未来へ
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「1stアルバム発売&アリーナツアー決定おめでとう!すごいよみんな!」
私は豪華な料理が並んだ食卓でパーンとクラッカーを鳴らした。
「「あざーす…」」
「あれ?何か元気ない?」
「今日特別な日やからってみんなテンション爆上がりで…レッスンの後ジムで追い込みすぎてん…」
陣くんが机にべたーっと伸びながら言った。
もう、せっかく晩御飯がんばって作ったのに。
「俺食欲ない…」
「ええ?」
そんなことを呟いたのは北人。それをきっかけとして、みんなが夕食はいらないなんて言い出す始末。
「で、でもちゃんと食べないと…」
「もう寝る。おやすみ」
樹がガタンと立ち上がった。
「え、みんな、ちょっと、」
私が引き止めるのも聞かず、バラバラとダイニングから出ていくみんな。
部屋に残ったのは壱馬だけだった。
「えぇ…せっかく作ったのに…壱馬いらない、よね」
「ん~…どうしよっかな」
おもむろに壱馬が立ち上がって、パーカーのポケットに手を突っ込んだままこっちに歩み寄ってきた。
「な、何?」
「俺さ、みさにもらってばっかやん。ご飯も、好きの気持ちも」
何だ突然。どうしたんだ。
「そうかな…?」
「そう。そんでな、俺もみさに何かあげたいと思って」
「ピアノくれたよ」
「それだけじゃ足りひん」
すぐ近くに壱馬の黒真珠のような瞳がある。
その目で見つめられただけでどきどきしてしまう。
私だって、壱馬にいろんなものを貰った。
ほんの少しの間かもしれないけど、壱馬の時間を、人生を貰った。
「みさ」
壱馬が跪いた。
「え、」
ポケットから手を出す。
その手に握られていたのは小さな黒い箱。
心臓がどくんと胸を叩いた。
まさか、これって、
ぱかりと箱が開けられる。
「THE RAMPAGE結成4周年っていう特別なタイミングで、俺はみさに何よりも特別なものをあげたいと思うんや」
その中で静かに煌めくのは、小さなダイヤモンドがあしらわれたシルバーのリングだった。
「ピアニスト夏目みささん。俺、THE RAMPAGEボーカル川村壱馬の、今後の人生を。この指輪と共にもらってくれませんか」
視界が滲む。
こんなにも幸せな日があるだろうか。
大好きな人たちが4年間の集大成を形にし、さらなる飛躍を決意し、それから、
私と大切な人が結ばれる日。
涙が溢れた。
私はダイヤモンドと同じくらい綺麗な壱馬の瞳をまっすぐに見つめて、頷く。
「THE RAMPAGEボーカル川村壱馬さん。あなたのこれからの人生を、私にください。その代わり、私、ピアニスト夏目みさのこれからの人生ももらってください」
ふっと、壱馬が微笑む。
立ち上がると私の左手を取って、薬指にそっと指輪をはめ込んでくれる。
「愛してる、みさ」
「っ、私も。愛してるよ、壱馬」
その時、突然ダイニングの扉が空いて寝てしまったはずのみんなが入ってきた。
みんなの祝福の歓声。
私の耳にとって、何よりも心地よい音。
「おめでとうッ…壱馬、みさちゃん、ほんまにおめでとうッ…!」
「陣くん泣くの早いよ!」
「結婚!結婚!入籍!入籍!」
「翔平うるさい」
力矢さんが大きな花束を持って、私たちのもとに歩み寄った。
「壱馬が、サプライズしたいからって。俺たちも協力してふたりだけの時間を作ったんだ」
花の甘い香りが、ふわりと香った。
「壱馬、みさ。結婚おめでとう」
こんなことされたら、ますます涙が止まらない。しゃくりあげる私を、壱馬が抱きしめた。
「ほんまに泣き虫が治らへんなぁ、みさは?」
「うっ、だってぇ」
「ほら、せっかくみさが腕によりをかけて作ってくれた晩御飯が冷めるから。食べよ?」
「っ、うん、うん」
いつもの席、壱馬の隣。16人の大好きな人たち。
9月12日。
みんながTHE RAMPAGEと成った日であり、私と壱馬が家族に成った日。
世界で一番特別な日。
「あ、そうや、言い忘れてた」
ふいに壱馬がぽんと手を打った。
まだ感動冷めやらない私は「ふぇ?」と間抜けな声を出して壱馬を見る。
みんながニヤニヤして私を見ていた。
え、何、どうしたの?
