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「なまえさん、仕事を探しているんですか?それなら、ここで働きませんか?」
突然上からそんな声が聞こえてきて、私はピシリと固まった。
油が切れた機械のような動きで、私はその声の主を見上げると、その人は変わらずニコニコとしていた。
「あの、安室さん?ここで、と言うのは...」
「もちろん、ポアロです!ここなら僕もいますし、安全ですよ。マスターに聞いてみないとですが、おそらく大丈夫でしょう」
全然、大丈夫じゃない。
あなたが一番危ないんです。
そんな事言えるはずもなく、私は引きつった笑みを浮かべて、この場をどう切り抜けるか頭をフル回転させる。
しかし、私の頭がフル回転したところで、彼らの頭の半分にも満たない気がするが...
「おぅ、いいじゃねぇか!なまえさん、ここの二階は俺の事務所なんで、この毛利小五郎がいつでも近くであなたをお守り致します!」
毛利さんは、そう言って私の手を握った。
いや、私は組織から身を隠す為にFBIに保護されているだけで、別に今のところ命を狙われてる訳ではないし、何より零さんと離れるためにわざわざ記憶喪失のフリをしているのだ。
一緒に働いたら意味がないし、何より即刻嘘がバレそうだ。
すると、横から零さんの手が伸びてきて、私の手を握る毛利さんの手をやんわりと外した。
「いえいえ、毛利先生。なまえさんは僕がお守りしますので、先生の手は煩わせませんよ。なんといっても、僕は毛利先生の一番弟子ですから。ね、先生?」
「あ?あ、あぁ...」
「では、マスターに聞いてから連絡したいので、なまえさんの連絡先を伺っても?」
「は、はい...」
ニッコリと微笑む零さんからは、異論は認めないと言わんばかりの圧力が感じられる。
そんな零さんに私も毛利さんもYESの返事以外できない。
蘭ちゃんは何故かキャーと言って楽しそうだ。
「ありがとうございます。では、後ほどご連絡しますね」
そう言って、零さんはテーブルから離れていった。
連絡先、教えてしまった...
え?私ここで働くの?
想像しただけで、無理だ。
絶対ボロが出そうだし、女子高生たちにキャーキャー言われてる零さんを見たくない。
「仕事決まりそうで、よかったですね!」
「いや、私まだ働くとは...」
言ってない、と最後まで言う前に「ポアロなら、いつでもなまえさんに会えるから私も嬉しいです!」と眩しい笑顔で言う蘭ちゃんに、私は思わず抱きついた。
くそぉ、なんて可愛い事を言うんだ...
ここで働けば蘭ちゃんに会えるし、それにバレるのが怖くて避けているが、本当は零さんに会いたいと心の奥底では思っている。
きっとこのままでは、ポアロで働く事になってしまいそうだ。
零さんとはなるべく話さないように仕事をすればいける?いや、でも...
自分の中であれこれと考えていると、コナンくんが私を見ている事に気がついた。
「なまえさん、安室さんと前に会った事ある?」
「え?この間、みんなでポアロに来た時が初めてだと思うけど...」
「本当に?」
コナンくんの目がどんな小さな挙動も見逃さないと言っているようだ。
「うん。私と安室さんはこの間初めて会ったよ。どうしてそんな事聞くの?」
私は笑ってそう答えると、コナンくんはより一層鋭い目をしたような気がした。
「なんでもない。でも、なんとなく二人は付き合ってるのかなって思っただけ」
「ゴホッゴホッ」
「えっ!なまえさんと安室さんって、そういう関係なんですか?」
紅茶が変なところに入った私は涙目で咳き込みながら、なんて事を言うんだという目でコナンくんを見るが、彼はシレッとした顔をしてオレンジジュースを啜っていた。
蘭ちゃんに至っては、さすがは女子高生というか、こういった手の話には興味津々なようで目が輝いている。
「大丈夫ですか?」
未だ噎せていると、いつの間にか私たちのテーブルに来ていた零さんが優しく背中をさすってくれた。
「コナンくん?あんまりなまえさんをからかっちゃダメだよ。本当に僕たちはこの間初めて会ったんだから」
「ごめんなさーい」
「でも、安室さんとなまえさんお似合いですよね」
蘭ちゃんやめて、それ以上言わないで!
コナンくんも子供らしく謝れば何でも許されるって分かってやってるからタチが悪い。
零さんが何と答えるのか気になって、チラッと零さんを見上げると、目が合った彼はフッと微笑んだ。
たったそれだけで、私の心臓は高鳴る。
顎に手を当てて探偵ポーズをする零さんは、うーんと少し考えてから、ニコリと笑って言った。
「お似合いだなんて光栄ですね。ですが、残念ながら付き合ってはいませんよ。でも、そうですね...今の関係に名前をつけるなら、僕の片思いというところでしょうか」
バッと零さんの顔を見るが、彼が何を考えているのか分からない。
それどころか、どんどん顔に熱が集まってきて、何か言わなくちゃと思うのに私は金魚のように口をパクパクさせる事しかできなかった。
「キャー素敵です!私応援します!!」
「ありがとうございます。という事なので、なまえさんも覚悟していて下さいね?」
そう言ってウインクする零さんに、私はパッと立ち上がった。
もう限界だ、きっと零さんは私を悶え死にさせようとしているに違いない。
もうこれ以上は、私の心臓が保たない。
「あ、あの!私今日はもう帰りますね!蘭ちゃんコナンくん、またね!毛利さんも失礼します」
そして、財布から千円札を抜くとテーブルに叩きつけるように置いてから、私は一目散に扉へダッシュした。
後ろから蘭ちゃんがなまえさーん?と呼んでいたが、私はそのままの勢いでポアロから逃げ出した。
突然上からそんな声が聞こえてきて、私はピシリと固まった。
油が切れた機械のような動きで、私はその声の主を見上げると、その人は変わらずニコニコとしていた。
「あの、安室さん?ここで、と言うのは...」
「もちろん、ポアロです!ここなら僕もいますし、安全ですよ。マスターに聞いてみないとですが、おそらく大丈夫でしょう」
全然、大丈夫じゃない。
あなたが一番危ないんです。
そんな事言えるはずもなく、私は引きつった笑みを浮かべて、この場をどう切り抜けるか頭をフル回転させる。
しかし、私の頭がフル回転したところで、彼らの頭の半分にも満たない気がするが...
