美味しい料理はハートも掴む
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「そういう気持ちだとか感情とは無縁に今まで生きてきたから俺には分からねぇんだろうな」
ティーカップから口を離したリヴァイ兵長は何処を見詰めるともなく視線を手にしているティーカップへ向けながら小さな声でそう呟いた。きっと過去に何かあったのかも分からないが今まで話してきたリヴァイ兵長からは何となくそんな感じなのだろうとは感じていた。
けれど仲間や部下を想う気持ちはとても強く、厚い信頼や尊敬を周りから抱かれているというのは食堂の兵士達からは聞いていた。だから悪い人ではないのだろうという事もこの何年かで分かった。
私も家族に対する愛情だとか、誰かと人生を共に歩みたいと思うような感情についてはどうにも分からない。理解したいとは思うし私も人並みに愛を感じてみたいと思うのだが形あるものとは違って理解しようと掴もうとしても私の手からすり抜けていってしまい、一向にその真髄が掴めそうにない。
きっとリヴァイ兵長のそれとも同じ様なものなのだろう。それぞれが歩んできた道で得たもの失ったものというのは等しく同じで無い事は確かだから。
「じゃあ、これから知っていけば良いんじゃないですか?」
いつの間にかキッチンのテーブルの隅に追いやられてしまった、リヴァイ兵長が淹れた紅茶が入ったティーカップを引き寄せながら私はそう提案してみた。
「どうやってだ」
「うーん、そうですね…、実践あるのみです」
分からない事は実際に自分の目で耳で身体で体験するのが一番手っ取り早い。それでも分からない事というものは多々存在するし、理解できない事も同じく存在する。
だが何もしないで分からない事をそのままにしておくよりも何か行動を起こしてみた方が良いのではないか。
それで何か掴めるものがあったのなら儲けものじゃないか。
私は、リヴァイ兵長の顔を再び覗き込みながら先程引き寄せたティーカップを手に持つと、空いている手でリヴァイ兵長が手にしているティーカップを奪い取った。
もう中の紅茶が半分以上減っているリヴァイ兵長のティーカップに、隅に追いやられていた方のまだたっぷりと中身を保っているティーカップから零さない様に慎重に、紅茶を注いだ。
もう半分以下しか残っていなかったティーカップに新たに紅茶が注がれ、再びリヴァイ兵長のティーカップは紅茶で溢れた。
きっと味はリヴァイ兵長の追い求めている理想の味からは、混ざってしまった事により少し離れてしまっているのかもしれない。
けれど反対に考えると混ざり合った事により理想の味に近づけているというのもまた事実ではないだろうか。
「上手くいかなかったとしても、こうして二人分混ぜれば少しは良くなると思うんです。こうやって共有すればいつかは理想の味になれるんじゃないでしょうか」
リヴァイ兵長に、混ざった紅茶が入ったティーカップを返せば少し躊躇った後に受け取ってくれた。
少し驚いた様な顔をするその表情が新鮮で面白くて私は笑いながら「飲んでみてください」と促した。
リヴァイ兵長は一つ瞬きをするとティーカップの中の紅茶をじっと見詰めた後、ゆっくりと口を付けた。柄にも無い事をしただろうかと我ながら少し恥ずかしくなり、照れ隠しに私も余った紅茶に口を付けて一口飲み込んだ。
確かにリヴァイ兵長の淹れた紅茶は私の淹れたものとは味が違っている事は確かだが、これはこれで一つの美味しい紅茶だとは思った。でもその微々たる味の違いがきっと、想いという名のおまじないがかかっているかいないかの違いなのではないだろうか。
「確かに、そうかもしれねぇな」
ティーカップから口を離したリヴァイ兵長は隣で小さく呟いた。その表情をそっと伺うとほんの少しだけ、ふっと表情を緩めたのが見えたので「じゃあ次紅茶を淹れる時、そこにほんの少しだけでもいいので留意して淹れてみてくださいね」とアドバイスしながら滅多にお目にかかれない、少し柔らかい表情のリヴァイ兵長の顔を目に焼き付けたのだった。
「リヴァイ兵長って、誰か大事な方とかいるんですか?」
「…」
その後、ソファーに座り余った紅茶を消費しながら、想いを込めるのはきっと身近な大事な人辺りが無難だろうかと思ったので、少し気になった私は何となしに聞いてみたのだがリヴァイ兵長から返ってきたのは無言だった。