「アリーナツアー、みさにもバンドメンバーとして帯同してもらうから」
「…は?」
あぁ、神様。
私とTHE RAMPAGEの道のりはまだまだ長く、険しそうです。
でも、きっと大丈夫。
私の隣には、壱馬が、最愛の人がいてくれるから。
私は豪華な料理が並んだ食卓でパーンとクラッカーを鳴らした。
「「あざーす…」」
「あれ?何か元気ない?」
「今日特別な日やからってみんなテンション爆上がりで…レッスンの後ジムで追い込みすぎてん…」
陣くんが机にべたーっと伸びながら言った。
もう、せっかく晩御飯がんばって作ったのに。
「俺食欲ない…」
「ええ?」
そんなことを呟いたのは北人。それをきっかけとして、みんなが夕食はいらないなんて言い出す始末。
「で、でもちゃんと食べないと…」
「もう寝る。おやすみ」
樹がガタンと立ち上がった。
「え、みんな、ちょっと、」
私が引き止めるのも聞かず、バラバラとダイニングから出ていくみんな。
部屋に残ったのは壱馬だけだった。
「えぇ…せっかく作ったのに…壱馬いらない、よね」
「ん~…どうしよっかな」
おもむろに壱馬が立ち上がって、パーカーのポケットに手を突っ込んだままこっちに歩み寄ってきた。
「な、何?」
「俺さ、みさにもらってばっかやん。ご飯も、好きの気持ちも」
何だ突然。どうしたんだ。
「そうかな…?」
「そう。そんでな、俺もみさに何かあげたいと思って」
「ピアノくれたよ」
「それだけじゃ足りひん」
すぐ近くに壱馬の黒真珠のような瞳がある。
その目で見つめられただけでどきどきしてしまう。
私だって、壱馬にいろんなものを貰った。
ほんの少しの間かもしれないけど、壱馬の時間を、人生を貰った。
「みさ」
壱馬が跪いた。
「え、」
ポケットから手を出す。
その手に握られていたのは小さな黒い箱。
心臓がどくんと胸を叩いた。
まさか、これって、
ぱかりと箱が開けられる。
「THE RAMPAGE結成4周年っていう特別なタイミングで、俺はみさに何よりも特別なものをあげたいと思うんや」
その中で静かに煌めくのは、小さなダイヤモンドがあしらわれたシルバーのリングだった。
「ピアニスト夏目みささん。俺、THE RAMPAGEボーカル川村壱馬の、今後の人生を。この指輪と共にもらってくれませんか」
視界が滲む。
こんなにも幸せな日があるだろうか。
大好きな人たちが4年間の集大成を形にし、さらなる飛躍を決意し、それから、
私と大切な人が結ばれる日。
涙が溢れた。
私はダイヤモンドと同じくらい綺麗な壱馬の瞳をまっすぐに見つめて、頷く。
「THE RAMPAGEボーカル川村壱馬さん。あなたのこれからの人生を、私にください。その代わり、私、ピアニスト夏目みさのこれからの人生ももらってください」
ふっと、壱馬が微笑む。
立ち上がると私の左手を取って、薬指にそっと指輪をはめ込んでくれる。
「愛してる、みさ」
「っ、私も。愛してるよ、壱馬」
その時、突然ダイニングの扉が空いて寝てしまったはずのみんなが入ってきた。
みんなの祝福の歓声。
私の耳にとって、何よりも心地よい音。
「おめでとうッ…壱馬、みさちゃん、ほんまにおめでとうッ…!」
「陣くん泣くの早いよ!」
「結婚!結婚!入籍!入籍!」
「翔平うるさい」
力矢さんが大きな花束を持って、私たちのもとに歩み寄った。
「壱馬が、サプライズしたいからって。俺たちも協力してふたりだけの時間を作ったんだ」
花の甘い香りが、ふわりと香った。
「壱馬、みさ。結婚おめでとう」
こんなことされたら、ますます涙が止まらない。しゃくりあげる私を、壱馬が抱きしめた。
「ほんまに泣き虫が治らへんなぁ、みさは?」
「うっ、だってぇ」
「ほら、せっかくみさが腕によりをかけて作ってくれた晩御飯が冷めるから。食べよ?」
「っ、うん、うん」
いつもの席、壱馬の隣。16人の大好きな人たち。
9月12日。
みんながTHE RAMPAGEと成った日であり、私と壱馬が家族に成った日。
世界で一番特別な日。
「あ、そうや、言い忘れてた」
ふいに壱馬がぽんと手を打った。
まだ感動冷めやらない私は「ふぇ?」と間抜けな声を出して壱馬を見る。
みんながニヤニヤして私を見ていた。
え、何、どうしたの?
「アリーナツアー、みさにもバンドメンバーとして帯同してもらうから」
「…は?」
あぁ、神様。
私とTHE RAMPAGEの道のりはまだまだ長く、険しそうです。
でも、きっと大丈夫。
私の隣には、壱馬が、最愛の人がいてくれるから。
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