40 降谷side
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コナンくんからの暗号をヒントに、車を走らせていると少し先にクール便が道を塞ぐように止まっていた。
宅配業者の男二人がコンテナを覗いて、顔は見えなかったが女性を突き飛ばしたように見えた。
俺は、スピードを上げて車のすぐ後ろに着いてから声をかけた。
するとコンテナからはコナンくんや少年探偵団の子どもたちが顔を出して助けを求めて来た。
男たちは見られたことに焦ったのか、俺に殴り掛かってきたので鳩尾に一発拳を入れた。
もう一人の男に、あなたもやるか?とファイティングポーズを取れば冷や汗を流して腰を抜かした。
男たちを縛り上げていると、コンテナの中が騒がしい事に気づいた。
そして焦った顔をしたコナンくんが顔を出した。
「安室さん救急車を呼んで!なまえさんが!」
「なまえさんもいるのかい!?」
さっき突き飛ばされていた女性はなまえさんだったのか。
コンテナの中に入ると、なまえさんが真っ白な顔で倒れていた。
手を握ると冷たくなっていて、指先が少し紫に変色していて唇の色も悪い。
低体温症になりかかっている...
俺はすぐに自分のジャケットを脱ぎ、彼女を包むとその体を抱き上げた。
「安室さん!?どうするの?」
なまえさんを抱き上げた俺を見て、コナンくんが驚いたように声をあげるが、今は答える時間も惜しかった。
俺は安室透でいる事も忘れ振り返ることなく、コナンくんに答えた。
「ここからなら、救急車を待つより車で運んだ方が早い!」
なまえさんを助手席に寝かせて、車に置いてあったブランケットを掛けた。
そして暖房を全開にして、俺は勢いよく車をバックさせた。
コナンくんがこちらに向かって何か叫んでいるが、今この状況でなまえさんより優先するものなどない。
「なまえさん!すぐ病院に着きますから、頑張って!」
病院に着くまでの間、俺は彼女に声を掛け続けた。
信号を避けてノンストップで病院まで走ると、滑り込むように駐車場に入る。
その勢いのまま俺はなまえさんを抱き上げて、救急入口へと駆け込んだ。
ベッド脇の丸椅子に腰掛けて、横たわるなまえさんの手を握る。
適切な処置のおかげで、体温も回復し医者の話ではこの程度なら後遺症もないだろうとの事だった。
念の為、今夜一晩は入院になったが。
コンテナの中で倒れていた彼女を見た時、心臓が止まりそうだった。
手を握っても冷たくて、また俺は間に合わないのかと、俺はまた失うのかと怖かった。
でも今、意識はまだ戻っていないが、こうして彼女の手を握れば暖かい。
彼女は生きている。
心臓が動き、呼吸をしている。
俺はそれに心の底から安堵した。
彼女が愛おしくて堪らない。
大切で、大切すぎて突き放した彼女。
そして俺の前からいなくなった彼女。
それが今こうして目の前にいて、手を握る事ができる。
どうして俺は、この手を離してしまったのだろう。
小さくて暖かい、何よりも大切なこの手を。
「なまえさん、俺はもう二度とあなたの手を離さないと誓う。だから、だからもう一度俺の名前を呼んでくれ...」
寝ている人間に言っても仕方ないか。
俺は一人苦笑して立ち上がった。
本当はなまえさんが目を覚ますまで彼女の側にいたかったが、これから組織の仕事がある。
こんな時でも、俺は安室透でもあるし、バーボンでもあるのだ。
なまえさん一人を優先する事のできない俺に彼女を求める資格はあるのだろうか。
それでも、俺には彼女が必要で、自分で一度突き放しておきながらみっともなく彼女を求めてしまうのだ。
名残惜しくも時間はどんどん進んでいく。
さすがにもう行かなくてはと病室の扉に手を掛けた。
「れ、い...さん...」
空耳かと思った。
彼女が目を覚ましたのかと思い、病室の中に戻ってみたが、やはり彼女は固く目を閉じていて眠ったままだった。寝言か?
