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「そうですね。ですが、僕にとってはこの景色よりも、あなたの方がずっと綺麗に見えます」
やめて...
「なまえさん、俺はあなたを守りたい。例え、あなたがどれだけ嘘をついていたとしても、どれだけ真実を隠そうとも、俺はあなたを信じている。どんな時も俺はこの手をあなたに伸ばす。何があっても、俺はあなたの味方でいたいんだ」
それ以上、言わないで...
「なまえさん、好きです」
あぁ、あなたへの想いが溢れてしまう...
その想いは涙となって私の頬を伝っていく。
「泣かないで、なまえさん」
「なん、で...」
"責めないの?"
その疑問は、それ以上言葉にならなかった。
零さんはずっと前から、私の嘘に気づいていた。
本当は問い詰めたかっただろうに、それをしないで零さんは黙っていた。
気づいていながら、何も言わずに見守っていてくれたのだ。
「抱きしめてもいいですか?」
零さんは私を真っ直ぐに見つめて、そう問いかけてきた。
私の顔は涙でぐちゃぐちゃになっている事だろう。それでも私も零さんの顔を真っ直ぐに見つめ返した。
今ここで頷いてしまったら、私はもう戻れない。
もしかしたら、今日ここで頷いた事を死ぬほど後悔する時がくるかもしれない。
それでも、私は頷かずにはいられなかった。
私の心も体も全てが彼を、降谷零を求めていた。
「抱きしめて、下さい...」
小さく呟いた瞬間、零さんはフッと笑うと私の腕を掴み力強く引き寄せた。
ギュッと強く抱きしめられると、この世界の全てから守られているような、そんな錯覚を覚えるくらい彼の腕の中は安心した。
「ずっと、こうしたかった...」
苦しいほどに抱き締められて、零さんはまるで絞り出すような切ない声で呟いた。
なんて愛しいのだろう。自分より大切な存在がいて、しかもその相手とこうして同じ気持ちで触れ合える事が、どれだけ尊い事か...
まさかあの降谷零が、こんな私なんかを好きになってくれるなんて天地がひっくり返ってもあり得ないと思っていた。
そっと体が離れて見えた零さんの顔はとても優しい表情をしていて、それを見てしまったら、もう自分の気持ちを抑える事はできなかった。
何度も何度も押し込めてきたものは、もう留まる事を知らない。
「零さん...あなたが好きです。大好きです。嘘をついて、ごめんなさい」
きっと、たくさん傷つけた。
ヒロさんを失って、居なくならないで...とそう言った零さんの前から私はその夜に消えた。
私からしたら、3ヶ月程の時間だったが、こちらの世界では3年もの月日が流れていて、その長い時間彼を一人にした。
あげく、やっと戻ってきたら記憶喪失だと嘘をついてまた傷つけた。
よく考えたら、私のした事はなんて酷いのだろうか。
それなのに、零さんは私をまた優しく抱きしめて子供をあやす様に背中を撫でてくれた。
「零さん」
「はい」
「あの...怒って、ないんですか...?」
「もちろん怒ってますよ」
ん?
いや、酷い事をしたのは私だから、零さんが怒るのは当たり前なんだけど、零さんの言ってることと行動が合っていない気がするのは気のせいだろうか。
しかし、零さんは、でも...と続けた。
「今は、あなたとこうして一緒に居られることが何よりも嬉しい。だから、その話はまた後で」
零さんは世界中の女性を虜にしてしまいそうな微笑みを浮かべていて、私の胸はキュンと高鳴る。
こんなに綺麗な夕日も海も零さんの微笑みの前では霞んで見えて、もう私の瞳には彼しか映らなかった。
「なまえさん、海が綺麗ですね」
零さんは私の目をじっと見つめて、そう呟いた。
物知りな零さんが、もう一つの意味を知らないはずがない。
今だけは、自惚れてもいいのだろうか...?
「少し...肌寒いですね」
期待と不安が半分半分になって、私は小さな声で答えたが、零さんにはちゃんと聞こえたようだ。
クスリと笑う声がして、私の手は暖かく大きな手に包まれた。
今が夕方で良かった。
多分私の顔は赤くなっているけれど、夕日のおかげできっと分からない。
顎に手を添えられて、私は目を閉じることも忘れて零さんに見入ってしまう。
夕日の光が零さんによって遮られ、やがてゆっくりと私達の影は重なった。
それはまるで子どものような、一瞬触れただけのものだったけど、幸せを感じるには十分だった。
「なまえさん、愛しています」
やめて...
