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寒い...
私は荷物の影で自分の肩を抱いて震えていた。
子どもたちは、コナンくんが中心になってあれこれとこの状況をなんとかする方法を考えている。
今はみんなの持ち物を出し合っているところだ。
光彦くんがスマホを持っていたが、バッテリー切れだった。
それを暖めバッテリーを少し復活させて博士に電話を掛けたのだが、この状況を話す前にまたバッテリーが切れてしまった。
記憶が曖昧でうろ覚えだが、おそらくここまでは原作通りのはずだ。
ちなみに私もコナンくんに言われ持ち物を出したが、すぐに戻るつもりでいたのでスマホは博士の家に置いてきてしまっていて、財布しか持っていなかった。
そしてスマホがダメならと、今度は大尉に託す事にしたようだ。
コナンくんがレシートの文字を消して暗号を作り、大尉の首輪に挟んだ。
こんなすぐに暗号を思いつくコナンくんも凄いし、それを見てこのクール便の車を探す零さんも凄いと思う。
そして、なんとか無事に大尉が外へ出る事に成功した。
よかった。これでもう大丈夫。
後は零さんが来るのを待つだけだ。
大尉が出て行ってから、だいぶ経った。
しかし原作通りなら、まだしばらくは助けは来ないだろう。
コナンくんは大尉はダメだったのかもしれないと、次の策を考えている。
「今頃ケーキ食ってたのによぉ」
「横浜のケーキ屋さんだったんだって」
とんだクリスマスになってしまった。
ケーキもいいが、今私は無性に零さんが作った暖かいシチューが食べたかった。
きっと零さんのシチューは、この冷えた身体に優しく沁みるだろう。
零さん...
「なまえさん?なまえさん!!」
肩を激しく揺すられて、ハッとして顔を上げた。
なんだか、ほんの短い時間だが夢を見ていた気がする。零さんの夢を...
「なまえさん、大丈夫!?意識はある?」
「ごめん、ごめん。大丈夫だよ。少しボーッとしちゃっただけ」
「ホントに?指先の色が少し悪いし、ちょっとでも体調がおかしかったらすぐに教えてね?」
子どもたちだって不安なはずなのに、逆に心配されてしまい、これではどっちが大人か分からない。
しっかりしなくては。
もしもの時にこの子達を守れるのは今私しかいないのだ。
寒さで顔の筋肉が動かし辛かったが、できるだけ笑顔を作って子どもたちに笑いかける。
「うん。ありがとう。でも、私は大丈夫だから心配しないで。それよりみんなは大丈夫?」
そう聞くと、皆が割と元気に返事をしてくれたから今のところは本当に大丈夫そうだ。
すると、哀ちゃんが私にピッタリくっつくように隣に座った。
どうしたのだろう?寒いのだろうか?
「哀ちゃん、大丈夫?寒い?」
「悪いわね。私にコートを貸したせいで、あなたに寒い思いをさせてしまって」
どうやら心配して少しでも暖めようとしてくれているようだ。
すると歩美ちゃんも、哀ちゃんとは反対側にピッタリくっついて座ってくれた。
「二人とも、ありがとう。みんなでくっついてると暖かいね!」
しばらく女三人でくっつかっていると、車がどこかに止まった。
そして、コンテナに入ってきた運送業者の男はアガサ博士が予約していたケーキの箱を持って行った。
先ほど、あの箱の送り状にコナンくんが細工をしていたから、きっと届く先はアガサ博士の家ではなく隣の工藤邸、沖矢さんのところだろう。
これでもうすぐ助かるはずだ。
さっきから、寒さはマシになったのだが、頭がボーッとして眠たくなってきてしまった。
もしや、これはまずいのでは?と、ボンヤリした頭で思ったが、それ以上は考えられなかった。
ともかく今は、この子達が無事にこのコンテナから脱出できる事を祈るだけだ。
