夜明け
「シン?!おまえ、いきなり・・んっ?!」
シンはそのまま腕のなかで驚愕と戸惑の浮かんだ瞳で見上げてくるカガリの唇を奪った。
「んうっ・・ふっ・・いやっ!・・んっ!」
片手でカガリを拘束し、もう一方の手で口づけから逃れようとするカガリの後頭部をつかみ、執拗に唇をむさぼって、悲鳴が漏れ出た隙に舌をねじこむ。
「ふう・・ん・・!んん・・」
逃げ惑うカガリの舌を捕まえて、絡め取る。
吐息や唾液だけじゃない、全てを奪うようなキスだった。
「ん・・うう・・」
酸素が足りなくなり小刻みにカガリの身体が震えだして、シンはやっと口付けを解いた。
「おまえ・・何を・・」
荒い呼吸のままシンを睨み付けようとしたカガリの琥珀が恐怖に固まる。
その視線の先にあったのは狂気に染まった紅の瞳。
その奥には嫉妬、焦燥、怒りといった感情が混ざり合って凶暴な光を放っていた。
「行かせないから・・・」
「シ・・」
「アスランのところになんて絶対行かせるもんか!」
そう叫ぶとシンはカガリを荷物のように肩に乗っけて、奥の部屋、ベッドルームに向かう。
「シン!!放せ!降ろせってば!」
さっきまでシンの雰囲気にのまれていたカガリも、この状況に危機感を感じて暴れだす。
「あっ!」
カガリはドサリとキングサイズのベッドに投げ出され、その衝撃に一瞬頭がくらりとするも、すぐさま起き上がろうとしたが、シンが覆いかぶさってきてそのままベッドに沈められた。
「シン!!やめっ・・んむっ・・んん・・」
抵抗の言葉は再び降ってきた熱いキスで封じられる。
カガリの唇を傍若無人に貪りながら、シンの手が若草色のドレスの胸元にかかり、そのまま下着ごと一気に引き下ろした。
「やだっ・・!シン!!やめろっ・・」
シンはやっとカガリの唇を解放すると、今度はカガリの細い首筋に唇を這わせてきつく吸い上げ、紅い華を咲かせていく。
シンの唇は首筋から肩、鎖骨と降下していきそのまま胸の頂にしゃぶりついた。
「ああっ!!・・ん・・やあ・・あ・・んう・・」
シンは自分を引きはがそうとしているカガリの手首をつかんで顔の横の縫いとめ、露わになった桃色の突起を舐めまわし吸い上げて堪能する。
「シ・・ン・・やめ・・お願・・い・・」
責め立てられ切なく喘ぎながらも、カガリにはシンがひどく不安定に見えた。
まるで心の傷を誤魔化すために闇雲に凶暴になっているような。
酷いことをされているのに、シンの抱えてるだろう辛さを考えると泣きたくなって、助けてやりたいと思ってしまう。
「シン・・おまえ・・何をそんなに苦しんでいるんだ・・?」
シンがゆっくりとカガリの胸元から顔をあげた。
鈍く光る赤い瞳に背筋がぞくりとしたが、できるだけ静かにカガリはシンに語りかける。
「やっぱり・・私のせいなのか・・?だったら言ってくれないか・・?お前の気に入らないところ、できるだけ直すように・・」
だけど、カガリは最後まで言わせてもらえなかった。
シンが噛みつくように唇を奪ったからだ。
―――何をそんなに苦しんでいるんだ?
―――私のせいなのか?
分かってない!!アスハは全然分かってない!!
怒りが激流し、血管を巡ってものすごいスピードでシンの体中を駆け巡った。
俺が何で苦しんでいるって、何で分からないんだよ!?
何でアスランのとこに行ってほしくないのか分からないのかよ!?
何でこんなことしてるのか分からないのかよ!?
―――お前の気に入らないところ、できるだけ直すように
じゃあアスランのところに行くなって言ったら行かないでくれるのかよ!?
俺の傍にいてって言ったらいてくれるのかよ!?
