第三章
夢小説設定
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夜のダウンタウンはネオンの刺激的な色彩を見せている。
なかなか来ないと思ってその辺を探していたら、ガラの悪い男たちが誰かを取り囲んでいるのが見えた。
まさかと思い近づくと、見覚えのあるシルバーの巻き毛が目に入る。
「ねぇ、名前は?」
「ほんとお人形さんみたいだね。歳いくつ?」
「ほんと鬱陶しいんだけど。どっか行ってくんない?待ち合わせしてるんだよね」
あぁ、ほんと仕事以外は手のかかる奴。呆れると同時にどこか嬉しくて、緩む頬を無理やり引き締めた俺は男たちのうちひとりの肩を掴んだ。
「…そいつに何か用?」
みさを背中で隠すように立ち塞がる。
「あ?何だお前」
「何って、彼氏」
とっさに嘘が滑り出た。みさは「ちょっとどさくさ紛れに設定盛り込まな…ふが」と俺に後ろ手に口を塞がれ文句を最後まで言うことができない。
「ちっ、何だよ彼氏持ちぃ?でもいいじゃん、1日くらい他の男と遊ぼうぜ」
「あんたらみたいなクズにこいつ渡せるわけないから」
わざと煽るように口の端を吊り上げて言うと、案の定男たちは怒りに顔を赤く染め上げて掴みかかってきた。
「何だとてめぇ!」
生ぬるい右ストレートをあっさり躱して、1人目の顎関節をぶん殴りノックアウト。
「次、」
「ひっ」
バキ、
「次」
「ぎゃっ」
ドゴッ
「ラスト」
「うわああああ!!??」
ガシャァン!
今日壱馬さんと戦ったばかりだからか、こいつらのケンカはあまりにも低レベルに思えた。やっぱTHE RAMPAGEってすごいんだななんて改めて感じながらみさを振り返る。
「…やるじゃん『彼氏』さん?」
「あの場に出てきて仕事仲間ですはダサすぎるだろ。つーか、」
一瞬見とれてしまった。
「どうしたの、その格好」
白ニットのトップスに、オーバーサイズめなデニムのアウター。黒いレザー生地のタイトスカートは腰の高い位置できゅっとベルトを締めているので華奢な腰周りがいよいよ細く見える。
普段ボサボサなプラチナシルバーの髪は珍しくちゃんと櫛を通したのだろう、艶やかにネオンの光を反射していた。薄くメイクまでして、雰囲気が全然違う。
久しぶりに会うってだけでテンションが上がっているのに、こんなお洒落をされては勘違いしてしまいそうだ。
「可愛いよ」
「知ってる。直人にやられた」
「直人さん?」
「電話のあと、せっかくまこっちゃんと久しぶりに会うんだからお洒落しろって。ほら、三代目んとこアパレルやってるじゃん。そこの服勝手に着させられてメイクとかもやられて」
今すぐ直人さんのところにすっ飛んでいって土下座で感謝したい気分だった。
俺のつまらない嫉妬心で無理やり直人さんからみさを取るようなマネをした自分のお子様な振る舞いが恥ずかしい。
「…可愛いよ。すげぇ可愛い」
「そんなん言われなくても分かってるから。で、どこ行くの?」
「晩メシ。何食べたい?」
「お腹すいてないんだけど…あ、甘いも、」
「甘いものはなしね。栄養あるやつ」
「ちっ」
みさはしばらく腕を組んで考えていたが何も思いつかなかったようで俺を見上げた。
「まこっちゃんの食べたいやつでいい」
「お前ほんと食に無関心だね」
「無関心っていうか好きな物とかそんなにないんだよね。甘いもの以外」
俺の隣を歩きながらみさが事も無げに言った。
みさにはそういうフシがある。自分にも他人にも興味がなくて、だからこそ貞操観念がガバガバだったり地下室で食事も取らずに何日もパソコンと向き合ってたりするのだろう。それが時おりみさを感情のない人形のように見せるから、どうにも危うくて目が離せない。
今にも崩れそうな吊り橋の上で無邪気にバランスゲームをしているような。そんな感じ。
「…じゃあ、肉。ステーキでも食べるか」
「ん」
ダウンタウンには何度か来たことがある。俺は以前EXILEの世界さんや大樹と一緒に行ったステーキハウスにみさを連れていった。
俺は肩ロース250g、みさはハンバーグステーキの1番小さいやつ。
「…お腹いっぱい」
「は?半分も食べてないじゃん」
「まこっちゃんあげる」
「俺が食べさせたげるからもうちょっと食べて。みさ細すぎだよ」
俺からしたら小さすぎるハンバーグも、少食のみさには特大サイズらしい。俺はナイフとフォークで小さく肉をカットすると、みさの口元に持っていった。
「ほら」
「あー…んっ」
小さな顎で咀嚼する様子はまるで小動物だ。みさは完全に自分で食べることを諦め、かぱりと口を開き次が来るのを待っている。
しばらくそんなやりとりを続けていたらペットに餌をあげる飼い主の気分になってきた。
