51 降谷side
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「それから、君の大切な彼女が今俺の隣にいる。君の部下達の執拗な追跡で、危うく死ぬところだったよ...これ以上危険な目に合わせたくなかったら、手を引く事だな」
スマホから聞こえる赤井の言葉に、耳を疑った。
なまえさんが赤井の隣に...?
くそッこれ以上俺が手を出せないと踏んで、彼女を巻き込んだのか。
「赤井ッ!彼女に傷ひとつでもつけたら、許さない!!彼女に2度と関わるな!!」
「それを決めるのは、君じゃない。彼女はまだ君のものではないのだからな」
そう言われ、奥歯を噛み締めた。
今すぐ来葉峠に行き、赤井をぶん殴ってなまえさんの側に行きたいが、今はこれらの後処理がある為、この場を離れられない。
彼女まで巻き込むなんて、自分の読みが甘かった事に思わず舌打ちが漏れた。
とにかく今は早くここを離れて、向こうの状況や被害を把握しなければならない。
「すみません。僕の勘違いだったようで...」
降谷零の顔から、瞬時に安室透へと切り替え、不思議そうにこちらを見ている沖矢昴に勘違いだったと告げる。
そして、すぐに工藤邸から撤収し、外で待機していた部下達に次々と指示を飛ばした。
俺は部下と通話をしながら、前髪を掻き上げた。
なんて子だ...全てにおいて、行動を読まれた上に、あの少年が一枚も二枚も上手だった。
いくら賢くても、所詮は小学生だと油断した俺の完全な負けだ。
だが、いつまでも悔やんでいても仕方ない。
後処理もしなければならないし、上にも報告しなければならない。
どの程度の被害がでているか、まだ把握しきれていないが、追跡に使った車は全てダメだろう。
はぁ、これは始末書だな...
今夜はきっと帰れないだろう。
昨夜はあれから明け方まで、後処理と始末書に追われていた。
追跡に使った車は全て修理に出さなければならなくなったし、軽傷ではあったが負傷者も数人出てしまった。
本当はまだ仕事が残っているのだが、ポアロのシフトが入っていたので、仕方なく一旦切り上げて家に帰った。
もちろん寝る時間なんてある訳もなく、シャワーを浴びて、軽く朝食を摂ったらまたすぐに家を出た。
正直猫の手も借りたいほど忙しいので、休んでしまおうかとも思ったのだが、どうしてもなまえさんに会いたかった。
部下からの報告で、あちら側に怪我人がいない事は分かっているが、それでも、やはり顔を見て無事を確かめたかった。
店に着いて、朝の仕込みをしていると、なまえさんが出勤してきた。
「なまえさん、おはようございます」
「お、おはようございます...」
少し目の下にクマが出来ているくらいで、パッと見た感じは怪我もなさそうだが、何故か彼女の目が泳いでいる。
そこも気になるところだが、まずは彼女に謝らなければならない。
「なまえさん、昨夜はすみませんでした。僕のせいで、あなたを巻き込んでしまった...」
そして深く頭を下げると、彼女が慌てているのが空気で分かった。
彼女が必死で、頭を上げて下さいと言うので、そっと顔を上げるが、彼女と目が合って俺は驚いた。
「なまえさん!?大丈夫ですか?どこか痛いところでも...」
「ち、違...」
なまえさんは、泣いていた。
やはり、どこか怪我をしていたのか?
それとも具合でも悪いのか?
柄にもなく慌てていると、今度はなまえさんが笑い出した。一体なんなんだ?
「なまえさん?」
「フフッ、あ、すみません。安室さんがアワアワしてるところなんて初めて見て、つい...」
アワアワなんて...していた。
どうやら俺は彼女の事となると、普段のポーカーフェイスを忘れてしまうようだ。
「本当に大丈夫なんですね?」
「大丈夫です。すみません」
どうして彼女が泣いていたのかは結局聞けなかったが、笑っているなまえさんの姿に俺はホッとしていた。
俺が女性1人に振り回される日が来るなんて。
そのままじっと見つめていると、恥ずかしくなったのか、外を掃除してくると出て行ってしまった。
箒で外を掃く彼女の姿を見つめていると、コナンくんが来たようで、コナンくんは彼女としばらく話すと手を振って店内に入ってきた。
そして、俺に向かってポツリと呟いた。
「ウソつき」
「きみに言われたくはないさ」
人は誰だって嘘をつく。
小さな嘘、大きな嘘、人を傷つける嘘、自分を守るための嘘、そして誰かを守るための嘘...