「おぅ、いいじゃねぇか!なまえさん、ここの二階は俺の事務所なんで、この毛利小五郎がいつでも近くであなたをお守り致します!」
毛利さんは、そう言って私の手を握った。
いや、私は組織から身を隠す為にFBIに保護されているだけで、別に今のところ命を狙われてる訳ではないし、何より零さんと離れるためにわざわざ記憶喪失のフリをしているのだ。
一緒に働いたら意味がないし、何より即刻嘘がバレそうだ。
すると、横から零さんの手が伸びてきて、私の手を握る毛利さんの手をやんわりと外した。
「いえいえ、毛利先生。なまえさんは僕がお守りしますので、先生の手は煩わせませんよ。なんといっても、僕は毛利先生の一番弟子ですから。ね、先生?」
「あ?あ、あぁ...」
「では、マスターに聞いてから連絡したいので、なまえさんの連絡先を伺っても?」
「は、はい...」
ニッコリと微笑む零さんからは、異論は認めないと言わんばかりの圧力が感じられる。
そんな零さんに私も毛利さんもYESの返事以外できない。
蘭ちゃんは何故かキャーと言って楽しそうだ。
「ありがとうございます。では、後ほどご連絡しますね」
そう言って、零さんはテーブルから離れていった。
連絡先、教えてしまった...
え?私ここで働くの?
想像しただけで、無理だ。
絶対ボロが出そうだし、女子高生たちにキャーキャー言われてる零さんを見たくない。
「仕事決まりそうで、よかったですね!」
「いや、私まだ働くとは...」
言ってない、と最後まで言う前に「ポアロなら、いつでもなまえさんに会えるから私も嬉しいです!」と眩しい笑顔で言う蘭ちゃんに、私は思わず抱きついた。
くそぉ、なんて可愛い事を言うんだ...
ここで働けば蘭ちゃんに会えるし、それにバレるのが怖くて避けているが、本当は零さんに会いたいと心の奥底では思っている。
きっとこのままでは、ポアロで働く事になってしまいそうだ。
零さんとはなるべく話さないように仕事をすればいける?いや、でも...
自分の中であれこれと考えていると、コナンくんが私を見ている事に気がついた。
「なまえさん、安室さんと前に会った事ある?」
「え?この間、みんなでポアロに来た時が初めてだと思うけど...」
「本当に?」
コナンくんの目がどんな小さな挙動も見逃さないと言っているようだ。
「うん。私と安室さんはこの間初めて会ったよ。どうしてそんな事聞くの?」
私は笑ってそう答えると、コナンくんはより一層鋭い目をしたような気がした。
「なんでもない。でも、なんとなく二人は付き合ってるのかなって思っただけ」
「ゴホッゴホッ」
「えっ!なまえさんと安室さんって、そういう関係なんですか?」
紅茶が変なところに入った私は涙目で咳き込みながら、なんて事を言うんだという目でコナンくんを見るが、彼はシレッとした顔をしてオレンジジュースを啜っていた。
蘭ちゃんに至っては、さすがは女子高生というか、こういった手の話には興味津々なようで目が輝いている。
「大丈夫ですか?」
未だ噎せていると、いつの間にか私たちのテーブルに来ていた零さんが優しく背中をさすってくれた。
「コナンくん?あんまりなまえさんをからかっちゃダメだよ。本当に僕たちはこの間初めて会ったんだから」
「ごめんなさーい」
「でも、安室さんとなまえさんお似合いですよね」
蘭ちゃんやめて、それ以上言わないで!
コナンくんも子供らしく謝れば何でも許されるって分かってやってるからタチが悪い。
零さんが何と答えるのか気になって、チラッと零さんを見上げると、目が合った彼はフッと微笑んだ。
たったそれだけで、私の心臓は高鳴る。
顎に手を当てて探偵ポーズをする零さんは、うーんと少し考えてから、ニコリと笑って言った。
「お似合いだなんて光栄ですね。ですが、残念ながら付き合ってはいませんよ。でも、そうですね...今の関係に名前をつけるなら、僕の片思いというところでしょうか」
バッと零さんの顔を見るが、彼が何を考えているのか分からない。
それどころか、どんどん顔に熱が集まってきて、何か言わなくちゃと思うのに私は金魚のように口をパクパクさせる事しかできなかった。
「キャー素敵です!私応援します!!」
「ありがとうございます。という事なので、なまえさんも覚悟していて下さいね?」
そう言ってウインクする零さんに、私はパッと立ち上がった。
もう限界だ、きっと零さんは私を悶え死にさせようとしているに違いない。
もうこれ以上は、私の心臓が保たない。
「あ、あの!私今日はもう帰りますね!蘭ちゃんコナンくん、またね!毛利さんも失礼します」
そして、財布から千円札を抜くとテーブルに叩きつけるように置いてから、私は一目散に扉へダッシュした。
後ろから蘭ちゃんがなまえさーん?と呼んでいたが、私はそのままの勢いでポアロから逃げ出した。