美味しい料理はハートも掴む
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どれほどの時間そうしていただろうか。時間が経ち冷静になってきた俺は大胆な事をしてしまった、いや今現在していると内心物凄く身悶えていた。
最近、アリス相手には大胆な行動をしてしまいがちだ。
解散式の後も食べかけのクッキーを奪い取ったり、頬や頭に触れる様な事もした。あの時はカッコ良く決めて立ち去ったがあの後今と同じ様に身悶えてしまった。
酷く弱々しい様子に咄嗟に守ってやらなければと身体が動いたが、付き合っているわけでもないのにこんなに密着してしまっても良かったのだろうか、キザ過ぎやしなかったか等と半ば後悔にも似た気持ちが沸いてきてアリスの身体をそっと離そうと肩に手を置きゆっくりと軽く押せば
「ちょ、ちょっとまって…!」
「なっ…、な!?」
アリスが焦った声を出し、慌てて俺の胸元にしがみ付いてきたのだ。
更に身体が密着した事と、まさかアリスの方からしがみ付いてくるとは思っていなかった俺はパニック状態になっていた。
これはひょっとして良い雰囲気に…!?と期待したのも束の間、アリスは手の甲でごしごしと目元を拭った後勢い良く俺から離れた。
「もう大丈夫!ごめんね、ありがとう」
きっと泣いていたのを無理に擦って止めたのかアリスの目は少しだけ赤く、頬はしっとりと濡れていた。
俺から離れ、顔を上げたアリスの顔は未だ少し弱々しく悲し気な色をしていたが先程よりも少し、ほんの少しだけだが元気を取り戻した様だった。
「お前、泣いて…」
「泣いてない…!」
俺の言葉を勢い良く遮ったアリスは居心地が悪そうに眉を下げている。
…あぁ、泣いている事を知られたくないタイプだったか、などと展開的には期待できなかったと若干落胆しつつも、そんな様子では一人で悲しみも苦痛も抱え込んでいずれ心が悲鳴を上げてしまうと思った俺は口を開いた。
「お前、一人で抱え込むといつかダメになるぞ。もっと人に縋れ、言葉でも何でもいいから吐き出せ。辛かったり苦しかったりしたら上手くガス抜きしろよ」
そんな俺の言葉を聞いてアリスは驚いた様に瞳を見開いた後
「…マルコと同じ様な事言ってる」
と困った様に小さく笑った。
今度は俺が驚く番だった。まさか俺もマルコと似た様な事を言っただなんて。
俺とアリスの中でマルコという男の存在は案外大きく、繋がりがあったのだと気が付いた。絆されて同じ様な思考になってしまっていたのか、嬉しい様な悲しい様なーーーー…。
「マルコの事、忘れないでやってくれ」
どんな最期だったかも分からず、誰も見ていない所で人知れず死んだマルコだったからこそ余計に忘れたくないしアリスにも忘れてほしくないと思った。
これ以上傷口に塩を塗る様な言葉は今はかけたくなくて、立体機動装置を付けていなかった、という不審な点は今だけ飲み込み縋る様な思いでアリスの瞳を見詰めて懇願した。
きっとアリスはマルコの事を忘れる様な事は無いだろうけれど、これだけはただひたすらに切な願いだった。
「マルコの事も、話した事も思い出も全部、忘れない。忘れたくないな」
俺の瞳を真っ直ぐに見詰め返し、頷いたアリスの瞳はとても真剣な色を帯びていて。
マルコの死を伝えた直後は疲れ切ったアリスの心に余計に追い討ちをかける様な事を言っても良かったのだろうかと後悔の念も沸いていたが今のアリスの様子からしてきっと大丈夫だろう。
涙を堪え必死に笑顔を見せようとする儚くも凛々しい彼女の事だ、きっとーーーー…きっとマルコの死を乗り越え強くなっていけるだろう。
もし、今後彼女の心が耐え切れず折れて壊れそうになってしまう出来事が降り掛かれば支えになってやりたい、…それから守ってやりたいと思うこの感情は果たして何なのだろうか。
トロスト区から帰還した後調査兵団に入ると自分で選択し、決心したのはきっと間違いなどではないだろう。
後悔はするかもしれないが、憲兵団として内地で安全に暮らした所で大事なものを守れはしない。
何も出来ず何も守れず弱いままの非力な自分を呪う後悔の方がもっと味わいたくはない。
俺は兵士として、大事なものをーーーー…守りたいと思ったものを守れるよう強くなる。
