第二章
夢小説設定
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「あぁ、みさちゃんお酒強くないから飲ませちゃだめだよ。キス魔になるから。俺もキスされたなぁ、思わずガッツポーズしちゃったもんね」
「先に教えてください…」
サウスシティ。
開店前のCLUB GENERATIONSで俺は頭を抱えていた。バーカウンターでからから笑うのは隼さんだ。
性格はともかく、絶世の美女とキスを交わしたのだ。あわよくば夜戦に突入かと期待していた昨夜の自分を殺したい。
「あれ、まこっちゃんじゃん。久しぶり」
「まだ昼だけどどうしたの?」
そこへ仕事終わりなのか、まだ薬莢の匂いの残るハンドガンをくるくる回しながら亜嵐さんと玲於さんが入ってきた。
「龍友さんにライフルのカスタムをしてもらいに来たんです。この前メンテした時にコンペンセイターの不調を見つけたんで」
「あぁ、そゆこと」
THE RAMPAGEの俺を含めた何人かは数年前にGENERATIONSさんと仕事をしたことがあり、それ以来仲良くさせてもらっている。
GENERATIONSのメンバーのひとり、数原龍友さんは銃火器に詳しく、こうして定期的にメンテナンスを頼んでいるのだ。
「隼、水ちょうだい」
「はいよ」
「仕事スか?」
「仕事っていうかケンカ。最近縄張り荒らしにカチコミしてくるグループがあったから皆殺しにしてきた」
さらりと恐ろしいことを言って、亜嵐さんが俺の隣に座る。隼さんから差し出された水をぐいっと飲み干して、項垂れる俺に尋ねた。
「どうしたの、テンション低いけど」
「ランペ今みさちゃんと仕事してるんだって。そんでまこっちゃん、酒の勢いで一発かまそうと思ったらキスの直前で寝ちゃったらしいよ」
「ははっ、何それ」
「隼さん語弊。別に下心があったとかじゃ」
「ホストがよく言うよ」
「玲於さん!」
やっぱり言うんじゃなかったこんな話。早くも後悔し始める俺をよそに、亜嵐さんの隣で玲於さんがカウンターに肘をついた。
「俺らも1回一緒に仕事しただけだけど、作り物みたいに可愛いから初めは慣れないよな。あれは奇跡のルックス」
その言葉に隼さんと亜嵐さんがうんうんと頷く。
「で、顔に慣れても性格の強烈さには慣れない」
「あと仕事が異常にできる」
「それ!」
やっぱりあいつは誰に対してもあんな感じらしい。みさらしいな、と呆れてしまった。
「亜嵐くんとメンさんはEXILEの方で何度も一緒に仕事してるんだよね?」
隼さんが愛用の小機関銃をいじりながら亜嵐さんに尋ねた。
「そうそう、みさのメインはEXILEのサポメンみたい。あの子10年前からLDHにいるらしいよ。俺が入った時にはもういたし」
「え、みさちゃん今何歳?10年前ってまだ子供じゃ…」
みさは今20歳だ。つまり10歳の頃からLDHでハッカーとして働いていたことになる。
あの頭脳なら有り得そう、と思ってしまうが。
「天才は脳みその発達も速そうですし、有り得そうですね。HIROさんよくあんな逸材見つけてきたな」
「うーん…」
亜嵐さんが口元に拳を当てて何やら考え込む。
「何、どうしたの」
「いや…俺も噂で聞いただけなんだけど」
「噂、スか」
「うん。みさ、もともと結構大きいマフィアにいたらしい…っていうのがあって」
「マフィア?」
マフィア、か。
まぁたしかにかなり意外だけど、THE RAMPAGEにも他のチームの中にも裏社会あがりのメンバーはいるしそこまで特殊だとは思わない。
ちなみにうちでいったら龍。もともと凄腕の殺し屋で鳴らしていた龍はHIROさんの暗殺を依頼されるも返り討ちに会い、その場で腕を見込んだHIROさんにスカウトされるという笑うしかない経歴でLDHに入社してきた。
他のメンバーだって誰にも言えない過去を抱えていたりする。能力者というだけで誰にも受け入れられなかったり、悪事に利用されたり、辛い思いをしたり。孤独な幼少期を過ごしてきた奴ばかりだ。
能力者なんてそんなもんだろう、というのがLDHの中でも共通した認識だった。
過去なんてどうでもいい。
最高の未来をどう作っていくか。
俺たちの理想郷を見つけるために、今を戦っているのだ。
「それ、そんなに深刻になる話?」
玲於さんが首を傾げる。それでも亜嵐さんの眉間のしわはまだ深かった。
「いや、んー…」
「何、そこまで言われると気になるじゃん」
「…みさ、前にいたその組織でボスの右腕張ってたらしくて」
ん?
今20歳のみさが10年前にLDHに入ったということは、マフィアの一員だった頃は10歳以下ということになる。
そんな子供がマフィアで実質No.2?