「なまえさん、俺はあなたを守りたい。例え、あなたがどれだけ嘘をついていたとしても、どれだけ真実を隠そうとも、俺はあなたを信じている。どんな時も俺はこの手をあなたに伸ばす。何があっても、俺はあなたの味方でいたいんだ」
それ以上、言わないで...
「なまえさん、好きです」
あぁ、あなたへの想いが溢れてしまう...
その想いは涙となって私の頬を伝っていく。
「泣かないで、なまえさん」
「なん、で...」
"責めないの?"
その疑問は、それ以上言葉にならなかった。
零さんはずっと前から、私の嘘に気づいていた。
本当は問い詰めたかっただろうに、それをしないで零さんは黙っていた。
気づいていながら、何も言わずに見守っていてくれたのだ。
「抱きしめてもいいですか?」
零さんは私を真っ直ぐに見つめて、そう問いかけてきた。
私の顔は涙でぐちゃぐちゃになっている事だろう。それでも私も零さんの顔を真っ直ぐに見つめ返した。
今ここで頷いてしまったら、私はもう戻れない。
もしかしたら、今日ここで頷いた事を死ぬほど後悔する時がくるかもしれない。
それでも、私は頷かずにはいられなかった。
私の心も体も全てが彼を、降谷零を求めていた。
「抱きしめて、下さい...」
小さく呟いた瞬間、零さんはフッと笑うと私の腕を掴み力強く引き寄せた。
ギュッと強く抱きしめられると、この世界の全てから守られているような、そんな錯覚を覚えるくらい彼の腕の中は安心した。
「ずっと、こうしたかった...」
苦しいほどに抱き締められて、零さんはまるで絞り出すような切ない声で呟いた。
なんて愛しいのだろう。自分より大切な存在がいて、しかもその相手とこうして同じ気持ちで触れ合える事が、どれだけ尊い事か...
まさかあの降谷零が、こんな私なんかを好きになってくれるなんて天地がひっくり返ってもあり得ないと思っていた。
そっと体が離れて見えた零さんの顔はとても優しい表情をしていて、それを見てしまったら、もう自分の気持ちを抑える事はできなかった。
何度も何度も押し込めてきたものは、もう留まる事を知らない。
「零さん...あなたが好きです。大好きです。嘘をついて、ごめんなさい」
きっと、たくさん傷つけた。
ヒロさんを失って、居なくならないで...とそう言った零さんの前から私はその夜に消えた。
私からしたら、3ヶ月程の時間だったが、こちらの世界では3年もの月日が流れていて、その長い時間彼を一人にした。
あげく、やっと戻ってきたら記憶喪失だと嘘をついてまた傷つけた。
よく考えたら、私のした事はなんて酷いのだろうか。
それなのに、零さんは私をまた優しく抱きしめて子供をあやす様に背中を撫でてくれた。
「零さん」
「はい」
「あの...怒って、ないんですか...?」
「もちろん怒ってますよ」
ん?
いや、酷い事をしたのは私だから、零さんが怒るのは当たり前なんだけど、零さんの言ってることと行動が合っていない気がするのは気のせいだろうか。
しかし、零さんは、でも...と続けた。
「今は、あなたとこうして一緒に居られることが何よりも嬉しい。だから、その話はまた後で」
零さんは世界中の女性を虜にしてしまいそうな微笑みを浮かべていて、私の胸はキュンと高鳴る。
こんなに綺麗な夕日も海も零さんの微笑みの前では霞んで見えて、もう私の瞳には彼しか映らなかった。
「なまえさん、海が綺麗ですね」
零さんは私の目をじっと見つめて、そう呟いた。
物知りな零さんが、もう一つの意味を知らないはずがない。
今だけは、自惚れてもいいのだろうか...?
「少し...肌寒いですね」
期待と不安が半分半分になって、私は小さな声で答えたが、零さんにはちゃんと聞こえたようだ。
クスリと笑う声がして、私の手は暖かく大きな手に包まれた。
今が夕方で良かった。
多分私の顔は赤くなっているけれど、夕日のおかげできっと分からない。
顎に手を添えられて、私は目を閉じることも忘れて零さんに見入ってしまう。
夕日の光が零さんによって遮られ、やがてゆっくりと私達の影は重なった。
それはまるで子どものような、一瞬触れただけのものだったけど、幸せを感じるには十分だった。
「なまえさん、愛しています」