少しして宅配業者の男が戻ってきて、小さな箱を別な荷物の上に重ねた。
その箱にはきっとスマホが入っているはずだ。
コナンくんが勢いよく包みを破っていく。
私は両隣の彼女たちの頭を優しく撫でてから、そっと立ち上がり、子どもたちを隠すように扉とコナンくんの間に立った。
哀ちゃんと歩美ちゃんは不思議そうに私を見ているが、これなら、もしも零さんが間に合わなくても子どもたちの盾くらいにはなれるだろう。
そろそろコンテナの荷物の位置が変わっていた事に気づいた男たちが、戻ってくるはずだ。
そして、やはり思ったとおり男たちが戻ってきた。
扉を開けてニヤニヤとこちらを見ている。
外を見るが、零さんはまだ来ていない。
ゆっくりと近づいてくる男たちから、子どもたちを守るように私は両手を広げて男たちを睨みつけた。
「女一人で何ができるんだよ。みんなまとめて凍死させてやる!」
そう言ったメガネをかけた男に私は強く突き飛ばされて、勢いよく荷物に突っ込んでしまった。
冷え切った体では上手く受け身が取れず背中を打ったようだ。
哀ちゃんと歩美ちゃんが駆け寄ってきてくれたが、痛みでなかなか起き上がれない。
痛みからなのか悔しさからなのか、涙が滲んできて私は目をぎゅっと瞑った。
零さん、お願い。早く来て...
プップー
その時、外から車のクラクションの音がした。
「すみませーん。この道狭いから譲って貰えますか?傷つけたくないので」
零さんだ。
子どもたちはコンテナから顔を出し、零さんに向かって助けを求めた。
「あれ、君たちどうしたんだい?」
よかった。これで子どもたちは助かる。
安心したからなのか、哀ちゃんがずっと私の名前を呼んでいるが、私は瞼が重くて仕方ない。
あの暗号で私たちを見つけちゃう零さんは、やっぱり凄いんだなぁなんて思ったのを最後に、私の意識はだんだんと遠くなっていった。
意識が途切れる寸前に、零さんに呼ばれたような気がしたが、それが夢だったのか現実だったのか確かめる事はできなかった...
私は荷物の影で自分の肩を抱いて震えていた。
子どもたちは、コナンくんが中心になってあれこれとこの状況をなんとかする方法を考えている。
今はみんなの持ち物を出し合っているところだ。
光彦くんがスマホを持っていたが、バッテリー切れだった。
それを暖めバッテリーを少し復活させて博士に電話を掛けたのだが、この状況を話す前にまたバッテリーが切れてしまった。
記憶が曖昧でうろ覚えだが、おそらくここまでは原作通りのはずだ。
ちなみに私もコナンくんに言われ持ち物を出したが、すぐに戻るつもりでいたのでスマホは博士の家に置いてきてしまっていて、財布しか持っていなかった。
そしてスマホがダメならと、今度は大尉に託す事にしたようだ。
コナンくんがレシートの文字を消して暗号を作り、大尉の首輪に挟んだ。
こんなすぐに暗号を思いつくコナンくんも凄いし、それを見てこのクール便の車を探す零さんも凄いと思う。
そして、なんとか無事に大尉が外へ出る事に成功した。
よかった。これでもう大丈夫。
後は零さんが来るのを待つだけだ。
大尉が出て行ってから、だいぶ経った。
しかし原作通りなら、まだしばらくは助けは来ないだろう。
コナンくんは大尉はダメだったのかもしれないと、次の策を考えている。
「今頃ケーキ食ってたのによぉ」
「横浜のケーキ屋さんだったんだって」
とんだクリスマスになってしまった。
ケーキもいいが、今私は無性に零さんが作った暖かいシチューが食べたかった。
きっと零さんのシチューは、この冷えた身体に優しく沁みるだろう。
零さん...
「なまえさん?なまえさん!!」
肩を激しく揺すられて、ハッとして顔を上げた。
なんだか、ほんの短い時間だが夢を見ていた気がする。零さんの夢を...