「そのマフィアのボスがみさの親代わりだったってことだよ。でも10年前にその組織とEXILEで大規模な抗争があってな。みさの目の前でボスが殺されて…しかもそのボスを殺した人が」
HIROさんだったらしいんだ。
「先に教えてください…」
サウスシティ。
開店前のCLUB GENERATIONSで俺は頭を抱えていた。バーカウンターでからから笑うのは隼さんだ。
性格はともかく、絶世の美女とキスを交わしたのだ。あわよくば夜戦に突入かと期待していた昨夜の自分を殺したい。
「あれ、まこっちゃんじゃん。久しぶり」
「まだ昼だけどどうしたの?」
そこへ仕事終わりなのか、まだ薬莢の匂いの残るハンドガンをくるくる回しながら亜嵐さんと玲於さんが入ってきた。
「龍友さんにライフルのカスタムをしてもらいに来たんです。この前メンテした時にコンペンセイターの不調を見つけたんで」
「あぁ、そゆこと」
THE RAMPAGEの俺を含めた何人かは数年前にGENERATIONSさんと仕事をしたことがあり、それ以来仲良くさせてもらっている。
GENERATIONSのメンバーのひとり、数原龍友さんは銃火器に詳しく、こうして定期的にメンテナンスを頼んでいるのだ。
「隼、水ちょうだい」
「はいよ」
「仕事スか?」
「仕事っていうかケンカ。最近縄張り荒らしにカチコミしてくるグループがあったから皆殺しにしてきた」
さらりと恐ろしいことを言って、亜嵐さんが俺の隣に座る。隼さんから差し出された水をぐいっと飲み干して、項垂れる俺に尋ねた。
「どうしたの、テンション低いけど」
「ランペ今みさちゃんと仕事してるんだって。そんでまこっちゃん、酒の勢いで一発かまそうと思ったらキスの直前で寝ちゃったらしいよ」
「ははっ、何それ」
「隼さん語弊。別に下心があったとかじゃ」
「ホストがよく言うよ」
「玲於さん!」
やっぱり言うんじゃなかったこんな話。早くも後悔し始める俺をよそに、亜嵐さんの隣で玲於さんがカウンターに肘をついた。
「俺らも1回一緒に仕事しただけだけど、作り物みたいに可愛いから初めは慣れないよな。あれは奇跡のルックス」
その言葉に隼さんと亜嵐さんがうんうんと頷く。
「で、顔に慣れても性格の強烈さには慣れない」
「あと仕事が異常にできる」
「それ!」
やっぱりあいつは誰に対してもあんな感じらしい。みさらしいな、と呆れてしまった。
「亜嵐くんとメンさんはEXILEの方で何度も一緒に仕事してるんだよね?」
隼さんが愛用の小機関銃をいじりながら亜嵐さんに尋ねた。
「そうそう、みさのメインはEXILEのサポメンみたい。あの子10年前からLDHにいるらしいよ。俺が入った時にはもういたし」
「え、みさちゃん今何歳?10年前ってまだ子供じゃ…」
みさは今20歳だ。つまり10歳の頃からLDHでハッカーとして働いていたことになる。
あの頭脳なら有り得そう、と思ってしまうが。
「天才は脳みその発達も速そうですし、有り得そうですね。HIROさんよくあんな逸材見つけてきたな」
「うーん…」
亜嵐さんが口元に拳を当てて何やら考え込む。
「何、どうしたの」
「いや…俺も噂で聞いただけなんだけど」
「噂、スか」
「うん。みさ、もともと結構大きいマフィアにいたらしい…っていうのがあって」
「マフィア?」
マフィア、か。
まぁたしかにかなり意外だけど、THE RAMPAGEにも他のチームの中にも裏社会あがりのメンバーはいるしそこまで特殊だとは思わない。
ちなみにうちでいったら龍。もともと凄腕の殺し屋で鳴らしていた龍はHIROさんの暗殺を依頼されるも返り討ちに会い、その場で腕を見込んだHIROさんにスカウトされるという笑うしかない経歴でLDHに入社してきた。
他のメンバーだって誰にも言えない過去を抱えていたりする。能力者というだけで誰にも受け入れられなかったり、悪事に利用されたり、辛い思いをしたり。孤独な幼少期を過ごしてきた奴ばかりだ。
能力者なんてそんなもんだろう、というのがLDHの中でも共通した認識だった。
過去なんてどうでもいい。
最高の未来をどう作っていくか。
俺たちの理想郷を見つけるために、今を戦っているのだ。
「それ、そんなに深刻になる話?」
玲於さんが首を傾げる。それでも亜嵐さんの眉間のしわはまだ深かった。
「いや、んー…」
「何、そこまで言われると気になるじゃん」
「…みさ、前にいたその組織でボスの右腕張ってたらしくて」
ん?
今20歳のみさが10年前にLDHに入ったということは、マフィアの一員だった頃は10歳以下ということになる。
そんな子供がマフィアで実質No.2?
「そのマフィアのボスがみさの親代わりだったってことだよ。でも10年前にその組織とEXILEで大規模な抗争があってな。みさの目の前でボスが殺されて…しかもそのボスを殺した人が」
HIROさんだったらしいんだ。