藍色の秘密










「嫌だっ・・アレックス!やめろよっ!」

アレックスは暴れるカガリを押さえつけ、首筋に口付けたまま、柔らかな肌を吸い上げた。

「んっ・・」

鈍い痛みにカガリが顔をしかめたのが分かった。
アレックスがそっと首筋に埋めていた顔を上げると、今咲いたばかりの紅い花がそこにあった。
その鮮やかさがアレックスの心に染み入る。
ずっとずっと望んでいたことだ。
カガリがアスランに求婚された翌日、カガリの首筋に咲いていた花はもう枯れて、今は自分が咲かせた花がそこにある。
心の奥から痺れるような歓喜が湧き上がり、その快さにアレックスは一瞬強く瞼を閉じた。

(もっと、もっと欲しい)

たとえ、カガリが自分を愛していなくても。

「あっ・・」

再び首筋に噛みつくように口付けられ、カガリの身体がビクリと震えるが構わずに、アレックスは唇をすべらせ、いくつもの痕を残していく。
唇は首筋から鎖骨のあたりまで降下していき、それと共にアスランの指がカガリの部屋着のボタンを弾いた。

「やだ!!いやだ――――!!」

服を脱がされると分かって、カガリの抵抗が激しくなる。
首を振り、手足をばたつかせ、身体を捩り、全身全霊でアレックスから逃げようとする。
しかしカガリの渾身の抵抗など、アレックスにとっては何の障害でもない。
体重を掛け、身体を抱き込んでしまえば、カガリになすすべはなかった。

「いやだっ!!誰か助けて!!誰か来て―――!!」

それでも、カガリはアレックスの下から逃れようともがく。

「無駄です、誰も来ない」

抱き込んだカガリの耳元でアレックスはそっと囁いた。

「あっ・・」

耳元でアレックスの熱い吐息を感じ、カガリの身体が慄いた。

「嫌なら逃げても、叫んでも構いません。でも、カガリ様を助けてくれる人は誰もいません。抵抗すればするほどカガリ様のお体にいらぬ傷が増えたり、お辛い思いをされるだけです」

アレックスの下で小刻みに震えているカガリを、アレックスは切なさの籠った瞳で見下ろした。

「何故なら、私は既に決心しているのですから」

(どんなに拒絶されても、あなたを手に入れるのだと・・)

それがアスランを追い落とし、皇太子になると決めたアレックスの覚悟だった。
カガリが幸せでいてくれれば、それでいいと、そう思っていたのは、嘘ではない。
けれど、もっと心の深いところにある、自分でも気づかなかった欲望が、自分にはあった。
カガリが他の男のものになるなんて、耐えられない。
だったら、どんなに泣かせても、恨まれても、自分のものにしてしまいたい。
そう思って、アレックスは危険だと分かっていながら、デュランダルの手を取ったのだ。
もう後には引けないし、引くつもりもなかった。
この想いとともに、業火に焼かれるのならば、それでいいと思った。

「あ・・」

部屋着を脱がし、胸を覆っていた下着もはぎ取って、露わになった二つの果実を揉みしだく。
胸の柔らかさを掌で堪能し、その頂をそっと口に含んだ。

「ひぁあっ・・!あっ・・やだぁっ・・」

途端にカガリが身体を弾かせた。
アレックスの肩を押す細い手首を掴み取ると、カガリの顔の横で押さえつける。

「あぁっ・・やめっ・・」

頂きを舌で弾き甘噛みして、強く吸い上げると、カガリの身体がビクビクと反応した。
素直で可愛い身体。

(生来のものか、それとも・・・)

アレックスの心に黒い炎が湧き上がり、けれど首を振って燃え盛る前に沈静化させる。

(いいじゃないか。俺の色に染め上げていけば)

この身体中に自分の印を刻み付け、アスランのことなんて考えられないようにしてやりたい。
アレックスは身体を起こし、カガリの身に着けていた最後に一枚を、足元から抜き去った。

「いやあっ・・!」

カガリは悲鳴を上げたものの、目だった抵抗はしなかった。
押さえつけられていた手首が痺れてしまっているのだろう。

(カガリ様・・こんな風に抱かれるなんて、可哀想に・・)

そう思いながらも、アレックスはカガリの膝裏に手を伸ばし、しなやかな脚を開かせた。

「やめろ―――っ!!」

カガリが足をばたつかせるも、もうどうにもならない。
アレックスはカガリの中心に視線を向けると、そこは花びらが綺麗に重なり合って、僅かにきらめいていた。

「はっ・・」

アレックスは熱く息を吐くと膝立ちになり、ベルトを外してズボンの前をくつろげ、大きく膨れ勃ちあがった雄を取り出した。
限界だった。
本当はもっと慣らして、蜜を溢れさせてやりたかったけれど、もう一刻も早くカガリを自分のものにしたかった。
少しでも早く、アスランの痕跡を塗り替えてやりたい。
己の欲望のまま、アレックスは雄をカガリの秘部に押し当てた。

「んっ・・」

ビクンと反応し、腰を引こうとしたカガリを許さず、逆に引き寄せる。
何度か位置を調節すると、アレックスはゆっくりと腰を沈めた。








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