日常
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「おはよ~」
「北人おはよう。また一番朝寝坊さん」
「でも今日は早い方でしょ」
「確かに。今日何かあるの?」
寝ぼけ眼をこする北人の後ろで、陸くんと共にダイニングに入ってきた壱馬が言った。
「今日1stシングルのレコーディング」
北人の前に朝食のお皿を並べる手が止まった。
そうか、とうとうメジャーデビューに向けて動き出してるんだ。
「頑張って」
「ありがとう」
「みさに言われたら頑張らんとあかんな」
「ふぁ…」
「北人!髪の毛が味噌汁に入る!」
私は慌てて味噌汁のお椀を引き寄せる。メンバーの中でも朝に弱い北人、龍、樹あたりは食卓で二度寝などざらにあるから気をつけないといけない…ということを入寮1ヶ月で学んだ。
「あ、そうだ」
「?」
ダイニングに併設するキッチン、そこの隅っこにこっそりと置いておいた大きめの瓶を手に取る。
「ふふん」
「みさちゃんがすげぇ腹立つ顔してるけど」
「いつもやないですか」
「あ、そんなこと言う陸くんと壱馬にはこれあげません。北人にだけプレゼントします」
瓶の中で琥珀色の液体がふるりと揺れた。
「やったー…それ何?」
まだ寝ぼけている北人から適当なリアクションをいただいたが、私は気にせず瓶の中身をタッパーに移しながら答える。
「レモンのはちみつ漬け。喉にいいから、良かったら持って行って?念願のデビュー作なんだし、私に出来ることって少ないけどそれでもみんなの為に何かしたくて作っておいたんだ」
ぱくんとタッパーの蓋がはまる小気味良い音がした。袋に入れて、一番近くにいた壱馬に手渡す。
「はい」
「…ありがと、みさ」
「ううん。レコーディング、上手くいくといいね」
3人が準備を終えて出かけていくのを、玄関まで見送った。
「いってらっしゃーい」
「行ってくる~」
「行ってきます」
北人、陸がひらひら手を振って出ていった。壱馬も後に続こうとして、ふと立ち止まる。
「みさ」
「ん?」
くしゃり、壱馬が私の髪を撫でた。暖かく大きい手が頬まで降りてきて、私の顔の柔らかい部分を優しく包む。
近距離で見つめられて、鼓動が高鳴った。
「え、」
「…レモン、大事に食べるから。行ってきます」
がちゃりと扉を開けて、壱馬が出ていった。あとに残された私は、ひとり呆然と呟く。
「…行ってらっしゃい…………」
「北人おはよう。また一番朝寝坊さん」
「でも今日は早い方でしょ」
「確かに。今日何かあるの?」
寝ぼけ眼をこする北人の後ろで、陸くんと共にダイニングに入ってきた壱馬が言った。
「今日1stシングルのレコーディング」
北人の前に朝食のお皿を並べる手が止まった。
そうか、とうとうメジャーデビューに向けて動き出してるんだ。
「頑張って」
「ありがとう」
「みさに言われたら頑張らんとあかんな」
「ふぁ…」
「北人!髪の毛が味噌汁に入る!」
私は慌てて味噌汁のお椀を引き寄せる。メンバーの中でも朝に弱い北人、龍、樹あたりは食卓で二度寝などざらにあるから気をつけないといけない…ということを入寮1ヶ月で学んだ。
「あ、そうだ」
「?」
ダイニングに併設するキッチン、そこの隅っこにこっそりと置いておいた大きめの瓶を手に取る。
「ふふん」
「みさちゃんがすげぇ腹立つ顔してるけど」
「いつもやないですか」
「あ、そんなこと言う陸くんと壱馬にはこれあげません。北人にだけプレゼントします」
瓶の中で琥珀色の液体がふるりと揺れた。
「やったー…それ何?」
まだ寝ぼけている北人から適当なリアクションをいただいたが、私は気にせず瓶の中身をタッパーに移しながら答える。
「レモンのはちみつ漬け。喉にいいから、良かったら持って行って?念願のデビュー作なんだし、私に出来ることって少ないけどそれでもみんなの為に何かしたくて作っておいたんだ」
ぱくんとタッパーの蓋がはまる小気味良い音がした。袋に入れて、一番近くにいた壱馬に手渡す。
「はい」
「…ありがと、みさ」
「ううん。レコーディング、上手くいくといいね」
3人が準備を終えて出かけていくのを、玄関まで見送った。
「いってらっしゃーい」
「行ってくる~」
「行ってきます」
北人、陸がひらひら手を振って出ていった。壱馬も後に続こうとして、ふと立ち止まる。
「みさ」
「ん?」
くしゃり、壱馬が私の髪を撫でた。暖かく大きい手が頬まで降りてきて、私の顔の柔らかい部分を優しく包む。
近距離で見つめられて、鼓動が高鳴った。
「え、」
「…レモン、大事に食べるから。行ってきます」
がちゃりと扉を開けて、壱馬が出ていった。あとに残された私は、ひとり呆然と呟く。
「…行ってらっしゃい…………」