これは言いたくないのか、はたまた居ないのかどちらとも取れるので困ってしまった私は「あっ…、えっと、もし居ないようでしたら取り敢えずは私に美味しく飲んでもらいたい、って気持ちでもいいですよ」と助け舟を出すも盛大な舌打ちが聞こえてきたので恐らく後者だったのだろう。我ながらフォローが下手くそだったと反省した。
食堂で働いていると、リヴァイ兵長に密かに想いを寄せる兵士が一定数居るとは噂でちょこちょこと耳にしていたのできっとモテないというわけではないのだろうが、本人が自覚していないというのもありそうだし無事生きて帰れるかも分からない調査兵団の兵士という立場、想いを寄せる子も表立って何かをするという事は無いのかもしれない。
でもそんな素敵な想いが抱ける事は純粋にとても羨ましく、とても綺麗なものだと思った。
そんなリヴァイ兵長の隣、紅茶を口にする横顔をぼうっと眺めていたが、人一人優に殺していそうな怖い顔はしているものの整った顔立ちをしているのだなと初めて気が付いた。普段まじまじとリヴァイ兵長の顔なんかは見ないもので、怒られそうだがこの機会にとまじまじと観察をしてみる事にした。
少し長めの前髪が顔を少し下にすると目元にさらりとかかり、男性にしてはサラサラと指通りの良さそうな細い綺麗な黒い髪の毛の隙間から垣間見える涼し気な目元から見える瞳は髪の毛と同じくしっとりと艶があり綺麗な黒色だった。成る程…、これが世間で言うカッコ良いにあたるのだろうか。
「…おい、テメェは何をジロジロ見てやがんだ気色悪ぃな」
「いたぁい…!」
案の定怒られた。先程食堂でハンジさんがやられていた様に、頭を片手で鷲掴みにされギリギリと締め上げられ、やはりハンジさんと同じ様に悲鳴が出た。
一旦手に持っていたティーカップは何とか机の上に置き、引き剥がそうとリヴァイ兵長の腕を掴むもびくともしない。
「人の顔をジロジロ見るのは失礼でしたぁ!!痛いですごめんなさい、離してください…」
「お前はいつも俺に対して失礼だがな」
顔を歪めて必死に懇願する私が相当面白かったのかリヴァイ兵長は鼻で笑いながら頭を掴む手の力を緩めると話す間際、梳く様に指の間にさらりと髪の毛を通してから手を離した。
そんな優しい手付きも出来たのかと思いつつもジンジンと痛む頭を押さえながら、そう言えば私に用事とは紅茶の件だけだったのだろうかと思い出した。
「そう言えば、用事って紅茶の事だけだったんですか…?」
頭を摩りながら首を傾げて質問すればリヴァイ兵長はソファーから立ち上がり、様々な書類が乗っている机へと歩いて行った。
そこで何か小さな小袋を手に取ると再度此方へと戻ってきて、ソファーへと座り直したリヴァイ兵長はその小袋を私に差し出した。
「エルヴィンから渡しておけと頼まれたものだ。クソ程どうでも良かったから忘れちまう所だった」
…エルヴィン団長にそんな事を言えるのはきっとリヴァイ兵長だけだろう。私は苦笑いをしながら悪びれた様子も無く差し出してきた小袋を受け取ればその小袋をまじまじと眺めた。
白い袋の口には黒いリボンが巻かれており、落ち着いた見た目ながらもとても可愛らしかった。
「あの、開けても良いですか?」
「知るか、俺に聞くんじゃねぇよ。開けたきゃ勝手に開けろ」
それもそうだとワクワクしながらリボンを解いて袋を開けると中には金色の小さなティースプーンと折り畳んだ手紙が入っていた。
汚れも傷も一つ無いピカピカのティースプーンを取り出すと、室内のランプの灯りが反射して眩しい程にキラキラと綺麗に輝いている。
持ち手の天辺の部分は鍵の形をしており、とても可愛らしい見た目に心が奪われた程だ。
入っていた手紙を開けて読んでみると、先日の当たりを入れたビスコッティのお礼だという。多忙な為手渡し出来ずすまないという謝罪と味の感想が事細かに書かれており、野戦食料よりも美味しくて良かった、野戦食料の代わりとなるか検討してみたいとの旨も書かれていた。
最後にただ一つ、硬すぎると感想が添えられており思わず笑ってしまった。
今度、エルヴィン団長が忙しくない時…、お酒の席の時にでもワインに浸して食べるという方法をオススメしようと思ったのだった。
それにしても、ただの試作として配っただけなのだがそれに釣り合わない程のこんなにも素敵なお礼を貰っても良かったのだろうかと心配になったが、それ以上に嬉しさが溢れ私の頬は緩みっぱなしだった。
こんな風に誰かから物をプレゼントしてもらうという事が全く無かった私にはとても嬉しい出来事で、それに加えて見返りを求めずただの親切心で作った物が美味しいと称賛され反応が返ってくるというのはこの上なく嬉しいものである。