調査兵団として人類の為に心臓を捧げ、巨人と対峙しなければならないという事は正直怖くて怖くて仕方が無いが、それ以上に俺は強くなりたい、…いや強くなってみせる。
今、何をすべきかを見据えて。
最近、アリス相手には大胆な行動をしてしまいがちだ。
解散式の後も食べかけのクッキーを奪い取ったり、頬や頭に触れる様な事もした。あの時はカッコ良く決めて立ち去ったがあの後今と同じ様に身悶えてしまった。
酷く弱々しい様子に咄嗟に守ってやらなければと身体が動いたが、付き合っているわけでもないのにこんなに密着してしまっても良かったのだろうか、キザ過ぎやしなかったか等と半ば後悔にも似た気持ちが沸いてきてアリスの身体をそっと離そうと肩に手を置きゆっくりと軽く押せば
「ちょ、ちょっとまって…!」
「なっ…、な!?」
アリスが焦った声を出し、慌てて俺の胸元にしがみ付いてきたのだ。
更に身体が密着した事と、まさかアリスの方からしがみ付いてくるとは思っていなかった俺はパニック状態になっていた。
これはひょっとして良い雰囲気に…!?と期待したのも束の間、アリスは手の甲でごしごしと目元を拭った後勢い良く俺から離れた。
「もう大丈夫!ごめんね、ありがとう」
きっと泣いていたのを無理に擦って止めたのかアリスの目は少しだけ赤く、頬はしっとりと濡れていた。
俺から離れ、顔を上げたアリスの顔は未だ少し弱々しく悲し気な色をしていたが先程よりも少し、ほんの少しだけだが元気を取り戻した様だった。
「お前、泣いて…」
「泣いてない…!」
俺の言葉を勢い良く遮ったアリスは居心地が悪そうに眉を下げている。
…あぁ、泣いている事を知られたくないタイプだったか、などと展開的には期待できなかったと若干落胆しつつも、そんな様子では一人で悲しみも苦痛も抱え込んでいずれ心が悲鳴を上げてしまうと思った俺は口を開いた。
「お前、一人で抱え込むといつかダメになるぞ。もっと人に縋れ、言葉でも何でもいいから吐き出せ。辛かったり苦しかったりしたら上手くガス抜きしろよ」
そんな俺の言葉を聞いてアリスは驚いた様に瞳を見開いた後
「…マルコと同じ様な事言ってる」
と困った様に小さく笑った。
今度は俺が驚く番だった。まさか俺もマルコと似た様な事を言っただなんて。
俺とアリスの中でマルコという男の存在は案外大きく、繋がりがあったのだと気が付いた。絆されて同じ様な思考になってしまっていたのか、嬉しい様な悲しい様なーーーー…。
「マルコの事、忘れないでやってくれ」
どんな最期だったかも分からず、誰も見ていない所で人知れず死んだマルコだったからこそ余計に忘れたくないしアリスにも忘れてほしくないと思った。
これ以上傷口に塩を塗る様な言葉は今はかけたくなくて、立体機動装置を付けていなかった、という不審な点は今だけ飲み込み縋る様な思いでアリスの瞳を見詰めて懇願した。
きっとアリスはマルコの事を忘れる様な事は無いだろうけれど、これだけはただひたすらに切な願いだった。
「マルコの事も、話した事も思い出も全部、忘れない。忘れたくないな」
俺の瞳を真っ直ぐに見詰め返し、頷いたアリスの瞳はとても真剣な色を帯びていて。
マルコの死を伝えた直後は疲れ切ったアリスの心に余計に追い討ちをかける様な事を言っても良かったのだろうかと後悔の念も沸いていたが今のアリスの様子からしてきっと大丈夫だろう。
涙を堪え必死に笑顔を見せようとする儚くも凛々しい彼女の事だ、きっとーーーー…きっとマルコの死を乗り越え強くなっていけるだろう。
もし、今後彼女の心が耐え切れず折れて壊れそうになってしまう出来事が降り掛かれば支えになってやりたい、…それから守ってやりたいと思うこの感情は果たして何なのだろうか。
トロスト区から帰還した後調査兵団に入ると自分で選択し、決心したのはきっと間違いなどではないだろう。
後悔はするかもしれないが、憲兵団として内地で安全に暮らした所で大事なものを守れはしない。
何も出来ず何も守れず弱いままの非力な自分を呪う後悔の方がもっと味わいたくはない。
俺は兵士として、大事なものをーーーー…守りたいと思ったものを守れるよう強くなる。
調査兵団として人類の為に心臓を捧げ、巨人と対峙しなければならないという事は正直怖くて怖くて仕方が無いが、それ以上に俺は強くなりたい、…いや強くなってみせる。
今、何をすべきかを見据えて。