日常
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とある日曜日。私は壱馬に誘われ目黒の24karatsまで買い物に来ていた。
「急に買い物なんて、どうしたの?慎とかと一緒に来ればいいのに」
「ん~、今日はみさと買い物したい気分やったんよ。それにみさも今日は休みなんやろ?」
「そうだけど、何それ」
くすくす笑う私の袖を引っ張って、「はよ行こ」と急かす壱馬。可愛い。
私の仕事は週休二日制なのだが、あの寮にいるとついみんなのお世話に励んでしまい実質毎日家事をこなしている。きっと壱馬はそんな私を見かねて気分転換に連れ出してくれたのだろう。
何だかんだ優しい子なんだ、壱馬は。
「あーさすがはLDHブランド。好みやわ」
「高そう…」
貧乏人には無縁の高級ブランド店にも壱馬は堂々と入ってしまうので私も慌てて後ろを追いかける。
ぼんやりとトップスの陳列を眺めていたら、壱馬に似合いそうなものを見つけた。何となく手に取って、何となく値札を見て、そっと元の位置に戻す。
「どしたん?それ欲しいん?」
「いや、壱馬に似合いそうだなーって思ったんだけど、」
ケタがひとつ違った。この金額だったら私のお気に入りのプチプラショップで服が三着くらい買える。
「ふーん…買おかな」
「えっ!?」
壱馬は無造作にその服を手に取り、他にも数着の服と一緒にレジまで持っていった。
恐ろしい子…!
「みさが選んでくれたんなら間違いないやろ。ていうかみさは服にお金かけなさすぎ」
紙袋を持ってお店をあとにしながら、壱馬が笑う。
「壱馬とかは人に見られる職業だからファッションにも敏感だと思うけど、私は芸能人じゃないし…お給料はだいたい実家に送るか貯金のどっちかだもん」
「真面目か」
「貧乏人なの」
そんなことを話しているうちに、人混みの中に入っていった。
話し声、足音、服と服が擦れ合う音、街頭のBGM。色んな音が耳を直撃する。
痛い。
思わず前を歩く壱馬の袖をぎゅっと握った。
「…みさ?どうした?」
「耳が…」
「みみ?」
「耳が痛くて、ちょっと無理、かも」
ファンの方に見られるとまずいからと顔を隠していた壱馬の顔色がさっと変わったのがマスクの上からでも分かった。
「こっち」
壱馬の大きな手が私の手を包んだ。
揺れる視界の中で見た壱馬の逞しい背中と、力強く引っ張る手の温もりだけで痛みも少し和らいだ気がしたのは気のせいだろうか。
「急に買い物なんて、どうしたの?慎とかと一緒に来ればいいのに」
「ん~、今日はみさと買い物したい気分やったんよ。それにみさも今日は休みなんやろ?」
「そうだけど、何それ」
くすくす笑う私の袖を引っ張って、「はよ行こ」と急かす壱馬。可愛い。
私の仕事は週休二日制なのだが、あの寮にいるとついみんなのお世話に励んでしまい実質毎日家事をこなしている。きっと壱馬はそんな私を見かねて気分転換に連れ出してくれたのだろう。
何だかんだ優しい子なんだ、壱馬は。
「あーさすがはLDHブランド。好みやわ」
「高そう…」
貧乏人には無縁の高級ブランド店にも壱馬は堂々と入ってしまうので私も慌てて後ろを追いかける。
ぼんやりとトップスの陳列を眺めていたら、壱馬に似合いそうなものを見つけた。何となく手に取って、何となく値札を見て、そっと元の位置に戻す。
「どしたん?それ欲しいん?」
「いや、壱馬に似合いそうだなーって思ったんだけど、」
ケタがひとつ違った。この金額だったら私のお気に入りのプチプラショップで服が三着くらい買える。
「ふーん…買おかな」
「えっ!?」
壱馬は無造作にその服を手に取り、他にも数着の服と一緒にレジまで持っていった。
恐ろしい子…!
「みさが選んでくれたんなら間違いないやろ。ていうかみさは服にお金かけなさすぎ」
紙袋を持ってお店をあとにしながら、壱馬が笑う。
「壱馬とかは人に見られる職業だからファッションにも敏感だと思うけど、私は芸能人じゃないし…お給料はだいたい実家に送るか貯金のどっちかだもん」
「真面目か」
「貧乏人なの」
そんなことを話しているうちに、人混みの中に入っていった。
話し声、足音、服と服が擦れ合う音、街頭のBGM。色んな音が耳を直撃する。
痛い。
思わず前を歩く壱馬の袖をぎゅっと握った。
「…みさ?どうした?」
「耳が…」
「みみ?」
「耳が痛くて、ちょっと無理、かも」
ファンの方に見られるとまずいからと顔を隠していた壱馬の顔色がさっと変わったのがマスクの上からでも分かった。
「こっち」
壱馬の大きな手が私の手を包んだ。
揺れる視界の中で見た壱馬の逞しい背中と、力強く引っ張る手の温もりだけで痛みも少し和らいだ気がしたのは気のせいだろうか。