日常
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11月中旬。
勤労感謝の日の前日ということで、この日はHIROさん主催でLDH社員が集まるとても大きなパーティーが行われる。
事務所近くのホテルを貸切で、パーティーホールにはステージ、外にはプールもある。二階のバルコニーからは綺麗な夜景を見ることができて、まるで映画セットだ。
日々仕事に携わる社員たちを労って、この日ぐらいはハメを外して楽しんでほしいというHIROさんの心遣いだそう。さすが。
「EXILEにTHE SECOND、GENERATIONS、三代目、FANTASTICKS、E-Girls、上層部役員…すごい……」
ドレスコードは最上級のフォーマルとのことで、浮世離れした雰囲気と超豪華な面子に怖気付いた私は壱馬の後ろに隠れた。
「貧乏人には眩しすぎる世界…」
「俺は眩しくないっつーことやんな」
「え?」
私は改めて壱馬の格好を眺めた。
黒いサテン生地のスリーピーススーツ。シャツはグレーで、シルバーのアスコットタイはポケットチーフと同色だ。緩くウェーブした髪はナチュラルな感じでセットされている。
…眩しい、というよりは
「かっこいいよ」
ただ思ったことを言っただけなんだけど、後から恥ずかしくなってきた。こら壱馬、嬉しそうな顔をするんじゃない。
「みさだって雰囲気違って可愛い!似合ってる!」
翔吾がキラキラ笑顔で私を褒める。ああ、その笑顔は別の意味で眩しすぎる。
ちなみに私はというと、RAMPAGEカラー、黒のイブニングドレス。
喉元からデコルテまでは透け感あるレース編みで、大胆に背中の見えるタイトめなシルエット。床まであるロング丈のスカート部分は右側にざっくりとスリットが開いていて、歩く度に結構なところまで見えてしまいそうになるので非常に恥ずかしい。シルバーのパンプスはヒールが高くて歩きずらいし。
ちなみに、このドレスは招待状を手に慌てふためく私を見かねた壱馬が選んでくれたもの。
「俺が選んだんやから似合ってて当然やろ」
「壱馬下心丸出しやんか~やるなオイ~」
「さっきからみさの脚ばっか見てる陣さんに言われたくないんスけど!」
私はため息をついてシャンパングラスを傾ける。
落ち着いた雰囲気ではあるものの、人の話し声やグラスのぶつかる音が耳に響くので私はパーティが進んだ頃合いを見計らってそっとタラップを降りて外に出た。壱馬もみんなから離れて付いてきてくれる。
「耳、平気?」
「うん、大丈夫。ありがと」
その時、背後から男性の声がした。
「あ、壱馬」
振り返って、固まる。
三代目のボーカル。壱馬が憧れてる人と、すごくスタイルがよくてかっこいい人。
「臣さん、隆二さん」
すごい、オーラがやばい。壱馬もちょっと緊張してるのが分かる。壱馬は日頃から登坂さんのファッションとか真似してるくらいだし。
3人が喋ってるのをぼんやりと眺めていたら、ふいに今市さんが私を見た。
「あ、君が壱馬のお気に入りだっていう子?美人さんだね」
「えっ?」
壱馬のお気に入り?私が?
いや、確かに他のメンバーよりは私を気にかけてくれてる気もしなくもないけど…
「気に入ってるとかやなくて!寮でいつもお世話になってるだけです!」
「へぇ?…ま、いいや。これ以上は言わないでおくけど。名前は?」
「あ、夏目みさです!RAMPAGEの寮に住み込みで働かせていただいております。お2人や三代目のみなさんのお話はかねがね伺っております」
ぺこりとお辞儀をする。巻き髪がするりと落ちてくるのがうざったいが我慢した。今度は登坂さんが尋ねる。
「歳は?」
「22です」
「若!こんなに可愛くて若い女の子が男16人のなかにひとりって危ないだろ」
何かあったら俺に言ってね、悪戯っぽく笑う登坂さんは思ったより怖い人じゃなさそうで。
「何かあったら俺が守るんで大丈夫です」
ん?
