日常
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みさが合コンに行った。
何でだろう。何でこんなにイライラするんだろう。
そわそわとみさの帰りを待っていると、ふいに玄関が騒がしくなった。俺同様に落ち着きのなかったみんながわらわらと廊下に出ていく。もちろん先頭は俺。
「あーもうみさしっかり!」
「んん~」
玄関先には、酩酊状態のみさを支える若い女性。俺は思わずそちらに駆け寄って奪い取るようにみさの身体を支えた。
「みさ!」
「あ…って、わ!ほんとに男ばっかり」
女性はみさを合コンに呼んだ昔からの友達で、彼女から聞いた話ではみさを気に入った男に無理やり飲まされていたそう。彼女が気づいた時にはこの状態で、このままでは色々な意味で危ないと連れて帰ってきてくれたのだとか。
みんなの心からのお礼にカッコよく手を振って応え、彼女は帰っていった。
「はぁ…みさ、大丈夫?」
「んぅ~?あれ、何れかずまがここにいるの?」
「呂律回ってないし…あかんわこれは」
知らない男に、こんなになるまで飲まされて。
腸が煮えくり返りそうだ。
そんな俺の気持ちも知らないで、みさはくったりとこっちにもたれかかった。
熱い。
耳まで赤くして唇と瞳は艶っぽくうるんでいる。
正直、たまらない。
怒りと男としての本能の狭間で揺れる俺を見上げて、みさがひとこと。
「かずまぁ」
「な、何?」
「吐きそう」
「え、」
とたんにその場にいた全員が弾かれたように慌てふためきだした。俺は電光石火の速さでみさをトイレまで運ぶ。床にぺったりと座り込んで、便器に頭を突っ込むみさの横顔はとても苦しそうだ。
「水!誰か水持ってこい!」
「タオルもいりますよね!?」
「あ、あと薬!胃薬あるよ!飲みすぎに効くやつ!」
苦しそうに震えるみさの背中をゆっくりさする。
「全部吐けば楽になるやろ。俺らそばにおるし、大丈夫やで」
たぶんお酒ばかりで食べ物なんてほとんど食べていなかったのだろう、みさが胃の中を空っぽにするまでそれほど時間はかからなかった。
目をとろんとさせているみさを北人と二人がかりで共用スペースのソファに寝かせる。
「かずま~」
「ん?」
「手」
「手?」
ぎゅっと、俺の手を握る。
そして数分後にはそのまますうすうと寝息をたてはじめた。
「…手ぇ離されへんやん……」
「みさがこんなふうになるなんて、ビビりましたね」
慎が床に座る俺の隣にきて、みさの寝顔を覗き込んだ。
「虫除け、あんまり効果なかったかな…」
「虫除け?」
「あぁ、みさが出かける前に一応俺の名前が入ったリングをあげたんですけど」
ほらこれ、とみさの喉元にあるリングを持ち上げる。
「あ、ほんまや慎の…でも女のコがリングをチェーンにかけてるって大体彼氏とかのやろ?相手の男気付かへんかったんかな」
今更のようにムカついてきた。
意識が怪しくなるまで飲ませてから手を出そうとするなんて、悪質もいいとこだ。
ていうかみさもちゃんとこれ以上は無理って断れよ、と思わなくもないがきっと優しいみさのことだから断りきれなかったのだろう。
みさにベタベタくっついてお酒を勧める男が頭に浮かんできて、脳みそが焼き切れそうなほどに怒りが湧いた。
「気づいてて無視?とかですかね?」
「クズやな」
吐き捨てるように言う俺を、慎がまあまぁと宥める。
「出かける前にもうちょいしっかり言っとけばよかったです。気をつけなよって」
「…まぁ、お説教はまた明日やな」
「ですね」
俺の手をしっかり握ったまま眠るみさの髪をそっと撫でて、俺はため息をついた。
