鎖
アスランはゆっくりと身体を起こした。
その翡翠の瞳に映るのは脱力したようにベッドに身を預け、はあはあと忙しなく浅い呼吸を繰り返す白い蝶。
頬は蒸気し、閉じられた瞳からは生理的な涙が流れている。
その姿は扇情的で男の欲望を限界まで煽るには十分だった。
「カガ・・リ・・っ」
欲しい。
この白い蝶が欲しい。
もう、それしか考えられなかった。
本能に突き動かされるようにアスランは固く勃起した雄を取り出した。
白い蝶を求め大きく膨れ上がった雄は、先端から白い液をぽたぽたと零しており、アスランは赤黒く脈打つそれを、迷うことなくカガリの膣口に当てた。
「あっ・・?!」
その刺激に呆然自失だったカガリが意識を取り戻す。
自分の秘部に当てられている、どくどくと脈打つ熱いもの。
その正体に気が付いたとき、カガリは身体を弾かせた。
「嫌―――――!!」
赤黒く大きなそれはグロテクスで、美しいアスランには似合わないもの。
「嫌だ!いい加減にしろよ!!お前っ・・!!」
カガリは全力で雄から逃げようとするも、もちろんアスランがそんなことを許すはずはなかった。
「カガリ・・!」
暴れるカガリを抑え込み何度か侵入角度を調整すると、アスランはそのまま肉棒を推し進めた。
「ひっ・・・?!」
一度絶頂を迎えたとはいえカガリの膣は想像以上に固く狭く、まるで雄を拒絶しているようだった。
そんな健気な抵抗を力でねじ伏せるように、アスランは腰を揺すっては肉棒を前へ前へと突き進めて行く。
「痛いっ・・!アスラン、やめっ・・!!痛・・い・・!」
押し入ってくる雄の、指とは比べ物にならない圧倒的な質量。
それによる激痛にカガリは泣き叫ぶも、アスランは容赦しなかった。
「っく・・!」
ぐいぐいと膣を容赦なく押し広げていき、やがて雄が根本まで埋まりカガリの最奥に到達した。
「は・・あ・・」
きつく締め付けられる快感にアスランは眉を寄せ熱い吐息を漏らす。
快感に耐えるように一呼吸置いてから、視線を結合部にむけると、そこは血が滲んでいた。
手に入れた・・。
俺を刻み付けた。
この白い蝶の姫を自分のものにしたのだ。
身体の中心から湧き上がる歓喜に打ち震え、アスランは耐えがたい衝動に突き動かされるように腰を動かし始めた。
「あっ・・!?あ・・っう・・!」
痛みに震えていたカガリは雄の動きにびくりと反応する。
膣を串刺しにする肉棒の太さと熱さに馴染む時間を与えられないまま律動が始まったのだ。
「アス・・!!嫌だっ・・ああっ・・あっ・・んっ・・」
カガリは苦しそうな悲痛な声をあげるが、それでもアスランは初めて感じるカガリの身体に夢中で腰を振り続けた。
それは、今まで経験したことのない程の快感。
身体の中心が高揚して、何も考えられなくなる。
ただ快感だけが欲しくて、頂点を目指して駆け抜ける。
それでも頭の片隅では、分かっていた。
この夢のような時間が終わったら、もう自分たちは以前のようには戻れないのだと。
苦しく辛い悪夢のような生活が待っているのだと。
だから、限界ぎりぎりまでこの白昼夢に浸っていたかった。
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