第一夜
こんな風に、この日を迎えるだなんて、思いもしなかった
「おめでとうございます、アスラン」
鈴を鳴らすような声でそう言われて、アスランは一瞬反応ができなかった。
桃色の髪の少女を前にして、胸が詰まり、思考が停止してしまったからだ。
「カガリさんは、とても可愛らしい方ですもの。それに、とても素直な方。アスランが好意を持つのも当然ですわね」
ラクスは嬉しそうに笑うと、目線をアスランの先に向けた。
目の前の少女を凝視していたアスランも、無意識に同じ方向へと目線を向ける。
その目線の先には、友人たちに囲まれて談笑している、金髪の少女が居た。
今日はアスランとカガリの婚約披露パーティーだった。
プラント評議会議長の息子であるアスランと、地球で絶対的な力を持つオーブ代表の娘であるカガリ。
この二人の結婚は、まさにコーディネーターとナチュラルの友和を象徴するものであり、プラントと地球双方から大いに祝福されるものであった。
二人の結婚によりプラントと地球の関係は良好なものになり、ゆくゆくは双方の利益と発展へと繋がっていく。
そう、これはどこからどうみても理想的な結婚のはずなのだ。
それなのに、主役であるアスランの心は重く暗かった。
その原因は、目の前の可憐な少女にあった。
「アスランも心から愛する人を見つけることができて、本当に良かったですわ」
心からそう思っているというような、感情の籠ったラクスの言葉に、アスランの身体が強張った。
けれでもラクスはアスランの変化に気が付かぬまま、無邪気に言葉を続ける。
「今なら分かります。わたくしたちの関係は、まるで子供の遊びでしたのね」
ラクスの見た目と同じ可憐な声で発せられたその言葉はしかし、アスランの心を深く抉った。
(子供の遊び・・・?)
今の言葉を、アスランは胸のなかで反芻する。
(違う、決してそんなものではなかった。俺は、俺は君のことが本当に・・・)
「おめでとうございます、アスラン」
鈴を鳴らすような声でそう言われて、アスランは一瞬反応ができなかった。
桃色の髪の少女を前にして、胸が詰まり、思考が停止してしまったからだ。
「カガリさんは、とても可愛らしい方ですもの。それに、とても素直な方。アスランが好意を持つのも当然ですわね」
ラクスは嬉しそうに笑うと、目線をアスランの先に向けた。
目の前の少女を凝視していたアスランも、無意識に同じ方向へと目線を向ける。
その目線の先には、友人たちに囲まれて談笑している、金髪の少女が居た。
今日はアスランとカガリの婚約披露パーティーだった。
プラント評議会議長の息子であるアスランと、地球で絶対的な力を持つオーブ代表の娘であるカガリ。
この二人の結婚は、まさにコーディネーターとナチュラルの友和を象徴するものであり、プラントと地球双方から大いに祝福されるものであった。
二人の結婚によりプラントと地球の関係は良好なものになり、ゆくゆくは双方の利益と発展へと繋がっていく。
そう、これはどこからどうみても理想的な結婚のはずなのだ。
それなのに、主役であるアスランの心は重く暗かった。
その原因は、目の前の可憐な少女にあった。
「アスランも心から愛する人を見つけることができて、本当に良かったですわ」
心からそう思っているというような、感情の籠ったラクスの言葉に、アスランの身体が強張った。
けれでもラクスはアスランの変化に気が付かぬまま、無邪気に言葉を続ける。
「今なら分かります。わたくしたちの関係は、まるで子供の遊びでしたのね」
ラクスの見た目と同じ可憐な声で発せられたその言葉はしかし、アスランの心を深く抉った。
(子供の遊び・・・?)
今の言葉を、アスランは胸のなかで反芻する。
(違う、決してそんなものではなかった。俺は、俺は君のことが本当に・・・)