アイリス 番外編
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「いいですか、なまえさん。抑える手は猫の手ですよ」
今私達は、二人で台所に立ち昼食を作っている。
私の家事能力が皆無なことを零さんが心配して、急遽料理を教えてくれることになったのだ。
だがしかし、問題は教え方だった。
てっきり零さんはスパルタだと思っていたのだが、真逆でまさに手取り足取り。
ミネストローネに使うトマトを切るのだが、包丁を握った私の後ろに立った零さんはそのまま私の手ごと包丁を握った。
まるで抱きしめられているような体制で、しかも耳元で零さんの声がするから全く集中できない。
きっとこのトマトのように、私の顔は真っ赤だろう。
「...あの、零さんちょっと...」
この体制に耐えられなくて、零さんの名前を呼んだ。
しかし彼は、どうしました?なんて言いながら、あろうことか更に顔を近づけ私の顔を後ろから覗き込んできた。
「いや、ちょっと近すぎてやりづらいかなぁって...」
「なまえさんが手を切ったら大変ですから、少しだけ我慢して下さい」
そう言われたら、私は頷くしかない。
やっとトマトを切り終わった頃には、私はもうヘトヘトだった。
それから一時間後、ミネストローネとサンドイッチが完成した。
「「いただきます」」
二人で手を合わせてから、食べ始める。
「なまえさん、ミネストローネもサンドイッチも上手に出来ましたね」
美味しいです、と言って零さんは微笑んだ。
だが、実際はほとんど零さんが作ったようなもので、私はトマトを切ったのと食パンにハムとレタスを挟んだぐらいだ。
でも、零さんが美味しいと言ってくれるのは嬉しい。
これから頑張って、料理を覚えようか。
「零さんのおかげです。特にこのサンドイッチ、パンはフカフカだし、レタスはシャキシャキ、ハムはしっとりしてて、売ってるのより百倍美味しいです」
「ハハッ、そんなに気に入ってもらえて嬉しいな」
「これなら毎日食べたいし、今まで食べたサンドイッチの中で間違いなく世界一ですよ!お店で出せます!」
「じゃあ、もし僕がサンドイッチを作って売ったら本当に毎日くるのか?」
「もちろんです!絶対行きますよ!そしたら私はファン第一号ですね」
そうですね、なんて言って零さんは笑った。
いつか彼が喫茶ポアロで働くその時に私は一体どうなっているのだろう?
できるなら、このままずっと彼のそばにいたい。
いつか、このサンドイッチが喫茶ポアロの人気メニュー「ハムサンド」になる日を楽しみにしながら、私はまた一口サンドイッチに齧り付いた。
今私達は、二人で台所に立ち昼食を作っている。
私の家事能力が皆無なことを零さんが心配して、急遽料理を教えてくれることになったのだ。
だがしかし、問題は教え方だった。
てっきり零さんはスパルタだと思っていたのだが、真逆でまさに手取り足取り。
ミネストローネに使うトマトを切るのだが、包丁を握った私の後ろに立った零さんはそのまま私の手ごと包丁を握った。
まるで抱きしめられているような体制で、しかも耳元で零さんの声がするから全く集中できない。
きっとこのトマトのように、私の顔は真っ赤だろう。
「...あの、零さんちょっと...」
この体制に耐えられなくて、零さんの名前を呼んだ。
しかし彼は、どうしました?なんて言いながら、あろうことか更に顔を近づけ私の顔を後ろから覗き込んできた。
「いや、ちょっと近すぎてやりづらいかなぁって...」
「なまえさんが手を切ったら大変ですから、少しだけ我慢して下さい」
そう言われたら、私は頷くしかない。
やっとトマトを切り終わった頃には、私はもうヘトヘトだった。
それから一時間後、ミネストローネとサンドイッチが完成した。
「「いただきます」」
二人で手を合わせてから、食べ始める。
「なまえさん、ミネストローネもサンドイッチも上手に出来ましたね」
美味しいです、と言って零さんは微笑んだ。
だが、実際はほとんど零さんが作ったようなもので、私はトマトを切ったのと食パンにハムとレタスを挟んだぐらいだ。
でも、零さんが美味しいと言ってくれるのは嬉しい。
これから頑張って、料理を覚えようか。
「零さんのおかげです。特にこのサンドイッチ、パンはフカフカだし、レタスはシャキシャキ、ハムはしっとりしてて、売ってるのより百倍美味しいです」
「ハハッ、そんなに気に入ってもらえて嬉しいな」
「これなら毎日食べたいし、今まで食べたサンドイッチの中で間違いなく世界一ですよ!お店で出せます!」
「じゃあ、もし僕がサンドイッチを作って売ったら本当に毎日くるのか?」
「もちろんです!絶対行きますよ!そしたら私はファン第一号ですね」
そうですね、なんて言って零さんは笑った。
いつか彼が喫茶ポアロで働くその時に私は一体どうなっているのだろう?
できるなら、このままずっと彼のそばにいたい。
いつか、このサンドイッチが喫茶ポアロの人気メニュー「ハムサンド」になる日を楽しみにしながら、私はまた一口サンドイッチに齧り付いた。
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