私の肩を抱いてそう言う壱馬をきょとんと見上げる。
あれ。
何で私今、
こんなに嬉しいんだろう。
「お、いいねそういうの。そういうトガり方嫌いじゃない」
今市さんがニヤリと口角を上げた。
その時、ホールから軽やかな音楽が流れ出す。ステージの上でジャズバンドの演奏が始まっていた。ピアノもある。
少し照れたような顔の壱馬が場の話題を変えるためか、そのステージを指さした。
「みさ、ピアノあるで」
「うん。ジャズピアノもいいよね」
「何、みさちゃんピアノ弾くの?」
「はい。好きなんです」
「へぇ、俺も弾くよ。ピアノ」
「えっそうなんですか!?」
尖った氷柱みたいなビジュアルの今市さんがピアノを弾く。その様子を想像しただけで映えすぎてて興奮してくる。
「俺だけじゃなくてATSUSHIさんとかジェネの涼太とか、うちだと岩ちゃんが弾けたと思うよ。ピアノ以外でもギターとか弾ける奴もいるはず」
「えええ、全然知らなかった…連弾とかセッションとかやってみたいです!」
俄然テンションが上がってきた私を見て、登坂さんが「じゃあ、」と声を上げた。
「今、弾かせてもらったら?」
勤労感謝の日の前日ということで、この日はHIROさん主催でLDH社員が集まるとても大きなパーティーが行われる。
事務所近くのホテルを貸切で、パーティーホールにはステージ、外にはプールもある。二階のバルコニーからは綺麗な夜景を見ることができて、まるで映画セットだ。
日々仕事に携わる社員たちを労って、この日ぐらいはハメを外して楽しんでほしいというHIROさんの心遣いだそう。さすが。
「EXILEにTHE SECOND、GENERATIONS、三代目、FANTASTICKS、E-Girls、上層部役員…すごい……」
ドレスコードは最上級のフォーマルとのことで、浮世離れした雰囲気と超豪華な面子に怖気付いた私は壱馬の後ろに隠れた。
「貧乏人には眩しすぎる世界…」
「俺は眩しくないっつーことやんな」
「え?」
私は改めて壱馬の格好を眺めた。
黒いサテン生地のスリーピーススーツ。シャツはグレーで、シルバーのアスコットタイはポケットチーフと同色だ。緩くウェーブした髪はナチュラルな感じでセットされている。
…眩しい、というよりは
「かっこいいよ」
ただ思ったことを言っただけなんだけど、後から恥ずかしくなってきた。こら壱馬、嬉しそうな顔をするんじゃない。
「みさだって雰囲気違って可愛い!似合ってる!」
翔吾がキラキラ笑顔で私を褒める。ああ、その笑顔は別の意味で眩しすぎる。
ちなみに私はというと、RAMPAGEカラー、黒のイブニングドレス。
喉元からデコルテまでは透け感あるレース編みで、大胆に背中の見えるタイトめなシルエット。床まであるロング丈のスカート部分は右側にざっくりとスリットが開いていて、歩く度に結構なところまで見えてしまいそうになるので非常に恥ずかしい。シルバーのパンプスはヒールが高くて歩きずらいし。
ちなみに、このドレスは招待状を手に慌てふためく私を見かねた壱馬が選んでくれたもの。
「俺が選んだんやから似合ってて当然やろ」
「壱馬下心丸出しやんか~やるなオイ~」
「さっきからみさの脚ばっか見てる陣さんに言われたくないんスけど!」
私はため息をついてシャンパングラスを傾ける。
落ち着いた雰囲気ではあるものの、人の話し声やグラスのぶつかる音が耳に響くので私はパーティが進んだ頃合いを見計らってそっとタラップを降りて外に出た。壱馬もみんなから離れて付いてきてくれる。
「耳、平気?」
「うん、大丈夫。ありがと」
その時、背後から男性の声がした。
「あ、壱馬」
振り返って、固まる。
三代目のボーカル。壱馬が憧れてる人と、すごくスタイルがよくてかっこいい人。
「臣さん、隆二さん」
すごい、オーラがやばい。壱馬もちょっと緊張してるのが分かる。壱馬は日頃から登坂さんのファッションとか真似してるくらいだし。
3人が喋ってるのをぼんやりと眺めていたら、ふいに今市さんが私を見た。
「あ、君が壱馬のお気に入りだっていう子?美人さんだね」
「えっ?」
壱馬のお気に入り?私が?
いや、確かに他のメンバーよりは私を気にかけてくれてる気もしなくもないけど…
「気に入ってるとかやなくて!寮でいつもお世話になってるだけです!」
「へぇ?…ま、いいや。これ以上は言わないでおくけど。名前は?」
「あ、夏目みさです!RAMPAGEの寮に住み込みで働かせていただいております。お2人や三代目のみなさんのお話はかねがね伺っております」
ぺこりとお辞儀をする。巻き髪がするりと落ちてくるのがうざったいが我慢した。今度は登坂さんが尋ねる。
「歳は?」
「22です」
「若!こんなに可愛くて若い女の子が男16人のなかにひとりって危ないだろ」
何かあったら俺に言ってね、悪戯っぽく笑う登坂さんは思ったより怖い人じゃなさそうで。
「何かあったら俺が守るんで大丈夫です」
ん?
私の肩を抱いてそう言う壱馬をきょとんと見上げる。
あれ。
何で私今、
こんなに嬉しいんだろう。
「お、いいねそういうの。そういうトガり方嫌いじゃない」
今市さんがニヤリと口角を上げた。
その時、ホールから軽やかな音楽が流れ出す。ステージの上でジャズバンドの演奏が始まっていた。ピアノもある。
少し照れたような顔の壱馬が場の話題を変えるためか、そのステージを指さした。
「みさ、ピアノあるで」
「うん。ジャズピアノもいいよね」
「何、みさちゃんピアノ弾くの?」
「はい。好きなんです」
「へぇ、俺も弾くよ。ピアノ」
「えっそうなんですか!?」
尖った氷柱みたいなビジュアルの今市さんがピアノを弾く。その様子を想像しただけで映えすぎてて興奮してくる。
「俺だけじゃなくてATSUSHIさんとかジェネの涼太とか、うちだと岩ちゃんが弾けたと思うよ。ピアノ以外でもギターとか弾ける奴もいるはず」
「えええ、全然知らなかった…連弾とかセッションとかやってみたいです!」
俄然テンションが上がってきた私を見て、登坂さんが「じゃあ、」と声を上げた。
「今、弾かせてもらったら?」