世界一美味しいケーキの作り方
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ちょっと聞いてくださいよぉ、さなのことなんすけどね。あいつ私生活めちゃくちゃだらしないし、生活リズムはめちゃくちゃで朝まで夢中で脚本書いてることとか余裕であるんですよ。ちゃんと寝ろって言ってんのに、「夢中で書いてたら朝になってたの気づかなかった」って。肌に悪いし、てか普通に体に悪い!俺の料理がなかったらさな、今頃冗談抜きで栄養不足でぶっ倒れてますよ。…え?あれ、言ってませんでしたっけ。
料理は俺が作ってるんですいつも。はい。さなは洗い物と洗濯、掃除は2人で協力して…っつってもさな片付け下手くそだし大体は俺がやるんですけどね。
…やー、でも慣れましたよ?家事を女の人がやる時代なんてもう終わってるし、それぞれの得意な部分でちゃんと分業できたらいいかなって。それにまだ俺たちただ一緒に住んでるだけで夫婦でもないし、平等でいたいから家事は分担できたらなって思うんです。いくらさなが在宅の仕事とは言え、全部押し付けるのは違うじゃないですか。これ、付き合うまでは知らなかったんですけど脚本家ってめちゃくちゃ忙しいんスよ。それこそ家事なんてしてる暇もないくらい。あーでもアレかな、さなが忙しいだけなのかな。
あいつ俺よりも稼いでるんですよ!?こないだリビングに通帳置いてあって、俺、ダメなことはわかってたんですけど見ちゃって。そしたら目ん玉飛び出るかと思いましたよ。俺、情けなくなっちゃって。アーティストとして頑張って働いてきて、それなりに稼いでたつもりだったんすけどね。彼女よりも彼氏の方が年収低いって、なんかちょっと…
え?この考えも古い?いやいや、これはプライドですから、男としての。いざとなった時に、ドンと胸を貸せる男になりたいじゃないですか。
俺、もっと頑張らなきゃなって思いました。
…あれ、何の話してましたっけ。
あ、そうそう、それでね。料理はいつも俺が作るから、さながキッチンに立つことってほとんどないんです。あいつ料理苦手だし。
それで、こないだの俺の誕生日のことなんですけど。
俺、誕生日の時はまだ減量中でケーキとか控えてたんですよ。ほら、ゲネプロの時に出してもらったケーキもみんなに食べてもらったじゃないですか。
ツアーと誕生日が被ってたから誕生日のお祝いはその前にやろうってさなが言い出して、静岡入り前日の夜にお祝いしてくれたんです。
え?あぁ、そうそう、プレゼント、これです、この財布。エルメスの本革なんですよ。別に値段なんて安くても気持ちがこもってれば嬉しいですけど、それでもやっぱり一生使えるいいものをくれた時の嬉しさって半端ないっすね…あと、手紙もくれました。内容は恥ずかしいんで言いませんけど、でも、すごく俺のことを大切に思ってくれてるんだなって伝わってきて。俺ちょっと泣きそうになっちゃって!涙こらえるの必死でしたよぉ。あ、やばい、思い出したら泣きそうになってきた。…は?泣き上戸じゃないですよ!陣さんじゃあるまいし。まぁでも、そっすね、今だいぶ酔ってますね、えへへ。
それでですよ!俺が減量中だからいいディナーとかもいけなくて、でもそこはさなも理解してくれてるしプレゼント渡すだけで終わったんですけどね。でもなんかさな、ちょっとだけ元気なかった気がして、俺それがずっと気になってたんです。でも聞いてもなんもないって言うし、まぁ大丈夫かと思って、その日はそのまま寝ちゃって。
で、その日の夜遅く、1時くらいですかね。喉乾いて起きちゃって、水飲もうと冷蔵庫開けたんです。
そしたらね。冷蔵庫の奥の方に隠すみたいに箱が入ってたんです。これくらいの。なんだろうと思って開けるじゃないですか。そしたらですよ?何が入ってたと思います?
