第二章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「このドレスぴちっとしすぎて気持ち悪い」
「我慢して」
「ヒール高すぎて歩きにくい」
「我慢して」
「ピアス重たい」
「我慢して」
「メイクのせいで顔の痒いところも搔けない」
「我慢して」
運転手に扮した北人がリムジンのハンドルを切りながら低い声で答えた。
バックミラーごしに私をちらりと見て、ふ、と口元を緩める。
「大丈夫、綺麗だよ。この世のものとは思えないくらい」
「それは知ってる」
「ふふ、さすが」
金曜日の夜。私はLDHの縄張りから少し離れた街に来ていた。
黒いスパンコールのロングドレス。深いスリットと胸元がざっくり開いたかなりセクシーなデザインだ。それからシルバーエナメルの10cmピンヒール。
ダイヤモンドのネックレスと、おそろいのピアスはゴージャスな輝きを放ち、正直肩が凝る。
普段はやらないメイクと髪のセットは慎と陸がやってくれた。真っ赤なグロスとシャンパンゴールドのアイシャドウ、それから左肩に垂らした髪はなんだかむずむずする。
鏡を見てこんなに変わるものなのかと驚いた。オシャレってすごい。
「私この美貌で目立ちすぎちゃわない?」
「自分で言うあたり腹立つけど正直同感」
恐ろしいほどに美しい。奇跡的なまでの造形美だ。
ま、作為に作為を重ねればそうなるだろう。私のこの美貌は奇跡でも偶然のものではない。
あの人の手によって生まれた『理想』が私だから。
着替えを終えてみんなの前に出た時の、16人分の惚けた顔はきっと一生忘れないだろう。面白すぎた。
「変な虫が寄ってこないように気をつけなよ?まぁその辺は壱馬が守ってくれると思うけど」
北人がハンドルを切って煌びやかなホテルの前に滑り込んだ。
今回私と共にパーティーに潜入するのは壱馬だ。圧倒的な近距離戦闘能力の高さを買われて、ボディーガード代わりに選ばれたのが壱馬だった。私よりも少し先に会場入りした壱馬は今頃目標の男の動向を探ってくれていることだろう。
北人が車を降りて後部座席に回り込み扉を開く。
「どうぞ、我らが姫 」
甘いマスクでニヤリと笑ってわざとらしく慇懃に頭を下げる北人に、私も口の端をきゅっと釣り上げ自分が思う最大級の魅力的なスマイルを送った。
「ありがとう、私の騎士 さん」
大理石の床にヒールが当たる、カツンという音が響いた。
「我慢して」
「ヒール高すぎて歩きにくい」
「我慢して」
「ピアス重たい」
「我慢して」
「メイクのせいで顔の痒いところも搔けない」
「我慢して」
運転手に扮した北人がリムジンのハンドルを切りながら低い声で答えた。
バックミラーごしに私をちらりと見て、ふ、と口元を緩める。
「大丈夫、綺麗だよ。この世のものとは思えないくらい」
「それは知ってる」
「ふふ、さすが」
金曜日の夜。私はLDHの縄張りから少し離れた街に来ていた。
黒いスパンコールのロングドレス。深いスリットと胸元がざっくり開いたかなりセクシーなデザインだ。それからシルバーエナメルの10cmピンヒール。
ダイヤモンドのネックレスと、おそろいのピアスはゴージャスな輝きを放ち、正直肩が凝る。
普段はやらないメイクと髪のセットは慎と陸がやってくれた。真っ赤なグロスとシャンパンゴールドのアイシャドウ、それから左肩に垂らした髪はなんだかむずむずする。
鏡を見てこんなに変わるものなのかと驚いた。オシャレってすごい。
「私この美貌で目立ちすぎちゃわない?」
「自分で言うあたり腹立つけど正直同感」
恐ろしいほどに美しい。奇跡的なまでの造形美だ。
ま、作為に作為を重ねればそうなるだろう。私のこの美貌は奇跡でも偶然のものではない。
あの人の手によって生まれた『理想』が私だから。
着替えを終えてみんなの前に出た時の、16人分の惚けた顔はきっと一生忘れないだろう。面白すぎた。
「変な虫が寄ってこないように気をつけなよ?まぁその辺は壱馬が守ってくれると思うけど」
北人がハンドルを切って煌びやかなホテルの前に滑り込んだ。
今回私と共にパーティーに潜入するのは壱馬だ。圧倒的な近距離戦闘能力の高さを買われて、ボディーガード代わりに選ばれたのが壱馬だった。私よりも少し先に会場入りした壱馬は今頃目標の男の動向を探ってくれていることだろう。
北人が車を降りて後部座席に回り込み扉を開く。
「どうぞ、我らが
甘いマスクでニヤリと笑ってわざとらしく慇懃に頭を下げる北人に、私も口の端をきゅっと釣り上げ自分が思う最大級の魅力的なスマイルを送った。
「ありがとう、私の
大理石の床にヒールが当たる、カツンという音が響いた。