56
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
バイトが終わって、そのままの足で私は米花デパートへ向かった。
水着も持ってないし、着ていく服もどうしようか...
今回は他の皆もいるから2人きりではないが、海というと、どうしても1度目にトリップした時に零さんと2人で行ったあの海での事を思い出してしまう。
あの海は、零さんが私の事を信じ始めてくれた大切な瞬間だ。
まずは水着コーナーに行こうと、案内板を見ていると後ろから声を掛けられた。
「あれ、なまえさん?」
「蘭ちゃん、園子ちゃん」
振り返ると、そこにいたのは蘭ちゃんと園子ちゃんだった。
世良ちゃんは用事があるとかで帰ってしまったらしい。
「もしかして、なまえさんも水着買いに来たの?」
「も、って事は2人も水着?」
「あたしたちは、蘭の水着を見に来たのよ!そうだ、なまえさんも一緒に選ぼうよ!あたしがなまえさんにピッタリのやつ探してあげる!!」
そう言うと園子ちゃんは、私と蘭ちゃんの腕を掴むと凄い勢いでエレベーターへと向かっていく。
そしてエレベーターが3階に止まり、また腕を引っ張られて水着売り場に到着すると、園子ちゃんは目を輝かせて何処かへ行ってしまった。
園子ちゃんが選ぶって...嫌な予感しかしない。
取り残された私と蘭ちゃんは顔を見合わせて苦笑いしてから、園子ちゃんの後を追った。
「どうして安室さんと付き合わないんですか?」
蘭ちゃんとこれが可愛いだの、あっちは布が少ないだのと言いながら水着を見ていたのだが、突然蘭ちゃんがこの水着どう?くらいの軽いノリで聞いてきた。
「ど、どうしてって...付き合うっていうのは、お互い好き同士が恋人になるって事だよ!?」
「え?2人は両想いですよね?」
両想い...?私と、零さんが?
いや、私はもちろん零さんが好きだが、零さんは私なんか何とも思ってないだろう。
僕の片思いとか、僕が守りますとか、胸キュンしちゃうようなセリフを言われた事もあるが、それは安室透の女性に対しての礼儀みたいなものだと私は解釈している。
イタリア人の男性が、女性に対してナンパするのがマナーみたいな感じで。
「ま、まさかー。安室さんが私なんか好きになるはずないよ。安室さんは皆に優しいから、気を遣ってくれてるだけ!」
「でも、安室さんいつも凄い優しい目で...」
「あぁ!いたいた!!もう探したわよー」
蘭ちゃんが何か言いかけていたのだが、勢いよく園子ちゃんが現れて会話は中断してしまった。
「さ、早く試着室に行きましょ!2人にピッタリの選んできたから!」
園子ちゃんは両手に1着ずつ水着を持っていて、意気揚々と試着室のある方へ行ってしまった。
慌てて追いかけながら、蘭ちゃんは何を言いかけていたのか気になり聞いてみた。
「蘭ちゃん、さっき何か言いかけてなかった?」
「え、あぁ、やっぱり何でもなかったです。こういう事は、やっぱり安室さんから直接聞いた方がいいと思います。色々聞いちゃって、ごめんなさい」
私の方が年上のはずなのに、そう言って笑った蘭ちゃんは、なんだか大人の余裕というか私が知らない事を知っている気がした。
「まずは、なまえさんからね」
試着室の前に来て渡されたのは、胸元にリボンがついた水色のビキニだった。ビキニだけど、下はスカートがついていて可愛らしいデザイン。
園子ちゃんの事だから、布の面積が少ないセクシーな水着を選びそうだなと心配していたのだが、案外普通というか、寧ろビキニの中でも露出が少なめの部類だった。
着てみると、一応ビキニだから恥ずかしさはあるものの、これくらいなら何とか大丈夫そうと思えるくらいだった。
「ど、どうかな...?」
そっと試着室のカーテンを開けて、外にいる2人に声を掛けた。
「とっても似合ってますよ!」
「やっぱり私の目に狂いはなかったわね!」
2人に褒められて、嬉しいが少し恥ずかしい。
「園子ちゃんは、もっと際どいの選ぶのかと思ってた」
私は試着しながら思っていた事を、何の気なしにポツリと呟いた。
「なまえさん、何気に失礼ね...あのね、安室さんみたいな女に困ってない風の人は、案外こういう清純な感じの方が好きだったりするのよ!」
「な、なんでそこで安室さんが出てくるの!?」
零さんの好みなんて、園子ちゃんはなんで知ってるの!?
てか、今零さん関係なくない!?
「やぁーね、なまえさん。せっかく海に行くんだから、好きな人に可愛いって思われたいでしょ?」
「か、可愛いって...安室さんみたいなイケメンが私の事そんな風に思う訳ないじゃない!」
すると、園子ちゃんは目が点になり、蘭ちゃんは微笑ましいものを見るような目で私を見るし、訳が分からない。
そして蘭ちゃんが園子ちゃんに、何かを耳打ちすると園子ちゃんの顔が信じられないものを見るような顔になった。
「気づいてないのはなまえさんだけって事なのね...まぁ、それ着て頑張ってよ!あんないい男放っておいたら、すぐにどっかの女に取られちゃうんだからね」
気づいてないって何に?頑張るって何を?と、首を傾げていると、園子ちゃんはため息を吐いて安室さん可哀想に...と呟いていた。
蘭ちゃんといい、園子ちゃんといい、最近の女子高生は大人すぎじゃない?