このイライラの意味は何なのだろう。
この思いを、どこに持っていけばいいのだろう。
何でだろう。何でこんなにイライラするんだろう。
そわそわとみさの帰りを待っていると、ふいに玄関が騒がしくなった。俺同様に落ち着きのなかったみんながわらわらと廊下に出ていく。もちろん先頭は俺。
「あーもうみさしっかり!」
「んん~」
玄関先には、酩酊状態のみさを支える若い女性。俺は思わずそちらに駆け寄って奪い取るようにみさの身体を支えた。
「みさ!」
「あ…って、わ!ほんとに男ばっかり」
女性はみさを合コンに呼んだ昔からの友達で、彼女から聞いた話ではみさを気に入った男に無理やり飲まされていたそう。彼女が気づいた時にはこの状態で、このままでは色々な意味で危ないと連れて帰ってきてくれたのだとか。
みんなの心からのお礼にカッコよく手を振って応え、彼女は帰っていった。
「はぁ…みさ、大丈夫?」
「んぅ~?あれ、何れかずまがここにいるの?」
「呂律回ってないし…あかんわこれは」
知らない男に、こんなになるまで飲まされて。
腸が煮えくり返りそうだ。
そんな俺の気持ちも知らないで、みさはくったりとこっちにもたれかかった。
熱い。
耳まで赤くして唇と瞳は艶っぽくうるんでいる。
正直、たまらない。
怒りと男としての本能の狭間で揺れる俺を見上げて、みさがひとこと。
「かずまぁ」
「な、何?」
「吐きそう」
「え、」
とたんにその場にいた全員が弾かれたように慌てふためきだした。俺は電光石火の速さでみさをトイレまで運ぶ。床にぺったりと座り込んで、便器に頭を突っ込むみさの横顔はとても苦しそうだ。
「水!誰か水持ってこい!」
「タオルもいりますよね!?」
「あ、あと薬!胃薬あるよ!飲みすぎに効くやつ!」
苦しそうに震えるみさの背中をゆっくりさする。
「全部吐けば楽になるやろ。俺らそばにおるし、大丈夫やで」
たぶんお酒ばかりで食べ物なんてほとんど食べていなかったのだろう、みさが胃の中を空っぽにするまでそれほど時間はかからなかった。
目をとろんとさせているみさを北人と二人がかりで共用スペースのソファに寝かせる。
「かずま~」
「ん?」
「手」
「手?」
ぎゅっと、俺の手を握る。
そして数分後にはそのまますうすうと寝息をたてはじめた。
「…手ぇ離されへんやん……」
「みさがこんなふうになるなんて、ビビりましたね」
慎が床に座る俺の隣にきて、みさの寝顔を覗き込んだ。
「虫除け、あんまり効果なかったかな…」
「虫除け?」
「あぁ、みさが出かける前に一応俺の名前が入ったリングをあげたんですけど」
ほらこれ、とみさの喉元にあるリングを持ち上げる。
「あ、ほんまや慎の…でも女のコがリングをチェーンにかけてるって大体彼氏とかのやろ?相手の男気付かへんかったんかな」
今更のようにムカついてきた。
意識が怪しくなるまで飲ませてから手を出そうとするなんて、悪質もいいとこだ。
ていうかみさもちゃんとこれ以上は無理って断れよ、と思わなくもないがきっと優しいみさのことだから断りきれなかったのだろう。
みさにベタベタくっついてお酒を勧める男が頭に浮かんできて、脳みそが焼き切れそうなほどに怒りが湧いた。
「気づいてて無視?とかですかね?」
「クズやな」
吐き捨てるように言う俺を、慎がまあまぁと宥める。
「出かける前にもうちょいしっかり言っとけばよかったです。気をつけなよって」
「…まぁ、お説教はまた明日やな」
「ですね」
俺の手をしっかり握ったまま眠るみさの髪をそっと撫でて、俺はため息をついた。
このイライラの意味は何なのだろう。
この思いを、どこに持っていけばいいのだろう。