第二章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ゆっくり休む、とは。
「ふ、はぁ……チャランめ………」
「は…みさ、大丈夫?」
「大丈夫じゃない」
身体を震わせ、私はクイーンサイズのベッドの上にとぷんと倒れ込んだ。すかさず上から甘いキスが降ってくる。
EXILEメンバーとして私と同じ日にジェネの本拠地であるサウスシティからダウンタウンに戻っていた亜嵐に目ざとく発見されたのが今日の夕方。
そこから車でご飯に連れ出され、道交法違反のドライブを楽しみ、亜嵐の家で飲み直して、まぁ、そういう展開になった。
深夜2時半。
シーツの海の中で私の髪を梳きながら、亜嵐はこれまで何人もの女をイチコロにしてきた色気たっぷりの笑顔を浮かべた。しかしこいつの本性をよく知っている私には通用しない。
「そんな顔で許してもらえると思ってるなら大間違いだから」
「さーせん」
亜嵐のベッドで寝るのは何度目だろう。もう忘れてしまった。
EXILEの中でも決まったパートナーのいない亜嵐や啓司、直人、将吉あたりには割と誘われることが多い。恋人以外とはこういうことをしない真面目な岩ちゃんや大樹を見習って欲しい。
「ご無沙汰だった?」
「んーと…1か月前くらいにまこっちゃんとして、それが最後かな。仕事忙しかったんだよね」
「慎?」
私も亜嵐も棲み分けはハッキリしてるから、事後に全く色気のない話や他の異性の名前とかを出しても平気な顔をしているタイプだ。
でも、今夜の亜嵐はなぜか慎の名前に反応を示した。
「あ、そうだその日確かジェネのところ行ってたと思うよ。りゅーとにライフル直してもらったって言ってたから」
「えっあの日?マジ?」
「マジ。その日まこっちゃん何か様子おかしかったけど変なことでも吹き込んだんじゃないの?チャランが」
「…俺いつになったらその名前から卒業できんの?」
「少なくとも私としてるうちはずっとチャラン」
「…」
亜嵐は黙り込んで私の髪を機械的に撫で続ける。どうも様子がおかしい。
私は口を開けると目の前の首筋にがぶりと噛み付いた。
「いって!何、何だよ!」
「気になるじゃん。まこっちゃんを第2のチャランみたいにされたら私の身がもたない」
「いや、そっち方面のことは何も言ってない!ただ…」
亜嵐は言いよどむと、突然ベッドの上にがばりと土下座をした。
「ごめん!」
「…何?裸で土下座ってめちゃめちゃシュールで笑っちゃうからやめてくんない?」
「俺、まこっちゃんにみさについてのこと、ちょっと喋った!」
いや聞け人の話を。せめて服を着てからやってくれ。
「わ、わかった。よく分からんがわかったから全裸で土下座だけはやめてくれ。ほんと面白すぎるから」
私は亜嵐を掛け布団の中に引きずり戻すと、改めて尋ねた。
「いや別に私自分のことで隠してることはいっこもないから何言っても全然構わないんだけどさ。何話したの?」
「みさがマフィア入ってた話と、そのボスをHIROさんが殺した話」
「あぁ、それか。あれ、ていうかその話チャランにしたことあったっけ?」
「ない。噂で聞いてただけ」
「噂か。でも合ってるんだけどね。何でまこっちゃんあんなに怒ってたんだろ」
あの時のギラつく瞳。様々な激情が混ぜこぜになったようなよく分からない色をたたえていた。
「怒ってた?」
「怒ってたっていうか…よく分からないけどそんな感じだった」
「えぇ…じゃあ俺慎にも悪いことしたかな…」
「まぁ過ぎたことだし別にいいんじゃない?」
少なくとも私は全然気にしてないよ、けろりとして言った私を亜嵐が抱き寄せた。心臓の音が、とくん、とくん、と優しく鳴っている。
亜嵐のいいところは、その正直で素直な性格だと思う。
隠しておけば分からないのに、というようなことを素直に吐露して謝ってくれる。今みたいに。
そのせいで悪く思われたりもするけど、裏でねちねち言う奴よりはずっといいし、私は亜嵐のそういうところを結構気に入っていた。
でもチャラいところとノリで生きてるところは嫌いだ。顔がいいからって何でも許されると思うな。
「…なぁ、聞かせてよ。みさの昔のこと」
「長くなるよ」
「聞かせて」
時刻は深夜3時。
夜明けまでには語りおえられるだろう。私は子供に聞かせる寝物語のような調子で出生の秘密を話し始めた。
