですか」
「HIROさんからお前ら2人に召集がかかった」
「え…」
どうして。しかも樹さんと俺を名指しで。
「今からダウンタウンに向かってくれ。今あそこにはバリゲードが張ってあるからバイクじゃ乗り越えられへん。海青の背中に乗ってけ」
「でも、何で俺たちなんですか」
樹さんの言葉に、陣さんは一瞬押し黙った。少し言いにくそうに、口を開く。
「HIROさんがな、」
みさが危ないんじゃないかって。