あまりにも嬉し過ぎてリヴァイ兵長に自慢してみたりしたが鬱陶しそうに「うるせぇな…、テメェはとっとと寝ろ」と言われ、私の緩みに緩んだ頬を思い切り抓られただけだった。
ティーカップから口を離したリヴァイ兵長は何処を見詰めるともなく視線を手にしているティーカップへ向けながら小さな声でそう呟いた。きっと過去に何かあったのかも分からないが今まで話してきたリヴァイ兵長からは何となくそんな感じなのだろうとは感じていた。
けれど仲間や部下を想う気持ちはとても強く、厚い信頼や尊敬を周りから抱かれているというのは食堂の兵士達からは聞いていた。だから悪い人ではないのだろうという事もこの何年かで分かった。
私も家族に対する愛情だとか、誰かと人生を共に歩みたいと思うような感情についてはどうにも分からない。理解したいとは思うし私も人並みに愛を感じてみたいと思うのだが形あるものとは違って理解しようと掴もうとしても私の手からすり抜けていってしまい、一向にその真髄が掴めそうにない。
きっとリヴァイ兵長のそれとも同じ様なものなのだろう。それぞれが歩んできた道で得たもの失ったものというのは等しく同じで無い事は確かだから。
「じゃあ、これから知っていけば良いんじゃないですか?」
いつの間にかキッチンのテーブルの隅に追いやられてしまった、リヴァイ兵長が淹れた紅茶が入ったティーカップを引き寄せながら私はそう提案してみた。
「どうやってだ」
「うーん、そうですね…、実践あるのみです」
分からない事は実際に自分の目で耳で身体で体験するのが一番手っ取り早い。それでも分からない事というものは多々存在するし、理解できない事も同じく存在する。
だが何もしないで分からない事をそのままにしておくよりも何か行動を起こしてみた方が良いのではないか。
それで何か掴めるものがあったのなら儲けものじゃないか。
私は、リヴァイ兵長の顔を再び覗き込みながら先程引き寄せたティーカップを手に持つと、空いている手でリヴァイ兵長が手にしているティーカップを奪い取った。
もう中の紅茶が半分以上減っているリヴァイ兵長のティーカップに、隅に追いやられていた方のまだたっぷりと中身を保っているティーカップから零さない様に慎重に、紅茶を注いだ。
もう半分以下しか残っていなかったティーカップに新たに紅茶が注がれ、再びリヴァイ兵長のティーカップは紅茶で溢れた。
きっと味はリヴァイ兵長の追い求めている理想の味からは、混ざってしまった事により少し離れてしまっているのかもしれない。
けれど反対に考えると混ざり合った事により理想の味に近づけているというのもまた事実ではないだろうか。
「上手くいかなかったとしても、こうして二人分混ぜれば少しは良くなると思うんです。こうやって共有すればいつかは理想の味になれるんじゃないでしょうか」
リヴァイ兵長に、混ざった紅茶が入ったティーカップを返せば少し躊躇った後に受け取ってくれた。
少し驚いた様な顔をするその表情が新鮮で面白くて私は笑いながら「飲んでみてください」と促した。
リヴァイ兵長は一つ瞬きをするとティーカップの中の紅茶をじっと見詰めた後、ゆっくりと口を付けた。柄にも無い事をしただろうかと我ながら少し恥ずかしくなり、照れ隠しに私も余った紅茶に口を付けて一口飲み込んだ。
確かにリヴァイ兵長の淹れた紅茶は私の淹れたものとは味が違っている事は確かだが、これはこれで一つの美味しい紅茶だとは思った。でもその微々たる味の違いがきっと、想いという名のおまじないがかかっているかいないかの違いなのではないだろうか。
「確かに、そうかもしれねぇな」
ティーカップから口を離したリヴァイ兵長は隣で小さく呟いた。その表情をそっと伺うとほんの少しだけ、ふっと表情を緩めたのが見えたので「じゃあ次紅茶を淹れる時、そこにほんの少しだけでもいいので留意して淹れてみてくださいね」とアドバイスしながら滅多にお目にかかれない、少し柔らかい表情のリヴァイ兵長の顔を目に焼き付けたのだった。
「リヴァイ兵長って、誰か大事な方とかいるんですか?」
「…」
その後、ソファーに座り余った紅茶を消費しながら、想いを込めるのはきっと身近な大事な人辺りが無難だろうかと思ったので、少し気になった私は何となしに聞いてみたのだがリヴァイ兵長から返ってきたのは無言だった。
これは言いたくないのか、はたまた居ないのかどちらとも取れるので困ってしまった私は「あっ…、えっと、もし居ないようでしたら取り敢えずは私に美味しく飲んでもらいたい、って気持ちでもいいですよ」と助け舟を出すも盛大な舌打ちが聞こえてきたので恐らく後者だったのだろう。我ながらフォローが下手くそだったと反省した。