なんだか、年下の女子高生たちに生暖かく見守られている気がして、明日の海が少しだけ憂鬱になった。
水着も持ってないし、着ていく服もどうしようか...
今回は他の皆もいるから2人きりではないが、海というと、どうしても1度目にトリップした時に零さんと2人で行ったあの海での事を思い出してしまう。
あの海は、零さんが私の事を信じ始めてくれた大切な瞬間だ。
まずは水着コーナーに行こうと、案内板を見ていると後ろから声を掛けられた。
「あれ、なまえさん?」
「蘭ちゃん、園子ちゃん」
振り返ると、そこにいたのは蘭ちゃんと園子ちゃんだった。
世良ちゃんは用事があるとかで帰ってしまったらしい。
「もしかして、なまえさんも水着買いに来たの?」
「も、って事は2人も水着?」
「あたしたちは、蘭の水着を見に来たのよ!そうだ、なまえさんも一緒に選ぼうよ!あたしがなまえさんにピッタリのやつ探してあげる!!」
そう言うと園子ちゃんは、私と蘭ちゃんの腕を掴むと凄い勢いでエレベーターへと向かっていく。
そしてエレベーターが3階に止まり、また腕を引っ張られて水着売り場に到着すると、園子ちゃんは目を輝かせて何処かへ行ってしまった。
園子ちゃんが選ぶって...嫌な予感しかしない。
取り残された私と蘭ちゃんは顔を見合わせて苦笑いしてから、園子ちゃんの後を追った。
「どうして安室さんと付き合わないんですか?」
蘭ちゃんとこれが可愛いだの、あっちは布が少ないだのと言いながら水着を見ていたのだが、突然蘭ちゃんがこの水着どう?くらいの軽いノリで聞いてきた。
「ど、どうしてって...付き合うっていうのは、お互い好き同士が恋人になるって事だよ!?」
「え?2人は両想いですよね?」
両想い...?私と、零さんが?
いや、私はもちろん零さんが好きだが、零さんは私なんか何とも思ってないだろう。
僕の片思いとか、僕が守りますとか、胸キュンしちゃうようなセリフを言われた事もあるが、それは安室透の女性に対しての礼儀みたいなものだと私は解釈している。
イタリア人の男性が、女性に対してナンパするのがマナーみたいな感じで。
「ま、まさかー。安室さんが私なんか好きになるはずないよ。安室さんは皆に優しいから、気を遣ってくれてるだけ!」
「でも、安室さんいつも凄い優しい目で...」
「あぁ!いたいた!!もう探したわよー」
蘭ちゃんが何か言いかけていたのだが、勢いよく園子ちゃんが現れて会話は中断してしまった。
「さ、早く試着室に行きましょ!2人にピッタリの選んできたから!」
園子ちゃんは両手に1着ずつ水着を持っていて、意気揚々と試着室のある方へ行ってしまった。
慌てて追いかけながら、蘭ちゃんは何を言いかけていたのか気になり聞いてみた。
「蘭ちゃん、さっき何か言いかけてなかった?」
「え、あぁ、やっぱり何でもなかったです。こういう事は、やっぱり安室さんから直接聞いた方がいいと思います。色々聞いちゃって、ごめんなさい」
私の方が年上のはずなのに、そう言って笑った蘭ちゃんは、なんだか大人の余裕というか私が知らない事を知っている気がした。
「まずは、なまえさんからね」
試着室の前に来て渡されたのは、胸元にリボンがついた水色のビキニだった。ビキニだけど、下はスカートがついていて可愛らしいデザイン。
園子ちゃんの事だから、布の面積が少ないセクシーな水着を選びそうだなと心配していたのだが、案外普通というか、寧ろビキニの中でも露出が少なめの部類だった。
着てみると、一応ビキニだから恥ずかしさはあるものの、これくらいなら何とか大丈夫そうと思えるくらいだった。
「ど、どうかな...?」
そっと試着室のカーテンを開けて、外にいる2人に声を掛けた。
「とっても似合ってますよ!」
「やっぱり私の目に狂いはなかったわね!」
2人に褒められて、嬉しいが少し恥ずかしい。
「園子ちゃんは、もっと際どいの選ぶのかと思ってた」
私は試着しながら思っていた事を、何の気なしにポツリと呟いた。
「なまえさん、何気に失礼ね...あのね、安室さんみたいな女に困ってない風の人は、案外こういう清純な感じの方が好きだったりするのよ!」
「な、なんでそこで安室さんが出てくるの!?」
零さんの好みなんて、園子ちゃんはなんで知ってるの!?
てか、今零さん関係なくない!?
「やぁーね、なまえさん。せっかく海に行くんだから、好きな人に可愛いって思われたいでしょ?」
「か、可愛いって...安室さんみたいなイケメンが私の事そんな風に思う訳ないじゃない!」
すると、園子ちゃんは目が点になり、蘭ちゃんは微笑ましいものを見るような目で私を見るし、訳が分からない。
そして蘭ちゃんが園子ちゃんに、何かを耳打ちすると園子ちゃんの顔が信じられないものを見るような顔になった。
「気づいてないのはなまえさんだけって事なのね...まぁ、それ着て頑張ってよ!あんないい男放っておいたら、すぐにどっかの女に取られちゃうんだからね」
気づいてないって何に?頑張るって何を?と、首を傾げていると、園子ちゃんはため息を吐いて安室さん可哀想に...と呟いていた。
蘭ちゃんといい、園子ちゃんといい、最近の女子高生は大人すぎじゃない?
なんだか、年下の女子高生たちに生暖かく見守られている気がして、明日の海が少しだけ憂鬱になった。