「よし、完食」
「胃袋ぱんぱん…」
「よく出来ました」
「子供扱いすんな同い年のくせに」
なかなか来ないと思ってその辺を探していたら、ガラの悪い男たちが誰かを取り囲んでいるのが見えた。
まさかと思い近づくと、見覚えのあるシルバーの巻き毛が目に入る。
「ねぇ、名前は?」
「ほんとお人形さんみたいだね。歳いくつ?」
「ほんと鬱陶しいんだけど。どっか行ってくんない?待ち合わせしてるんだよね」
あぁ、ほんと仕事以外は手のかかる奴。呆れると同時にどこか嬉しくて、緩む頬を無理やり引き締めた俺は男たちのうちひとりの肩を掴んだ。
「…そいつに何か用?」
みさを背中で隠すように立ち塞がる。
「あ?何だお前」
「何って、彼氏」
とっさに嘘が滑り出た。みさは「ちょっとどさくさ紛れに設定盛り込まな…ふが」と俺に後ろ手に口を塞がれ文句を最後まで言うことができない。
「ちっ、何だよ彼氏持ちぃ?でもいいじゃん、1日くらい他の男と遊ぼうぜ」
「あんたらみたいなクズにこいつ渡せるわけないから」
わざと煽るように口の端を吊り上げて言うと、案の定男たちは怒りに顔を赤く染め上げて掴みかかってきた。
「何だとてめぇ!」
生ぬるい右ストレートをあっさり躱して、1人目の顎関節をぶん殴りノックアウト。
「次、」
「ひっ」
バキ、
「次」
「ぎゃっ」
ドゴッ
「ラスト」
「うわああああ!!??」
ガシャァン!
今日壱馬さんと戦ったばかりだからか、こいつらのケンカはあまりにも低レベルに思えた。やっぱTHE RAMPAGEってすごいんだななんて改めて感じながらみさを振り返る。
「…やるじゃん『彼氏』さん?」
「あの場に出てきて仕事仲間ですはダサすぎるだろ。つーか、」
一瞬見とれてしまった。
「どうしたの、その格好」
白ニットのトップスに、オーバーサイズめなデニムのアウター。黒いレザー生地のタイトスカートは腰の高い位置できゅっとベルトを締めているので華奢な腰周りがいよいよ細く見える。
普段ボサボサなプラチナシルバーの髪は珍しくちゃんと櫛を通したのだろう、艶やかにネオンの光を反射していた。薄くメイクまでして、雰囲気が全然違う。
久しぶりに会うってだけでテンションが上がっているのに、こんなお洒落をされては勘違いしてしまいそうだ。
「可愛いよ」
「知ってる。直人にやられた」
「直人さん?」
「電話のあと、せっかくまこっちゃんと久しぶりに会うんだからお洒落しろって。ほら、三代目んとこアパレルやってるじゃん。そこの服勝手に着させられてメイクとかもやられて」
今すぐ直人さんのところにすっ飛んでいって土下座で感謝したい気分だった。
俺のつまらない嫉妬心で無理やり直人さんからみさを取るようなマネをした自分のお子様な振る舞いが恥ずかしい。
「…可愛いよ。すげぇ可愛い」
「そんなん言われなくても分かってるから。で、どこ行くの?」
「晩メシ。何食べたい?」
「お腹すいてないんだけど…あ、甘いも、」
「甘いものはなしね。栄養あるやつ」
「ちっ」
みさはしばらく腕を組んで考えていたが何も思いつかなかったようで俺を見上げた。
「まこっちゃんの食べたいやつでいい」
「お前ほんと食に無関心だね」
「無関心っていうか好きな物とかそんなにないんだよね。甘いもの以外」
俺の隣を歩きながらみさが事も無げに言った。
みさにはそういうフシがある。自分にも他人にも興味がなくて、だからこそ貞操観念がガバガバだったり地下室で食事も取らずに何日もパソコンと向き合ってたりするのだろう。それが時おりみさを感情のない人形のように見せるから、どうにも危うくて目が離せない。
今にも崩れそうな吊り橋の上で無邪気にバランスゲームをしているような。そんな感じ。
「…じゃあ、肉。ステーキでも食べるか」
「ん」
ダウンタウンには何度か来たことがある。俺は以前EXILEの世界さんや大樹と一緒に行ったステーキハウスにみさを連れていった。
俺は肩ロース250g、みさはハンバーグステーキの1番小さいやつ。
「…お腹いっぱい」
「は?半分も食べてないじゃん」
「まこっちゃんあげる」
「俺が食べさせたげるからもうちょっと食べて。みさ細すぎだよ」
俺からしたら小さすぎるハンバーグも、少食のみさには特大サイズらしい。俺はナイフとフォークで小さく肉をカットすると、みさの口元に持っていった。
「ほら」
「あー…んっ」
小さな顎で咀嚼する様子はまるで小動物だ。みさは完全に自分で食べることを諦め、かぱりと口を開き次が来るのを待っている。
しばらくそんなやりとりを続けていたらペットに餌をあげる飼い主の気分になってきた。
「よし、完食」
「胃袋ぱんぱん…」
「よく出来ました」
「子供扱いすんな同い年のくせに」