偽りの執事

「新聞見たぞ。ザラの論文、また賞もらってたな」

「しかも今度はメンデル学術賞だろう。すごいよな。最高権威の賞だぜ。最年少受賞者記録大幅に塗り替えたんじゃないの」

世界最高峰のプラント大学での一室に学生たちが集まっていた。

「今度の論文は俺も満足のいく出来だったから評価されて嬉しい。でも、さすがにメンデル学術賞を頂いたのには驚いてるよ」

その中心にいるのは、藍色の髪に翡翠色の瞳をした青年。

「卒業後はあちこちの企業から誘いがきてるんだろう。どうするんだよ」

「そうだな・・まだ具体的にどこかは決めていないが・・まあいくつか候補を選んでいるところかな」

「一流企業に特別待遇で入社かあ・・羨ましいよ」

「俺はこいつのモテっぷりのが羨ましいけどな!と、いことでアスラン!今から飲み会だ!お前もこい!プラント大学一のいい男が彼女なしってのは格好がつかないだろう」

「悪いけど、俺はそういうの苦手だから・・」

青年はすまなそうに笑って席を立つ。

「たまには参加しろよなー。お前ずっと彼女いないじゃん。それとも何?好きな子いるのかよ」

「どうかな・・・」

「いいじゃないかミゲル。それにアスランがきたら女の子みんな持ってかれちゃう~?」

「なんだと~!!」

青年は賑やかな笑い声を背に部屋から出て行った。
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