ケーキですよ。『海青誕生日おめでとう』ってプレートが乗った。
市販のやつにしては不格好で、ちょっと傾いててイチゴも落ちかけてるし。しかもね、そのプレートの文字、
さなの字だったんです。
俺、まさかと思って慌ててさなを起こしに行ったらあいつ顔真っ青にしちゃって。最初は知らないふりしてたんですけど、問い詰めたらちゃんと話してくれました。
さっきも言ったけどさな料理苦手なんすよ。いつも俺の作るご飯食べて、その減量メニューがあいつん中でも当たり前になっちゃったらしくて、だから俺が減量中なこと忘れてたらしいんですよね。
や、まぁツッコミたいのは分かりますけどとりあえず最後まで聞いてください。
それでね、俺が減量中なことを忘れてたさなは、俺の誕生日に手作りでケーキを作りたかったらしくて。何日も前から準備して、苦手な料理頑張って、一生懸命作ってたらしいんですよ。イチゴのショートケーキ。
でもね、当日になって、俺が仕事から帰ってきた時に撮影のスタッフさんからお祝いでもらったケーキを減量中で食べれなかった話をしたんすよ。それで俺が甘いもの食べれないこと思い出して、それで晩御飯の後に出そうと思ってたケーキを出せずじまいだったらしいんですよ。
で、冷蔵庫の奥に仕舞いこんだままでいたと。
あん時の俺、マジでやばかったですよ。
めッッッッッッちゃくちゃ可愛くないですか!?
あ、うるさい?すみません、つい…
だから俺、とりあえずさなをリビングに行かせて、そのケーキと2人分のお皿とフォーク持って机に座って。ちゃんと用意されてたろうそくに火ぃ灯して、言ったんです。
誕生日の歌、歌ってくれないのって。
でも海青今甘いの食べれないし、このケーキ不格好だし、私料理下手くそだからあんまり美味しくないよって、明日静岡入りなんだから早く寝よって、さなずっとごにょごにょ言ってたんですけどね。
でも俺は、そのケーキがどうしても食べたかったんです。どれだけ不格好で、美味しくなくても、さなが俺のために頑張って作ってくれたケーキなんだから。
これを食べたら俺はこの後の減量も、ツアーも頑張れるんだよって。このケーキが、俺のパワーになるんだよって。そうやって言ったらさな、とうとう泣き出しちゃって。
やーばかったッスよマジで。こう、愛おしさっつうんですか、好きだーって気持ちがぐわーっと押し寄せてきて。
泣きながらでしたけど、ちゃんとおめでとうの歌歌ってくれました。深夜1時に、2人でケーキ食べましたよ。ちゃんと全部。
あのケーキの味がね、忘れられないんスよ。
今まで食べたどのケーキよりも美味しくて。
あのケーキのおかげで、俺、ツアーも減量も頑張れてるんです。
俺、ほんとにさなのこと好きなんですよ。心の底から。
あーやばい、会いたくなってきた。え?惚気?えへへ、すみません、惚気です。後でホテルの部屋戻ったら電話しちゃおっかな。…いたっ!ちょ、叩かないでくださいよ!暴力反対!
…はー、なんか話したら眠くなってきちゃいましたね。すみません、長々と。
ご清聴ありがとうございました、なんつって。
料理は俺が作ってるんですいつも。はい。さなは洗い物と洗濯、掃除は2人で協力して…っつってもさな片付け下手くそだし大体は俺がやるんですけどね。
…やー、でも慣れましたよ?家事を女の人がやる時代なんてもう終わってるし、それぞれの得意な部分でちゃんと分業できたらいいかなって。それにまだ俺たちただ一緒に住んでるだけで夫婦でもないし、平等でいたいから家事は分担できたらなって思うんです。いくらさなが在宅の仕事とは言え、全部押し付けるのは違うじゃないですか。これ、付き合うまでは知らなかったんですけど脚本家ってめちゃくちゃ忙しいんスよ。それこそ家事なんてしてる暇もないくらい。あーでもアレかな、さなが忙しいだけなのかな。
あいつ俺よりも稼いでるんですよ!?こないだリビングに通帳置いてあって、俺、ダメなことはわかってたんですけど見ちゃって。そしたら目ん玉飛び出るかと思いましたよ。俺、情けなくなっちゃって。アーティストとして頑張って働いてきて、それなりに稼いでたつもりだったんすけどね。彼女よりも彼氏の方が年収低いって、なんかちょっと…
え?この考えも古い?いやいや、これはプライドですから、男としての。いざとなった時に、ドンと胸を貸せる男になりたいじゃないですか。
俺、もっと頑張らなきゃなって思いました。
…あれ、何の話してましたっけ。
あ、そうそう、それでね。料理はいつも俺が作るから、さながキッチンに立つことってほとんどないんです。あいつ料理苦手だし。
それで、こないだの俺の誕生日のことなんですけど。
俺、誕生日の時はまだ減量中でケーキとか控えてたんですよ。ほら、ゲネプロの時に出してもらったケーキもみんなに食べてもらったじゃないですか。
ツアーと誕生日が被ってたから誕生日のお祝いはその前にやろうってさなが言い出して、静岡入り前日の夜にお祝いしてくれたんです。
え?あぁ、そうそう、プレゼント、これです、この財布。エルメスの本革なんですよ。別に値段なんて安くても気持ちがこもってれば嬉しいですけど、それでもやっぱり一生使えるいいものをくれた時の嬉しさって半端ないっすね…あと、手紙もくれました。内容は恥ずかしいんで言いませんけど、でも、すごく俺のことを大切に思ってくれてるんだなって伝わってきて。俺ちょっと泣きそうになっちゃって!涙こらえるの必死でしたよぉ。あ、やばい、思い出したら泣きそうになってきた。…は?泣き上戸じゃないですよ!陣さんじゃあるまいし。まぁでも、そっすね、今だいぶ酔ってますね、えへへ。
それでですよ!俺が減量中だからいいディナーとかもいけなくて、でもそこはさなも理解してくれてるしプレゼント渡すだけで終わったんですけどね。でもなんかさな、ちょっとだけ元気なかった気がして、俺それがずっと気になってたんです。でも聞いてもなんもないって言うし、まぁ大丈夫かと思って、その日はそのまま寝ちゃって。
で、その日の夜遅く、1時くらいですかね。喉乾いて起きちゃって、水飲もうと冷蔵庫開けたんです。
そしたらね。冷蔵庫の奥の方に隠すみたいに箱が入ってたんです。これくらいの。なんだろうと思って開けるじゃないですか。そしたらですよ?何が入ってたと思います?