俺はこの国となまえさんを守るためならば、いくつだって嘘をつくし、誰にだってなってみせる。
スマホから聞こえる赤井の言葉に、耳を疑った。
なまえさんが赤井の隣に...?
くそッこれ以上俺が手を出せないと踏んで、彼女を巻き込んだのか。
「赤井ッ!彼女に傷ひとつでもつけたら、許さない!!彼女に2度と関わるな!!」
「それを決めるのは、君じゃない。彼女はまだ君のものではないのだからな」
そう言われ、奥歯を噛み締めた。
今すぐ来葉峠に行き、赤井をぶん殴ってなまえさんの側に行きたいが、今はこれらの後処理がある為、この場を離れられない。
彼女まで巻き込むなんて、自分の読みが甘かった事に思わず舌打ちが漏れた。
とにかく今は早くここを離れて、向こうの状況や被害を把握しなければならない。
「すみません。僕の勘違いだったようで...」
降谷零の顔から、瞬時に安室透へと切り替え、不思議そうにこちらを見ている沖矢昴に勘違いだったと告げる。
そして、すぐに工藤邸から撤収し、外で待機していた部下達に次々と指示を飛ばした。
俺は部下と通話をしながら、前髪を掻き上げた。
なんて子だ...全てにおいて、行動を読まれた上に、あの少年が一枚も二枚も上手だった。
いくら賢くても、所詮は小学生だと油断した俺の完全な負けだ。
だが、いつまでも悔やんでいても仕方ない。
後処理もしなければならないし、上にも報告しなければならない。
どの程度の被害がでているか、まだ把握しきれていないが、追跡に使った車は全てダメだろう。
はぁ、これは始末書だな...
今夜はきっと帰れないだろう。
昨夜はあれから明け方まで、後処理と始末書に追われていた。
追跡に使った車は全て修理に出さなければならなくなったし、軽傷ではあったが負傷者も数人出てしまった。
本当はまだ仕事が残っているのだが、ポアロのシフトが入っていたので、仕方なく一旦切り上げて家に帰った。
もちろん寝る時間なんてある訳もなく、シャワーを浴びて、軽く朝食を摂ったらまたすぐに家を出た。
正直猫の手も借りたいほど忙しいので、休んでしまおうかとも思ったのだが、どうしてもなまえさんに会いたかった。
部下からの報告で、あちら側に怪我人がいない事は分かっているが、それでも、やはり顔を見て無事を確かめたかった。
店に着いて、朝の仕込みをしていると、なまえさんが出勤してきた。
「なまえさん、おはようございます」
「お、おはようございます...」
少し目の下にクマが出来ているくらいで、パッと見た感じは怪我もなさそうだが、何故か彼女の目が泳いでいる。
そこも気になるところだが、まずは彼女に謝らなければならない。
「なまえさん、昨夜はすみませんでした。僕のせいで、あなたを巻き込んでしまった...」
そして深く頭を下げると、彼女が慌てているのが空気で分かった。
彼女が必死で、頭を上げて下さいと言うので、そっと顔を上げるが、彼女と目が合って俺は驚いた。
「なまえさん!?大丈夫ですか?どこか痛いところでも...」
「ち、違...」
なまえさんは、泣いていた。
やはり、どこか怪我をしていたのか?
それとも具合でも悪いのか?
柄にもなく慌てていると、今度はなまえさんが笑い出した。一体なんなんだ?
「なまえさん?」
「フフッ、あ、すみません。安室さんがアワアワしてるところなんて初めて見て、つい...」
アワアワなんて...していた。
どうやら俺は彼女の事となると、普段のポーカーフェイスを忘れてしまうようだ。
「本当に大丈夫なんですね?」
「大丈夫です。すみません」
どうして彼女が泣いていたのかは結局聞けなかったが、笑っているなまえさんの姿に俺はホッとしていた。
俺が女性1人に振り回される日が来るなんて。
そのままじっと見つめていると、恥ずかしくなったのか、外を掃除してくると出て行ってしまった。
箒で外を掃く彼女の姿を見つめていると、コナンくんが来たようで、コナンくんは彼女としばらく話すと手を振って店内に入ってきた。
そして、俺に向かってポツリと呟いた。
「ウソつき」
「きみに言われたくはないさ」
人は誰だって嘘をつく。
小さな嘘、大きな嘘、人を傷つける嘘、自分を守るための嘘、そして誰かを守るための嘘...
俺はこの国となまえさんを守るためならば、いくつだって嘘をつくし、誰にだってなってみせる。