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「なまえさん、おはようございます!」
「おはようございます」
翌日、約束の時間ピッタリにマンションの前にRX-7が現れた。
ハザードを焚いて路肩に寄ると、零さんは運転席から降りて、助手席のドアを開けてくれた。
その際に、さり気なく私の荷物を奪って後部座席へ積んでくれるという気遣いまで完璧だ。
私は今日の海が楽しみでもあり、不安でもあった。
先日、赤井さんとコナンくんに私の秘密を話してから私の心はグラグラで、零さんに全てを話してしまいたい自分と話すべきではないと思っている自分とで揺れていた。
「今日の服も、とってもよく似合っていますよ」
「あ、ありがとうございます...」
サラッと褒めてくる零さんに、私の顔は一瞬で熱を帯びる。
分かっている、きっと安室透は女性に優しいから、誰のこともこうやって褒めるのだ。
私だからという訳じゃない。
そうと分かっていても、やはり心臓に悪い。
私はマンションから皆との待ち合わせ場所であるポアロまでの道のりが、遥か遠くに感じた。
「あ!安室お兄さーん、なまえお姉さーん!」
ポアロの前に着くと既に皆来ていて、私たちが来たことに歩美ちゃんがいち早く気づいて手を振ってくれた。
「おはよう、歩美ちゃん、みんな。今日はよろしくね!」
「みんな揃ったわね!それじゃあ、行きましょうか」
園子ちゃんの掛け声を合図に、みんながそれぞれの車に乗り込んでいく。
ちなみにRX-7は零さんと私、それからコナンくんと歩美ちゃんの4人だった。
零さんと2人きりじゃなかった事に、ほんの少しホッとして、もしかしてコナンくんがその辺りを考えて気を遣ってくれたのかなと思った。
道中は歩美ちゃんがしりとりをしようと言い出して、しりとりをしていた。
零さんとコナンくんは、案の定エグい攻め方をしてきたが、久々だった事もあって結構楽しかった。
皆でしりとりしたり話したりしているうちに、あっという間に2時間程が経って海が見えてきた。
海水浴客用の駐車場に着くと、どうやら私たちが最後に到着したようだ。
「うみだー!!なまえお姉さん、早く行こう!」
荷物を出していると歩美ちゃんが私の手を引いて走り出した。
「あんまり走ると危ないですよー」
後ろから零さんがそう声を掛けてきたが、歩美ちゃんの勢いは止まらず、そのまま砂浜まで駆け下りて行った。
凄い人混みだ...前に零さんと2人で来た時は、夏も終わりだった事もあり誰もいなかった。
「あ、なまえさーん、歩美ちゃーん!」
キョロキョロとみんなを探していると、向こうで蘭ちゃんが手を振ってくれていた。
水着は中に着てきたが、色々と準備があるため皆で一緒に更衣室に向かう。
「わぁ、なまえお姉さんの水着かわいいー」
「さっすが、あたしの見立てね!」
みんなに褒められて嬉しい反面、恥ずかしい。
だって顔もスタイルも普通だし、女子高生の眩しい肌とは違うのだ。
私は水着の上から持ってきていたパーカーを着た。
「えー、それ着ちゃうんですか?」
「だって、ちょっと恥ずかしいし日焼けするし...」
「ダメよ!なまえさん、脱ぎなさい!」
なぜ私は女子校生に怒られているのだろうか...