アスハは根本的なこと、分かっていないんだ。
―――――俺がアンタのこと好きだって、ことが。
それは、シン自身もたった今理解した感情だった。
嬉しさ、愛しさ、悔しさ、悲しみ、いらだち、怒り。
全部、この人のこと、好きだから
「リっ・・!カガリ・・カガリ!」
シンは今まで戸惑っていたカガリのことを考えると湧き出てきた感情の全てが、カガリを愛しているゆえ生まれたものだと分かった。
アスハのことを憎んでいたはずだった。
だけど…
シンは激しい愛撫を続けながら組み敷いたカガリを見つめた。
理屈ではないのだ。
どうしようもなくカガリが欲しくて、愛おしくて。
他の男の、それもアスランのところになんて絶対に行かせることはできない。
本能がカガリを自分のものにしてしまえと激しくせっつくが、シンは戸惑った。
いいのか・・こんな、無理やり・・
カガリを愛していると気づかず、ただ自分ではコントロールできない感情でカガリを襲ったけれど、自分の気持ちが分かってしまうとこの行為に躊躇いが出てくる。
心も身体もちゃんと愛したかった。
無理やりではなく、いつかちゃんと想いを交換して・・
―――今なら、まだ間に合う?
そう思って、シンの動きが止まりかけたその時だった。
「やっ・・!・・アス・・アスランっ助けて!アスラン!!」
シンのほのかな希望は理性とともに打ち砕かれた。
静寂さが戻った部屋のなか、シンはベッドの上の光景を呆然と見つめていた。
力なく投げ出された身体にズタズタに引き裂かれたドレスの残骸が纏わりついている様は凌辱の痕を色濃く残している。
目には幾筋もの涙の痕。
痛々しいカガリの姿にシンは自分が何をしたか信じられなかった。
先ほどのことは夢のように思えた。
泣いて嫌がるカガリを力づくで犯すなど。
でも、身体中にカガリを抱いた感覚ははっきり残っている。
自分は確かに「やめて」と叫ぶカガリの中に押し入り、揺さぶって突き上げて、精を放ったのだ。
カガリは初めてだった。
そのことに驚き一瞬戸惑ったが、自分の前でアスランに助けを求めたカガリがどうしても許せなくて、そのままねじ入れた。
それにここまできて辞められるわけがない。
カガリのなかはとても暖かくて気持ち良くてシンは夢中で腰を振った。何も考えられなくなって、気が付いたらカガリに欲望の種を放っていた。
シンはふらふらと気を失っているカガリに近づいて、涙で濡れた頬を撫でた。
「・・・っく」
その瞬間、目元がかっと熱くなり涙が溢れ出てくる。
ナイフでえぐられたように胸が痛い。
「ごめ・・ん・・」
シンの身体がゆっくりとベッドの横に崩れ落ちていく。
「ごめ・・ん、カガリ・・ごめん・・」
そのまま床にうずくまって、シンは泣き続けた。
シンはそのまま腕のなかで驚愕と戸惑の浮かんだ瞳で見上げてくるカガリの唇を奪った。
「んうっ・・ふっ・・いやっ!・・んっ!」
片手でカガリを拘束し、もう一方の手で口づけから逃れようとするカガリの後頭部をつかみ、執拗に唇をむさぼって、悲鳴が漏れ出た隙に舌をねじこむ。
「ふう・・ん・・!んん・・」
逃げ惑うカガリの舌を捕まえて、絡め取る。
吐息や唾液だけじゃない、全てを奪うようなキスだった。
「ん・・うう・・」
酸素が足りなくなり小刻みにカガリの身体が震えだして、シンはやっと口付けを解いた。
「おまえ・・何を・・」
荒い呼吸のままシンを睨み付けようとしたカガリの琥珀が恐怖に固まる。
その視線の先にあったのは狂気に染まった紅の瞳。
その奥には嫉妬、焦燥、怒りといった感情が混ざり合って凶暴な光を放っていた。
「行かせないから・・・」
「シ・・」
「アスランのところになんて絶対行かせるもんか!」
そう叫ぶとシンはカガリを荷物のように肩に乗っけて、奥の部屋、ベッドルームに向かう。
「シン!!放せ!降ろせってば!」
さっきまでシンの雰囲気にのまれていたカガリも、この状況に危機感を感じて暴れだす。
「あっ!」
カガリはドサリとキングサイズのベッドに投げ出され、その衝撃に一瞬頭がくらりとするも、すぐさま起き上がろうとしたが、シンが覆いかぶさってきてそのままベッドに沈められた。
「シン!!やめっ・・んむっ・・んん・・」
抵抗の言葉は再び降ってきた熱いキスで封じられる。
カガリの唇を傍若無人に貪りながら、シンの手が若草色のドレスの胸元にかかり、そのまま下着ごと一気に引き下ろした。
「やだっ・・!シン!!やめろっ・・」
シンはやっとカガリの唇を解放すると、今度はカガリの細い首筋に唇を這わせてきつく吸い上げ、紅い華を咲かせていく。
シンの唇は首筋から肩、鎖骨と降下していきそのまま胸の頂にしゃぶりついた。
「ああっ!!・・ん・・やあ・・あ・・んう・・」
シンは自分を引きはがそうとしているカガリの手首をつかんで顔の横の縫いとめ、露わになった桃色の突起を舐めまわし吸い上げて堪能する。
「シ・・ン・・やめ・・お願・・い・・」
責め立てられ切なく喘ぎながらも、カガリにはシンがひどく不安定に見えた。
まるで心の傷を誤魔化すために闇雲に凶暴になっているような。
酷いことをされているのに、シンの抱えてるだろう辛さを考えると泣きたくなって、助けてやりたいと思ってしまう。
「シン・・おまえ・・何をそんなに苦しんでいるんだ・・?」
シンがゆっくりとカガリの胸元から顔をあげた。
鈍く光る赤い瞳に背筋がぞくりとしたが、できるだけ静かにカガリはシンに語りかける。
「やっぱり・・私のせいなのか・・?だったら言ってくれないか・・?お前の気に入らないところ、できるだけ直すように・・」
だけど、カガリは最後まで言わせてもらえなかった。
シンが噛みつくように唇を奪ったからだ。
―――何をそんなに苦しんでいるんだ?