ケーキですよ。『海青誕生日おめでとう』ってプレートが乗った。
市販のやつにしては不格好で、ちょっと傾いててイチゴも落ちかけてるし。しかもね、そのプレートの文字、
さなの字だったんです。
俺、まさかと思って慌ててさなを起こしに行ったらあいつ顔真っ青にしちゃって。最初は知らないふりしてたんですけど、問い詰めたらちゃんと話してくれました。
さっきも言ったけどさな料理苦手なんすよ。いつも俺の作るご飯食べて、その減量メニューがあいつん中でも当たり前になっちゃったらしくて、だから俺が減量中なこと忘れてたらしいんですよね。
や、まぁツッコミたいのは分かりますけどとりあえず最後まで聞いてください。
それでね、俺が減量中なことを忘れてたさなは、俺の誕生日に手作りでケーキを作りたかったらしくて。何日も前から準備して、苦手な料理頑張って、一生懸命作ってたらしいんですよ。イチゴのショートケーキ。
でもね、当日になって、俺が仕事から帰ってきた時に撮影のスタッフさんからお祝いでもらったケーキを減量中で食べれなかった話をしたんすよ。それで俺が甘いもの食べれないこと思い出して、それで晩御飯の後に出そうと思ってたケーキを出せずじまいだったらしいんですよ。
で、冷蔵庫の奥に仕舞いこんだままでいたと。
あん時の俺、マジでやばかったですよ。
めッッッッッッちゃくちゃ可愛くないですか!?
あ、うるさい?すみません、つい…
だから俺、とりあえずさなをリビングに行かせて、そのケーキと2人分のお皿とフォーク持って机に座って。ちゃんと用意されてたろうそくに火ぃ灯して、言ったんです。
誕生日の歌、歌ってくれないのって。
でも海青今甘いの食べれないし、このケーキ不格好だし、私料理下手くそだからあんまり美味しくないよって、明日静岡入りなんだから早く寝よって、さなずっとごにょごにょ言ってたんですけどね。
でも俺は、そのケーキがどうしても食べたかったんです。どれだけ不格好で、美味しくなくても、さなが俺のために頑張って作ってくれたケーキなんだから。
これを食べたら俺はこの後の減量も、ツアーも頑張れるんだよって。このケーキが、俺のパワーになるんだよって。そうやって言ったらさな、とうとう泣き出しちゃって。
やーばかったッスよマジで。こう、愛おしさっつうんですか、好きだーって気持ちがぐわーっと押し寄せてきて。
泣きながらでしたけど、ちゃんとおめでとうの歌歌ってくれました。深夜1時に、2人でケーキ食べましたよ。ちゃんと全部。
あのケーキの味がね、忘れられないんスよ。
今まで食べたどのケーキよりも美味しくて。
あのケーキのおかげで、俺、ツアーも減量も頑張れてるんです。
俺、ほんとにさなのこと好きなんですよ。心の底から。
あーやばい、会いたくなってきた。え?惚気?えへへ、すみません、惚気です。後でホテルの部屋戻ったら電話しちゃおっかな。…いたっ!ちょ、叩かないでくださいよ!暴力反対!
…はー、なんか話したら眠くなってきちゃいましたね。すみません、長々と。
ご清聴ありがとうございました、なんつって。
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