「私ね。ある科学者の実験で、試験管の中で生まれたの」
「ふ、はぁ……チャランめ………」
「は…みさ、大丈夫?」
「大丈夫じゃない」
身体を震わせ、私はクイーンサイズのベッドの上にとぷんと倒れ込んだ。すかさず上から甘いキスが降ってくる。
EXILEメンバーとして私と同じ日にジェネの本拠地であるサウスシティからダウンタウンに戻っていた亜嵐に目ざとく発見されたのが今日の夕方。
そこから車でご飯に連れ出され、道交法違反のドライブを楽しみ、亜嵐の家で飲み直して、まぁ、そういう展開になった。
深夜2時半。
シーツの海の中で私の髪を梳きながら、亜嵐はこれまで何人もの女をイチコロにしてきた色気たっぷりの笑顔を浮かべた。しかしこいつの本性をよく知っている私には通用しない。
「そんな顔で許してもらえると思ってるなら大間違いだから」
「さーせん」
亜嵐のベッドで寝るのは何度目だろう。もう忘れてしまった。
EXILEの中でも決まったパートナーのいない亜嵐や啓司、直人、将吉あたりには割と誘われることが多い。恋人以外とはこういうことをしない真面目な岩ちゃんや大樹を見習って欲しい。
「ご無沙汰だった?」
「んーと…1か月前くらいにまこっちゃんとして、それが最後かな。仕事忙しかったんだよね」
「慎?」
私も亜嵐も棲み分けはハッキリしてるから、事後に全く色気のない話や他の異性の名前とかを出しても平気な顔をしているタイプだ。
でも、今夜の亜嵐はなぜか慎の名前に反応を示した。
「あ、そうだその日確かジェネのところ行ってたと思うよ。りゅーとにライフル直してもらったって言ってたから」
「えっあの日?マジ?」
「マジ。その日まこっちゃん何か様子おかしかったけど変なことでも吹き込んだんじゃないの?チャランが」
「…俺いつになったらその名前から卒業できんの?」
「少なくとも私としてるうちはずっとチャラン」
「…」
亜嵐は黙り込んで私の髪を機械的に撫で続ける。どうも様子がおかしい。
私は口を開けると目の前の首筋にがぶりと噛み付いた。
「いって!何、何だよ!」
「気になるじゃん。まこっちゃんを第2のチャランみたいにされたら私の身がもたない」
「いや、そっち方面のことは何も言ってない!ただ…」
亜嵐は言いよどむと、突然ベッドの上にがばりと土下座をした。
「ごめん!」
「…何?裸で土下座ってめちゃめちゃシュールで笑っちゃうからやめてくんない?」
「俺、まこっちゃんにみさについてのこと、ちょっと喋った!」
いや聞け人の話を。せめて服を着てからやってくれ。
「わ、わかった。よく分からんがわかったから全裸で土下座だけはやめてくれ。ほんと面白すぎるから」
私は亜嵐を掛け布団の中に引きずり戻すと、改めて尋ねた。
「いや別に私自分のことで隠してることはいっこもないから何言っても全然構わないんだけどさ。何話したの?」
「みさがマフィア入ってた話と、そのボスをHIROさんが殺した話」
「あぁ、それか。あれ、ていうかその話チャランにしたことあったっけ?」
「ない。噂で聞いてただけ」
「噂か。でも合ってるんだけどね。何でまこっちゃんあんなに怒ってたんだろ」
あの時のギラつく瞳。様々な激情が混ぜこぜになったようなよく分からない色をたたえていた。
「怒ってた?」
「怒ってたっていうか…よく分からないけどそんな感じだった」
「えぇ…じゃあ俺慎にも悪いことしたかな…」
「まぁ過ぎたことだし別にいいんじゃない?」
少なくとも私は全然気にしてないよ、けろりとして言った私を亜嵐が抱き寄せた。心臓の音が、とくん、とくん、と優しく鳴っている。
亜嵐のいいところは、その正直で素直な性格だと思う。
隠しておけば分からないのに、というようなことを素直に吐露して謝ってくれる。今みたいに。
そのせいで悪く思われたりもするけど、裏でねちねち言う奴よりはずっといいし、私は亜嵐のそういうところを結構気に入っていた。
でもチャラいところとノリで生きてるところは嫌いだ。顔がいいからって何でも許されると思うな。
「…なぁ、聞かせてよ。みさの昔のこと」
「長くなるよ」
「聞かせて」
時刻は深夜3時。
夜明けまでには語りおえられるだろう。私は子供に聞かせる寝物語のような調子で出生の秘密を話し始めた。
「私ね。ある科学者の実験で、試験管の中で生まれたの」