―――私のせいなのか?
分かってない!!アスハは全然分かってない!!
怒りが激流し、血管を巡ってものすごいスピードでシンの体中を駆け巡った。
俺が何で苦しんでいるって、何で分からないんだよ!?
何でアスランのとこに行ってほしくないのか分からないのかよ!?
何でこんなことしてるのか分からないのかよ!?
―――お前の気に入らないところ、できるだけ直すように
じゃあアスランのところに行くなって言ったら行かないでくれるのかよ!?
俺の傍にいてって言ったらいてくれるのかよ!?
アスハは根本的なこと、分かっていないんだ。
―――――俺がアンタのこと好きだって、ことが。
それは、シン自身もたった今理解した感情だった。
嬉しさ、愛しさ、悔しさ、悲しみ、いらだち、怒り。
全部、この人のこと、好きだから
「リっ・・!カガリ・・カガリ!」
シンは今まで戸惑っていたカガリのことを考えると湧き出てきた感情の全てが、カガリを愛しているゆえ生まれたものだと分かった。
アスハのことを憎んでいたはずだった。
だけど…
シンは激しい愛撫を続けながら組み敷いたカガリを見つめた。
理屈ではないのだ。
どうしようもなくカガリが欲しくて、愛おしくて。
他の男の、それもアスランのところになんて絶対に行かせることはできない。
本能がカガリを自分のものにしてしまえと激しくせっつくが、シンは戸惑った。
いいのか・・こんな、無理やり・・
カガリを愛していると気づかず、ただ自分ではコントロールできない感情でカガリを襲ったけれど、自分の気持ちが分かってしまうとこの行為に躊躇いが出てくる。
心も身体もちゃんと愛したかった。
無理やりではなく、いつかちゃんと想いを交換して・・
―――今なら、まだ間に合う?
そう思って、シンの動きが止まりかけたその時だった。
「やっ・・!・・アス・・アスランっ助けて!アスラン!!」
シンのほのかな希望は理性とともに打ち砕かれた。
静寂さが戻った部屋のなか、シンはベッドの上の光景を呆然と見つめていた。
力なく投げ出された身体にズタズタに引き裂かれたドレスの残骸が纏わりついている様は凌辱の痕を色濃く残している。
目には幾筋もの涙の痕。
痛々しいカガリの姿にシンは自分が何をしたか信じられなかった。
先ほどのことは夢のように思えた。
泣いて嫌がるカガリを力づくで犯すなど。
でも、身体中にカガリを抱いた感覚ははっきり残っている。
自分は確かに「やめて」と叫ぶカガリの中に押し入り、揺さぶって突き上げて、精を放ったのだ。
カガリは初めてだった。
そのことに驚き一瞬戸惑ったが、自分の前でアスランに助けを求めたカガリがどうしても許せなくて、そのままねじ入れた。
それにここまできて辞められるわけがない。
カガリのなかはとても暖かくて気持ち良くてシンは夢中で腰を振った。何も考えられなくなって、気が付いたらカガリに欲望の種を放っていた。
シンはふらふらと気を失っているカガリに近づいて、涙で濡れた頬を撫でた。
「・・・っく」
その瞬間、目元がかっと熱くなり涙が溢れ出てくる。
ナイフでえぐられたように胸が痛い。
「ごめ・・ん・・」
シンの身体がゆっくりとベッドの横に崩れ落ちていく。
「ごめ・・ん、カガリ・・ごめん・・」
そのまま床にうずくまって、シンは泣き続けた。