そして園子ちゃんに半ば剥ぎ取られるかのように、パーカーを奪われた。
「さぁ、いい男探しに行くわよ!あ、なまえさんは安室さんのとこに行くのよ!わかった?」
更衣室から出て張り切る園子ちゃんが、ほら!あそこよ!と指差した先には、スタイル抜群で美人なお姉様方に囲まれた零さんがいた。
零さんは安室透らしく、困ったような笑みを浮かべている。
その光景に私の顔は自分でも分かるくらいに引きつった。
安室透が強く断れない事くらい分かっている。それに彼は私のものじゃない。そんな事も分かってる。
それでも、心の中に黒くて汚い物がグルグルと渦巻いて苦しい。こんな気持ちは初めてで、どうやって消化すればいいのか分からない。
「いや、いいよ。私は歩美ちゃんと遊んでるから。ね、歩美ちゃん?」
「うん!あゆみ、なまえお姉さんとお城作りたい!」
私は零さんから逃げるように、歩美ちゃんの手を取って零さんがいる方向とは逆に歩き出した。なんだか自分が酷く嫌な人間になってしまったみたいで、惨めだった。
後ろから、蘭ちゃんの心配そうな声が聞こえたが私は気づかないふりをした。
「おはようございます」
翌日、約束の時間ピッタリにマンションの前にRX-7が現れた。
ハザードを焚いて路肩に寄ると、零さんは運転席から降りて、助手席のドアを開けてくれた。
その際に、さり気なく私の荷物を奪って後部座席へ積んでくれるという気遣いまで完璧だ。
私は今日の海が楽しみでもあり、不安でもあった。
先日、赤井さんとコナンくんに私の秘密を話してから私の心はグラグラで、零さんに全てを話してしまいたい自分と話すべきではないと思っている自分とで揺れていた。
「今日の服も、とってもよく似合っていますよ」
「あ、ありがとうございます...」
サラッと褒めてくる零さんに、私の顔は一瞬で熱を帯びる。
分かっている、きっと安室透は女性に優しいから、誰のこともこうやって褒めるのだ。
私だからという訳じゃない。
そうと分かっていても、やはり心臓に悪い。
私はマンションから皆との待ち合わせ場所であるポアロまでの道のりが、遥か遠くに感じた。
「あ!安室お兄さーん、なまえお姉さーん!」
ポアロの前に着くと既に皆来ていて、私たちが来たことに歩美ちゃんがいち早く気づいて手を振ってくれた。
「おはよう、歩美ちゃん、みんな。今日はよろしくね!」
「みんな揃ったわね!それじゃあ、行きましょうか」
園子ちゃんの掛け声を合図に、みんながそれぞれの車に乗り込んでいく。
ちなみにRX-7は零さんと私、それからコナンくんと歩美ちゃんの4人だった。
零さんと2人きりじゃなかった事に、ほんの少しホッとして、もしかしてコナンくんがその辺りを考えて気を遣ってくれたのかなと思った。
道中は歩美ちゃんがしりとりをしようと言い出して、しりとりをしていた。
零さんとコナンくんは、案の定エグい攻め方をしてきたが、久々だった事もあって結構楽しかった。
皆でしりとりしたり話したりしているうちに、あっという間に2時間程が経って海が見えてきた。
海水浴客用の駐車場に着くと、どうやら私たちが最後に到着したようだ。
「うみだー!!なまえお姉さん、早く行こう!」
荷物を出していると歩美ちゃんが私の手を引いて走り出した。
「あんまり走ると危ないですよー」
後ろから零さんがそう声を掛けてきたが、歩美ちゃんの勢いは止まらず、そのまま砂浜まで駆け下りて行った。
凄い人混みだ...前に零さんと2人で来た時は、夏も終わりだった事もあり誰もいなかった。
「あ、なまえさーん、歩美ちゃーん!」
キョロキョロとみんなを探していると、向こうで蘭ちゃんが手を振ってくれていた。
水着は中に着てきたが、色々と準備があるため皆で一緒に更衣室に向かう。
「わぁ、なまえお姉さんの水着かわいいー」
「さっすが、あたしの見立てね!」
みんなに褒められて嬉しい反面、恥ずかしい。
だって顔もスタイルも普通だし、女子高生の眩しい肌とは違うのだ。
私は水着の上から持ってきていたパーカーを着た。
「えー、それ着ちゃうんですか?」
「だって、ちょっと恥ずかしいし日焼けするし...」
「ダメよ!なまえさん、脱ぎなさい!」
なぜ私は女子校生に怒られているのだろうか...
そして園子ちゃんに半ば剥ぎ取られるかのように、パーカーを奪われた。
「さぁ、いい男探しに行くわよ!あ、なまえさんは安室さんのとこに行くのよ!わかった?」
更衣室から出て張り切る園子ちゃんが、ほら!あそこよ!と指差した先には、スタイル抜群で美人なお姉様方に囲まれた零さんがいた。
零さんは安室透らしく、困ったような笑みを浮かべている。
その光景に私の顔は自分でも分かるくらいに引きつった。
安室透が強く断れない事くらい分かっている。それに彼は私のものじゃない。そんな事も分かってる。
それでも、心の中に黒くて汚い物がグルグルと渦巻いて苦しい。こんな気持ちは初めてで、どうやって消化すればいいのか分からない。
「いや、いいよ。私は歩美ちゃんと遊んでるから。ね、歩美ちゃん?」
「うん!あゆみ、なまえお姉さんとお城作りたい!」
私は零さんから逃げるように、歩美ちゃんの手を取って零さんがいる方向とは逆に歩き出した。なんだか自分が酷く嫌な人間になってしまったみたいで、惨めだった。
後ろから、蘭ちゃんの心配そうな声が聞こえたが私は気づかないふりをした。