食堂で働いていると、リヴァイ兵長に密かに想いを寄せる兵士が一定数居るとは噂でちょこちょこと耳にしていたのできっとモテないというわけではないのだろうが、本人が自覚していないというのもありそうだし無事生きて帰れるかも分からない調査兵団の兵士という立場、想いを寄せる子も表立って何かをするという事は無いのかもしれない。
でもそんな素敵な想いが抱ける事は純粋にとても羨ましく、とても綺麗なものだと思った。
そんなリヴァイ兵長の隣、紅茶を口にする横顔をぼうっと眺めていたが、人一人優に殺していそうな怖い顔はしているものの整った顔立ちをしているのだなと初めて気が付いた。普段まじまじとリヴァイ兵長の顔なんかは見ないもので、怒られそうだがこの機会にとまじまじと観察をしてみる事にした。
少し長めの前髪が顔を少し下にすると目元にさらりとかかり、男性にしてはサラサラと指通りの良さそうな細い綺麗な黒い髪の毛の隙間から垣間見える涼し気な目元から見える瞳は髪の毛と同じくしっとりと艶があり綺麗な黒色だった。成る程…、これが世間で言うカッコ良いにあたるのだろうか。
「…おい、テメェは何をジロジロ見てやがんだ気色悪ぃな」
「いたぁい…!」
案の定怒られた。先程食堂でハンジさんがやられていた様に、頭を片手で鷲掴みにされギリギリと締め上げられ、やはりハンジさんと同じ様に悲鳴が出た。
一旦手に持っていたティーカップは何とか机の上に置き、引き剥がそうとリヴァイ兵長の腕を掴むもびくともしない。
「人の顔をジロジロ見るのは失礼でしたぁ!!痛いですごめんなさい、離してください…」
「お前はいつも俺に対して失礼だがな」
顔を歪めて必死に懇願する私が相当面白かったのかリヴァイ兵長は鼻で笑いながら頭を掴む手の力を緩めると話す間際、梳く様に指の間にさらりと髪の毛を通してから手を離した。
そんな優しい手付きも出来たのかと思いつつもジンジンと痛む頭を押さえながら、そう言えば私に用事とは紅茶の件だけだったのだろうかと思い出した。
「そう言えば、用事って紅茶の事だけだったんですか…?」
頭を摩りながら首を傾げて質問すればリヴァイ兵長はソファーから立ち上がり、様々な書類が乗っている机へと歩いて行った。
そこで何か小さな小袋を手に取ると再度此方へと戻ってきて、ソファーへと座り直したリヴァイ兵長はその小袋を私に差し出した。
「エルヴィンから渡しておけと頼まれたものだ。クソ程どうでも良かったから忘れちまう所だった」
…エルヴィン団長にそんな事を言えるのはきっとリヴァイ兵長だけだろう。私は苦笑いをしながら悪びれた様子も無く差し出してきた小袋を受け取ればその小袋をまじまじと眺めた。
白い袋の口には黒いリボンが巻かれており、落ち着いた見た目ながらもとても可愛らしかった。
「あの、開けても良いですか?」
「知るか、俺に聞くんじゃねぇよ。開けたきゃ勝手に開けろ」
それもそうだとワクワクしながらリボンを解いて袋を開けると中には金色の小さなティースプーンと折り畳んだ手紙が入っていた。
汚れも傷も一つ無いピカピカのティースプーンを取り出すと、室内のランプの灯りが反射して眩しい程にキラキラと綺麗に輝いている。
持ち手の天辺の部分は鍵の形をしており、とても可愛らしい見た目に心が奪われた程だ。
入っていた手紙を開けて読んでみると、先日の当たりを入れたビスコッティのお礼だという。多忙な為手渡し出来ずすまないという謝罪と味の感想が事細かに書かれており、野戦食料よりも美味しくて良かった、野戦食料の代わりとなるか検討してみたいとの旨も書かれていた。
最後にただ一つ、硬すぎると感想が添えられており思わず笑ってしまった。
今度、エルヴィン団長が忙しくない時…、お酒の席の時にでもワインに浸して食べるという方法をオススメしようと思ったのだった。
それにしても、ただの試作として配っただけなのだがそれに釣り合わない程のこんなにも素敵なお礼を貰っても良かったのだろうかと心配になったが、それ以上に嬉しさが溢れ私の頬は緩みっぱなしだった。
こんな風に誰かから物をプレゼントしてもらうという事が全く無かった私にはとても嬉しい出来事で、それに加えて見返りを求めずただの親切心で作った物が美味しいと称賛され反応が返ってくるというのはこの上なく嬉しいものである。
あまりにも嬉し過ぎてリヴァイ兵長に自慢してみたりしたが鬱陶しそうに「うるせぇな…、テメェはとっとと寝ろ」と言われ、私の緩みに緩んだ頬を思い切り抓られただけだった。