アスランの思惑が分からない以上、尚更心の内を見せる訳にはいかない。
カガリがそう吐き捨てると、目の前のエメラルドに暗い影が過った。
それが何か考える間も無く、アスランは皮肉げに口元を歪める。

「分かった」

再び唇が降りてきて、アスランの舌が遠慮なくカガリの中に入ってくる。

「ん………っ」

「ちゃんと息をしろ」

「は………っ、ん」

咥内を舌で掻き回され、固くしていたカガリの身体がびくりと跳ねた。
カガリの手首を固定していたアスランの手が、カガリの胸元に移動したのだ。

「んん……っ」

薄い部屋着の上から軽く数回揉みしだかれたあと、裾をたくし上げられる。
その間も、荒々しい口づけは続いていて、カガリはどっちに意識を持っていければいいのか分からず、アスランに翻弄されていた。
ふいに上半身にひやりと冷気が触れ、下着を外されたのだと悟る。
剥き出しの胸がアスランに曝されている、その事実にカガリはかっと頬を熱くした。
覚悟を決めたはずなのに、思わずアスランの肩を掴んでしまうとようやく唇が解放された。
しかし、アスランは間髪入れずにカガリの細い首筋に唇を寄せた。

「ああ……っ」

首元で男の熱い息を感じて、この行為はもう止められないのだと実感する。
無意識にぽろりと目尻からこぼれた涙をアスランが舐めとり、その塩辛い唇をそのままカガリの桜色の頂きに寄せた。
生暖かい舌で吸われ甘噛みされると、恥ずかしい声が出そうになり、唇を噛んだ。
全てが初めての経験ばかりで。

「声、我慢するな」

「やあ……」

耳元で囁かれ、カガリは首を振った。
アスランの低い声は、カガリをぞくぞくと不思議な感覚にさせるのだ。

「頑ななんだな」

そう呟くと、アスランはカガリの胸に顔を埋め、右手をそっとカガリの秘部にのばした。

「ひ……っ」

あっという間にズボンと下着が降ろされて、アスランの指がカガリの中心を嬲る音が部屋に響く。

「ああ……っ」

ある部分を擦られると、条件反射のように身体が跳ね、声が出てしまう。
鋭い刺激に悶えるしかないカガリを、アスランは熱の籠った目で見つめている。

「やめっ、見るなあっ」

恥ずかしくてカガリは顔を腕で隠した。

「何で、こんなに可愛いのに」

いっぱいいっぱいな自分とは違って、こんな場でも歯の浮くような台詞を余裕で言ってのけるアスランを、カガリは心底憎いと思った。
けれど、アスランの指に追い詰められてしまって、何も言い返すことができない。

「ああっ、や……っああっ」

駄目だ、と思った瞬間、目の前が真っ白になって、カガリは身体を弓なりにしならせた。
波が落ち着くのを待ち、荒い息を吐きながらそっと目を開けると、指に絡まったカガリの愛液を丁寧に舐めるアスランの姿があった。
何て事をしているのか。
羞恥で顔を紅くするカガリに、緩い笑みを返したアスランはそっとシャツを脱いだ。
続いてベルトに手をかけるアスランに、カガリは諦めたうように瞼を閉じた。