第三章
夢小説設定
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前回の仕事から約4ヶ月。
再びみさがTHE RAMPAGEのサポートメンバーとしてチームに加わることになった。
「良かったなまこっちゃん」
「良くない」
肘でつついてくる昂秀を押しのけて、俺は濡れた髪をタオルでかき混ぜる。冷たい水を頭から浴びて酔いも覚めてしまった。
「みさが来たってことは、またデカい仕事か?」
陣さんの問いにみさは頷いてパソコンをかたかた操作し始めた。すぐにこの街の地図と細かい数値がホログラムで投影される。
「依頼主は外部じゃなくてHIROからね。内容は最近縄張り荒らしをしてる新興カルト集団を潰すこと。報酬はひとり100万。武器や備品調達の予算は気にしなくていいってさ。大盤振る舞いだね」
100万。
基本的に命を危険に晒している俺たちの仕事はハイリスクハイリターンで給料もかなりいいが、今回は内部の依頼にしては高めの報酬だ。それだけHIROさんも危険視しているということか。
「カルト集団…あぁ、何ヶ月か前にSECONDさんとE-Girlsさんが戦っとったところか。何や、リーダーの顔も割れとらん組織らしいな」
「そう。つい一年前くらいから急に頭角を表してきた規模も本拠地もリーダーも分かってない、神出鬼没で謎の多い組織。この私が調べても詳しいことは何も分からなかった」
「みさでも調べられなかったんか…相当やばいな…」
陣さんが口元に拳を当てて唸る。
するとそれまで黙って話を聞いていた瑠唯さんが地図上で光るいくつかの点を指さして尋ねた。
「この光は何?」
「これは過去1年間でこの組織が出没した場所。点の上に書いてある数字はその日付ね。見てわかる通り場所もタイミングも不規則で、行動は全く読めない。自爆テロや通り魔的な犯行が多いけど、毒ガスを使ったりもしてる。手口はかなり残虐だね」
「数日で別のところに現れることもあれば2ヶ月全く動きがない時もある…そういえば2週間くらい前に三代目さんの縄張りで自爆テロが起こったって聞いたけど、それもこの組織と関係ある?」
「察しがいいねるいるい。その事件を表してるのがイーストタウンのこの点」
みさがパソコンでマウスのカーソルを操作して縄張りの東に光る点をクリックした。その事件の詳細が新たに空中に表示される。
「防犯カメラに映ってた容姿からして、犯人は50代前後の男。白昼に人通りが多い商店街で服の中に仕込んだプラスチック爆弾に点火、爆発。死者23名、傷者は87名。目撃者によると男は突然奇声を発し、周囲の注目を集めた上で自爆に及んだみたい。目的は分かってないし、カルト信者の考えることなんて非論理的かつ支離滅裂だから考えるだけ無駄かな」
浮かび上がった防犯カメラの映像の中では、男が立ち止まりライターで身体に火をつけていた。とたんに閃光が炸裂して次の瞬間にはバラバラになった人々の死体が転がっている。
あまりの無残さに、みんな顔を顰めた。
「俺たちの縄張りの中で、それも一般人まで巻き込むなんて許せねぇな」
壱馬さんがボソリと言う。
「三代目のみんなが調べたけどこれも詳しいことは分かってない。とにかく危険度が高いから早急に始末するべしってことで、まだ被害が起こってないここが次の標的になるんじゃないかって推測から私が派遣されたってわけ。まぁダウンタウンでもまだ起こってないからそっちの可能性もあるけど、HIROがいるから何とかするでしょ」
みさはソファに背中をもたせ掛け、指に髪を巻き付けながら眉根を寄せる。
滅多に見せない悩ましげな表情は大人っぽい色気があって、俺は場違いにも胸をどきりと高鳴っらせた。
「この組織、なーんか嫌な感じがするんだよね…」
「嫌な感じ?」
「そう。悪い予感っていうか」
根っからの現実主義者であるみさが第六感的なものを気にするなんて、よっぽどなのだろう。みんなの間に僅かな緊張が走った。
「…ま、調べてみないことには分かんないか。私からは以上。今後の活動内容はそっちに全部任せるから」
「どうしますか力矢さん」
陣さんに尋ねられた力矢さんはすぐに力強い声で指示を出した。
「しばらく交代で2人1組になって街の見回りをしよう。能力や武器を持たない人達を守ることが第一だ。それから縄張り内外での情報収集。これは潜入捜査の上手い健太と瑠唯を中心に行う。みさはみんなの集めてきた情報をもとにできるだけ敵のデータを探ってくれ」
「「はい!!」」
「本格的な作戦行動は明日から取る。しばらくCLUB THE RAMPAGEは休業やな」
みんなが明日に備えて散り散りになっていく中、俺もライフルの整備をするため部屋を出ようとする。
