60 降谷side
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園子さんには、まんまとしてやられた。
なまえさんのスマホに来た園子さんからのメールを見た時は、おかしくて笑いが止まらなかった。
俺は自分で言うのも何だが、秘密が多い。
人に言えない事もたくさんあるし、仕事柄仕方ないのだが身分も本名も偽っている。
それなのに、なまえさんへの想いだけは、周囲にも分かるほどにダダ漏れらしい。
まぁ、今考えれば今日の海でなまえさんを助けた時もそうだし、前にポアロで僕の片思いだと言ったり、毛利先生に対してあからさまに嫉妬してしまったりと、結構分かりやすかったかもしれない。
「なまえさん、少しだけ浜辺を歩いてから帰りませんか?」
そう問いかければ、なまえさんは不思議そうな顔をしながらも了承してくれた。
夕方になり、海水浴場はだいぶ人も空いてきている。少し歩いた先には、おそらく誰もいないだろう。
なまえさんの手を握って2人でゆっくりと浜辺を歩いた。
今日彼女のこの小さな手を守る事が出来て、本当によかった。
なまえさんから目を離さないようにしていたつもりだったのに、女性達に囲まれてしまい気づいた時には見失ってしまっていた。
必死で探していたら、歩美ちゃんが泣きながら助けを求めてきた時には肝が冷えた。
だから、あの時あと一瞬でも見つけるのが遅かったら...そう考えただけで数時間たった今でも恐ろしくなる。
「綺麗ですね」
夕日に照らされた海を眺めながら歩いていると、なまえさんがポツリと呟いた。
「そうですね。ですが、僕にとってはこの景色よりも、あなたの方がずっと綺麗に見えます。何時間でも見ていられるくらいに」
なまえさんは驚いたように、勢いよく俺の顔を見た。
彼女の頰は赤く染まっていて、それが夕日のせいなのか、俺の言葉のせいかは分からない。
「...揶揄わないで下さい」
「揶揄ってなんかいません。本心です。なまえさん...もう辞めましょう。あなたに嘘は似合わない」
「何の、話をしているんですか?」
そう言いながらも、彼女の目は泳いでいる。
もう自分の気持ちを抑えきれなかった。今日なまえさんが男達に襲われているのを見た時は、男達を殺してやりたいと思うほどに、我を忘れそうになった。
また失うかもしれないと感じた時、もう見守るだけの関係はやめようと決めたのだ。
「なまえさん、俺はあなたを守りたい。例え、あなたがどれだけ嘘をついていたとしても、どれだけ真実を隠そうとも、俺はあなたを信じている。どんな時もこの手をあなたに伸ばす。何があっても、俺はあなたの味方でいたいんだ」
いつかの海でなまえさんが俺にくれた言葉とは少しだけ違うが、今の俺の精一杯の気持ちだ。
多くのしがらみが邪魔をして彼女を信じ切ることができなかった俺に、信じるきっかけをくれた言葉であり、俺を救ってくれた言葉でもある。
彼女が今何を恐れ、何に苦しんでいるのか、それを少しでも分けて欲しい。
今までたくさんの大切なものを失くしてきた。だから、もう大切なものを持つのは辞めたはずなのに、気づいた時にはどうしようもない程に彼女が大切な存在になってしまっていた。
「なまえさん、好きです」
真っ直ぐに彼女を見つめて、そう告げれば、彼女の瞳からはあの時と同じように大粒の涙が零れ落ちた。
なまえさんのスマホに来た園子さんからのメールを見た時は、おかしくて笑いが止まらなかった。
俺は自分で言うのも何だが、秘密が多い。
人に言えない事もたくさんあるし、仕事柄仕方ないのだが身分も本名も偽っている。
それなのに、なまえさんへの想いだけは、周囲にも分かるほどにダダ漏れらしい。
まぁ、今考えれば今日の海でなまえさんを助けた時もそうだし、前にポアロで僕の片思いだと言ったり、毛利先生に対してあからさまに嫉妬してしまったりと、結構分かりやすかったかもしれない。
「なまえさん、少しだけ浜辺を歩いてから帰りませんか?」
そう問いかければ、なまえさんは不思議そうな顔をしながらも了承してくれた。
夕方になり、海水浴場はだいぶ人も空いてきている。少し歩いた先には、おそらく誰もいないだろう。
なまえさんの手を握って2人でゆっくりと浜辺を歩いた。
今日彼女のこの小さな手を守る事が出来て、本当によかった。
なまえさんから目を離さないようにしていたつもりだったのに、女性達に囲まれてしまい気づいた時には見失ってしまっていた。
必死で探していたら、歩美ちゃんが泣きながら助けを求めてきた時には肝が冷えた。
だから、あの時あと一瞬でも見つけるのが遅かったら...そう考えただけで数時間たった今でも恐ろしくなる。
「綺麗ですね」
夕日に照らされた海を眺めながら歩いていると、なまえさんがポツリと呟いた。
「そうですね。ですが、僕にとってはこの景色よりも、あなたの方がずっと綺麗に見えます。何時間でも見ていられるくらいに」
なまえさんは驚いたように、勢いよく俺の顔を見た。
彼女の頰は赤く染まっていて、それが夕日のせいなのか、俺の言葉のせいかは分からない。
「...揶揄わないで下さい」
「揶揄ってなんかいません。本心です。なまえさん...もう辞めましょう。あなたに嘘は似合わない」
「何の、話をしているんですか?」
そう言いながらも、彼女の目は泳いでいる。
もう自分の気持ちを抑えきれなかった。今日なまえさんが男達に襲われているのを見た時は、男達を殺してやりたいと思うほどに、我を忘れそうになった。
また失うかもしれないと感じた時、もう見守るだけの関係はやめようと決めたのだ。
「なまえさん、俺はあなたを守りたい。例え、あなたがどれだけ嘘をついていたとしても、どれだけ真実を隠そうとも、俺はあなたを信じている。どんな時もこの手をあなたに伸ばす。何があっても、俺はあなたの味方でいたいんだ」
いつかの海でなまえさんが俺にくれた言葉とは少しだけ違うが、今の俺の精一杯の気持ちだ。
多くのしがらみが邪魔をして彼女を信じ切ることができなかった俺に、信じるきっかけをくれた言葉であり、俺を救ってくれた言葉でもある。
彼女が今何を恐れ、何に苦しんでいるのか、それを少しでも分けて欲しい。
今までたくさんの大切なものを失くしてきた。だから、もう大切なものを持つのは辞めたはずなのに、気づいた時にはどうしようもない程に彼女が大切な存在になってしまっていた。
「なまえさん、好きです」
真っ直ぐに彼女を見つめて、そう告げれば、彼女の瞳からはあの時と同じように大粒の涙が零れ落ちた。