「なまえさん、大丈夫!?意識はある?」
「ごめん、ごめん。大丈夫だよ。少しボーッとしちゃっただけ」
「ホントに?指先の色が少し悪いし、ちょっとでも体調がおかしかったらすぐに教えてね?」
子どもたちだって不安なはずなのに、逆に心配されてしまい、これではどっちが大人か分からない。
しっかりしなくては。
もしもの時にこの子達を守れるのは今私しかいないのだ。
寒さで顔の筋肉が動かし辛かったが、できるだけ笑顔を作って子どもたちに笑いかける。
「うん。ありがとう。でも、私は大丈夫だから心配しないで。それよりみんなは大丈夫?」
そう聞くと、皆が割と元気に返事をしてくれたから今のところは本当に大丈夫そうだ。
すると、哀ちゃんが私にピッタリくっつくように隣に座った。
どうしたのだろう?寒いのだろうか?
「哀ちゃん、大丈夫?寒い?」
「悪いわね。私にコートを貸したせいで、あなたに寒い思いをさせてしまって」
どうやら心配して少しでも暖めようとしてくれているようだ。
すると歩美ちゃんも、哀ちゃんとは反対側にピッタリくっついて座ってくれた。
「二人とも、ありがとう。みんなでくっついてると暖かいね!」
しばらく女三人でくっつかっていると、車がどこかに止まった。
そして、コンテナに入ってきた運送業者の男はアガサ博士が予約していたケーキの箱を持って行った。
先ほど、あの箱の送り状にコナンくんが細工をしていたから、きっと届く先はアガサ博士の家ではなく隣の工藤邸、沖矢さんのところだろう。
これでもうすぐ助かるはずだ。
さっきから、寒さはマシになったのだが、頭がボーッとして眠たくなってきてしまった。
もしや、これはまずいのでは?と、ボンヤリした頭で思ったが、それ以上は考えられなかった。
ともかく今は、この子達が無事にこのコンテナから脱出できる事を祈るだけだ。
少しして宅配業者の男が戻ってきて、小さな箱を別な荷物の上に重ねた。
その箱にはきっとスマホが入っているはずだ。
コナンくんが勢いよく包みを破っていく。
私は両隣の彼女たちの頭を優しく撫でてから、そっと立ち上がり、子どもたちを隠すように扉とコナンくんの間に立った。
哀ちゃんと歩美ちゃんは不思議そうに私を見ているが、これなら、もしも零さんが間に合わなくても子どもたちの盾くらいにはなれるだろう。
そろそろコンテナの荷物の位置が変わっていた事に気づいた男たちが、戻ってくるはずだ。
そして、やはり思ったとおり男たちが戻ってきた。
扉を開けてニヤニヤとこちらを見ている。
外を見るが、零さんはまだ来ていない。
ゆっくりと近づいてくる男たちから、子どもたちを守るように私は両手を広げて男たちを睨みつけた。
「女一人で何ができるんだよ。みんなまとめて凍死させてやる!」
そう言ったメガネをかけた男に私は強く突き飛ばされて、勢いよく荷物に突っ込んでしまった。
冷え切った体では上手く受け身が取れず背中を打ったようだ。
哀ちゃんと歩美ちゃんが駆け寄ってきてくれたが、痛みでなかなか起き上がれない。
痛みからなのか悔しさからなのか、涙が滲んできて私は目をぎゅっと瞑った。
零さん、お願い。早く来て...
プップー
その時、外から車のクラクションの音がした。
「すみませーん。この道狭いから譲って貰えますか?傷つけたくないので」
零さんだ。
子どもたちはコンテナから顔を出し、零さんに向かって助けを求めた。
「あれ、君たちどうしたんだい?」
よかった。これで子どもたちは助かる。
安心したからなのか、哀ちゃんがずっと私の名前を呼んでいるが、私は瞼が重くて仕方ない。
あの暗号で私たちを見つけちゃう零さんは、やっぱり凄いんだなぁなんて思ったのを最後に、私の意識はだんだんと遠くなっていった。
意識が途切れる寸前に、零さんに呼ばれたような気がしたが、それが夢だったのか現実だったのか確かめる事はできなかった...