その時、みさに声をかけられた。
「まこっちゃん、ちょっといいかい」
再びみさがTHE RAMPAGEのサポートメンバーとしてチームに加わることになった。
「良かったなまこっちゃん」
「良くない」
肘でつついてくる昂秀を押しのけて、俺は濡れた髪をタオルでかき混ぜる。冷たい水を頭から浴びて酔いも覚めてしまった。
「みさが来たってことは、またデカい仕事か?」
陣さんの問いにみさは頷いてパソコンをかたかた操作し始めた。すぐにこの街の地図と細かい数値がホログラムで投影される。
「依頼主は外部じゃなくてHIROからね。内容は最近縄張り荒らしをしてる新興カルト集団を潰すこと。報酬はひとり100万。武器や備品調達の予算は気にしなくていいってさ。大盤振る舞いだね」
100万。
基本的に命を危険に晒している俺たちの仕事はハイリスクハイリターンで給料もかなりいいが、今回は内部の依頼にしては高めの報酬だ。それだけHIROさんも危険視しているということか。
「カルト集団…あぁ、何ヶ月か前にSECONDさんとE-Girlsさんが戦っとったところか。何や、リーダーの顔も割れとらん組織らしいな」
「そう。つい一年前くらいから急に頭角を表してきた規模も本拠地もリーダーも分かってない、神出鬼没で謎の多い組織。この私が調べても詳しいことは何も分からなかった」
「みさでも調べられなかったんか…相当やばいな…」
陣さんが口元に拳を当てて唸る。
するとそれまで黙って話を聞いていた瑠唯さんが地図上で光るいくつかの点を指さして尋ねた。
「この光は何?」
「これは過去1年間でこの組織が出没した場所。点の上に書いてある数字はその日付ね。見てわかる通り場所もタイミングも不規則で、行動は全く読めない。自爆テロや通り魔的な犯行が多いけど、毒ガスを使ったりもしてる。手口はかなり残虐だね」
「数日で別のところに現れることもあれば2ヶ月全く動きがない時もある…そういえば2週間くらい前に三代目さんの縄張りで自爆テロが起こったって聞いたけど、それもこの組織と関係ある?」
「察しがいいねるいるい。その事件を表してるのがイーストタウンのこの点」
みさがパソコンでマウスのカーソルを操作して縄張りの東に光る点をクリックした。その事件の詳細が新たに空中に表示される。
「防犯カメラに映ってた容姿からして、犯人は50代前後の男。白昼に人通りが多い商店街で服の中に仕込んだプラスチック爆弾に点火、爆発。死者23名、傷者は87名。目撃者によると男は突然奇声を発し、周囲の注目を集めた上で自爆に及んだみたい。目的は分かってないし、カルト信者の考えることなんて非論理的かつ支離滅裂だから考えるだけ無駄かな」
浮かび上がった防犯カメラの映像の中では、男が立ち止まりライターで身体に火をつけていた。とたんに閃光が炸裂して次の瞬間にはバラバラになった人々の死体が転がっている。
あまりの無残さに、みんな顔を顰めた。
「俺たちの縄張りの中で、それも一般人まで巻き込むなんて許せねぇな」
壱馬さんがボソリと言う。
「三代目のみんなが調べたけどこれも詳しいことは分かってない。とにかく危険度が高いから早急に始末するべしってことで、まだ被害が起こってないここが次の標的になるんじゃないかって推測から私が派遣されたってわけ。まぁダウンタウンでもまだ起こってないからそっちの可能性もあるけど、HIROがいるから何とかするでしょ」
みさはソファに背中をもたせ掛け、指に髪を巻き付けながら眉根を寄せる。
滅多に見せない悩ましげな表情は大人っぽい色気があって、俺は場違いにも胸をどきりと高鳴っらせた。
「この組織、なーんか嫌な感じがするんだよね…」
「嫌な感じ?」
「そう。悪い予感っていうか」
根っからの現実主義者であるみさが第六感的なものを気にするなんて、よっぽどなのだろう。みんなの間に僅かな緊張が走った。
「…ま、調べてみないことには分かんないか。私からは以上。今後の活動内容はそっちに全部任せるから」
「どうしますか力矢さん」
陣さんに尋ねられた力矢さんはすぐに力強い声で指示を出した。
「しばらく交代で2人1組になって街の見回りをしよう。能力や武器を持たない人達を守ることが第一だ。それから縄張り内外での情報収集。これは潜入捜査の上手い健太と瑠唯を中心に行う。みさはみんなの集めてきた情報をもとにできるだけ敵のデータを探ってくれ」
「「はい!!」」
「本格的な作戦行動は明日から取る。しばらくCLUB THE RAMPAGEは休業やな」
みんなが明日に備えて散り散りになっていく中、俺もライフルの整備をするため部屋を出ようとする。
その時、みさに声をかけられた。
「まこっちゃん、ちょっといいかい」