だが、確かに俺の名前だった。
やはり彼女は俺を忘れていない。
笑顔の裏に隠された嘘が一つ分かったような気がした。
今はそれで十分だ。
「なまえさん、おやすみ」
そして俺は彼女の額にキスをひとつ落として、今度こそ病室をあとにした。
宅配業者の男二人がコンテナを覗いて、顔は見えなかったが女性を突き飛ばしたように見えた。
俺は、スピードを上げて車のすぐ後ろに着いてから声をかけた。
するとコンテナからはコナンくんや少年探偵団の子どもたちが顔を出して助けを求めて来た。
男たちは見られたことに焦ったのか、俺に殴り掛かってきたので鳩尾に一発拳を入れた。
もう一人の男に、あなたもやるか?とファイティングポーズを取れば冷や汗を流して腰を抜かした。
男たちを縛り上げていると、コンテナの中が騒がしい事に気づいた。
そして焦った顔をしたコナンくんが顔を出した。
「安室さん救急車を呼んで!なまえさんが!」
「なまえさんもいるのかい!?」
さっき突き飛ばされていた女性はなまえさんだったのか。
コンテナの中に入ると、なまえさんが真っ白な顔で倒れていた。
手を握ると冷たくなっていて、指先が少し紫に変色していて唇の色も悪い。
低体温症になりかかっている...
俺はすぐに自分のジャケットを脱ぎ、彼女を包むとその体を抱き上げた。
「安室さん!?どうするの?」
なまえさんを抱き上げた俺を見て、コナンくんが驚いたように声をあげるが、今は答える時間も惜しかった。
俺は安室透でいる事も忘れ振り返ることなく、コナンくんに答えた。
「ここからなら、救急車を待つより車で運んだ方が早い!」
なまえさんを助手席に寝かせて、車に置いてあったブランケットを掛けた。
そして暖房を全開にして、俺は勢いよく車をバックさせた。
コナンくんがこちらに向かって何か叫んでいるが、今この状況でなまえさんより優先するものなどない。
「なまえさん!すぐ病院に着きますから、頑張って!」
病院に着くまでの間、俺は彼女に声を掛け続けた。
信号を避けてノンストップで病院まで走ると、滑り込むように駐車場に入る。
その勢いのまま俺はなまえさんを抱き上げて、救急入口へと駆け込んだ。
ベッド脇の丸椅子に腰掛けて、横たわるなまえさんの手を握る。
適切な処置のおかげで、体温も回復し医者の話ではこの程度なら後遺症もないだろうとの事だった。
念の為、今夜一晩は入院になったが。
コンテナの中で倒れていた彼女を見た時、心臓が止まりそうだった。
手を握っても冷たくて、また俺は間に合わないのかと、俺はまた失うのかと怖かった。
でも今、意識はまだ戻っていないが、こうして彼女の手を握れば暖かい。
彼女は生きている。
心臓が動き、呼吸をしている。
俺はそれに心の底から安堵した。
彼女が愛おしくて堪らない。
大切で、大切すぎて突き放した彼女。
そして俺の前からいなくなった彼女。
それが今こうして目の前にいて、手を握る事ができる。
どうして俺は、この手を離してしまったのだろう。
小さくて暖かい、何よりも大切なこの手を。
「なまえさん、俺はもう二度とあなたの手を離さないと誓う。だから、だからもう一度俺の名前を呼んでくれ...」
寝ている人間に言っても仕方ないか。
俺は一人苦笑して立ち上がった。
本当はなまえさんが目を覚ますまで彼女の側にいたかったが、これから組織の仕事がある。
こんな時でも、俺は安室透でもあるし、バーボンでもあるのだ。
なまえさん一人を優先する事のできない俺に彼女を求める資格はあるのだろうか。
それでも、俺には彼女が必要で、自分で一度突き放しておきながらみっともなく彼女を求めてしまうのだ。
名残惜しくも時間はどんどん進んでいく。
さすがにもう行かなくてはと病室の扉に手を掛けた。
「れ、い...さん...」
空耳かと思った。
彼女が目を覚ましたのかと思い、病室の中に戻ってみたが、やはり彼女は固く目を閉じていて眠ったままだった。寝言か?
だが、確かに俺の名前だった。
やはり彼女は俺を忘れていない。
笑顔の裏に隠された嘘が一つ分かったような気がした。
今はそれで十分だ。
「なまえさん、おやすみ」
そして俺は彼女の額にキスをひとつ落として、今度こそ病室をあとにした。