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コナンくんと話しながらマンションのエントランスに着くと子どもたちに遅いと怒られてしまい、私はごめんねと苦笑いを返した。
まずはどこに行くのかと聞くと、案内してくれるようで歩美ちゃんが私の手を引いて歩き出した。
「ここはね、よく皆で遊ぶ公園。それからあっちのパン屋さんのメロンパンは凄く美味しいんだよ」
子どもたちは、あっちこっちと私の手を引いて色々な場所を教えてくれた。
原作では出てこないような場所も知れて思いの外楽しかった。
しかし、あっと思った時には遅かった。
なんか漫画で見たことある景色だなと思った時には、少し先に毛利探偵事務所が見えていた。
もちろんその下は喫茶ポアロだ。
すぐさま回れ右したかったが、あいにく歩美ちゃんに手を掴まれていた為、それもできなかった。
どうしよう、と内心焦っている私とは反対に意気揚々とポアロのある方角に向かっていく子どもたち...
するとコナンくんから救いの手が差し伸べられた。
「おい、おめぇら、そろそろ夕方だし今日はこのくらいにして帰ろうぜ。なまえさんもあっちこっち連れ回されて疲れただろうしな」
コナンくん!!
なんていい子なのだろう。
多分実際は、零さんの事を組織のバーボンとして疑っている時期だから、私を近づけたくないと言うのが彼の本音だろうが、それはこの際どうでもいい。
利害が一致したのなら、お互いの思惑なんてものは二の次三の次だ。
「そうだね。みんなも帰りが遅くなるとお家の人が心配するよ。続きはまた今度にしようか」
そう言って、私もコナンくんに加勢するが子どもたちは納得してないようだ。
こうしている間にも子どもたちの歩みは止まらず、もうポアロは目と鼻の先だ。
そしてついに店の前まで来てしまったとき、光彦くんがいい事を思いついたというように、私が最も恐れていた事を言い出した。
「じゃあ、最後にポアロで休んでから今日は終わりにしませんか?せっかくここまで来ましたし」
お店を指差しながらそう言う光彦くんに、歩美ちゃんと元太くんが目を輝かせて「賛成!」とノリノリだ。
助けを求めるようにコナンくんを見るが、コナンくんはガラス越しに店内を見ていて鋭い目をしていた。
何かあったのかと、私もコナンくんの視線の先を見て固まってしまった。
零さんだ...
私の視線に気づいた零さんが、こっちを見てほんの少し目を見開いた。
心臓が激しく暴れだして、ドクドクと耳に響いて気分が悪い。
背中に冷たい汗が流れるのが分かる。
その時、ぐっと腕を引っ張られた。
「なまえお姉さん、お店入ろう?」
「歩美ちゃん、ごめん!お姉さん、このお店は入れないんだ。ホントにごめんね!」
こうなったら、コナンくんに怪しまれても仕方ない。
零さんに会うよりマシだ。
姿は見られてしまったが、この際それももうどうでもいい。
「えーなんでー?ポアロ来たことあるの?」
「来たことはないと思う、けど...」
「無意識に嫌がるって、もしかして、記憶が戻りそうなんじゃないですか?」
「じゃあ、やっぱり入ってみた方がいいじゃんか!俺も腹減ったしよー」
そう言って元太くんまで、私のもう片方の腕を掴んだ。
あぁ、もうどうしたらいい?
今すぐ走ってこの場を去りたいが、子ども二人の手を振り払うのは良心が咎める。
「さっき見えたこの喫茶店の店員さんイケメンだったから...」
もう私の頭はパニックだったのだと思う。
何かこの場を離れられる言い訳はないかと考えて、気づいたときにはとんでもないことを口走っていた。
「安室お兄さんのこと?イケメンじゃダメなの?」
「分かりました!なまえさんは安室さんに一目惚れしてしまって、恥ずかしいんですね!」
違う、違くないけど違う。
私も何を言ってるんだ。
更に盛り上がる子どもたちに、このままでは店内に連れていかれそうだ。
「わ、私、イケメンを見ると蕁麻疹がでるの!私イケメンアレルギーなの!!」
私は道のど真ん中で、子供相手に何を宣言しているのだろう。
そんなアレルギーあるわけない。
道行く人たちが、変なものを見る目でチラチラと私を見ていく。
子どもたちは目が点だし、コナンくんにいたっては半目で苦笑いしている。
「いらっしゃい。入らないのかい?」
そして最悪なタイミングで店の扉を開けて出てきた彼と目が合って、時が止まったかのようだった。
1秒だったか、3秒だったのか、しかし私には永遠に感じられる程だった。
「安室さん!この女性がこの間話したみょうじなまえさんです!」
光彦くんが紹介してくれるが、私の周りだけ空気が存在しないかのように息が苦しかった。
自分で決めたことだろう?
もう逃げることはできない。
甘えるな、覚悟を決めろ。
「はじめまして。みょうじなまえと申します」
私は心の中で何度もごめんねと愛してるを繰り返しながら、彼に微笑んだ。
まずはどこに行くのかと聞くと、案内してくれるようで歩美ちゃんが私の手を引いて歩き出した。
「ここはね、よく皆で遊ぶ公園。それからあっちのパン屋さんのメロンパンは凄く美味しいんだよ」
子どもたちは、あっちこっちと私の手を引いて色々な場所を教えてくれた。
原作では出てこないような場所も知れて思いの外楽しかった。
しかし、あっと思った時には遅かった。
なんか漫画で見たことある景色だなと思った時には、少し先に毛利探偵事務所が見えていた。
もちろんその下は喫茶ポアロだ。
すぐさま回れ右したかったが、あいにく歩美ちゃんに手を掴まれていた為、それもできなかった。
どうしよう、と内心焦っている私とは反対に意気揚々とポアロのある方角に向かっていく子どもたち...
するとコナンくんから救いの手が差し伸べられた。
「おい、おめぇら、そろそろ夕方だし今日はこのくらいにして帰ろうぜ。なまえさんもあっちこっち連れ回されて疲れただろうしな」
コナンくん!!
なんていい子なのだろう。
多分実際は、零さんの事を組織のバーボンとして疑っている時期だから、私を近づけたくないと言うのが彼の本音だろうが、それはこの際どうでもいい。
利害が一致したのなら、お互いの思惑なんてものは二の次三の次だ。
「そうだね。みんなも帰りが遅くなるとお家の人が心配するよ。続きはまた今度にしようか」
そう言って、私もコナンくんに加勢するが子どもたちは納得してないようだ。
こうしている間にも子どもたちの歩みは止まらず、もうポアロは目と鼻の先だ。
そしてついに店の前まで来てしまったとき、光彦くんがいい事を思いついたというように、私が最も恐れていた事を言い出した。
「じゃあ、最後にポアロで休んでから今日は終わりにしませんか?せっかくここまで来ましたし」
お店を指差しながらそう言う光彦くんに、歩美ちゃんと元太くんが目を輝かせて「賛成!」とノリノリだ。
助けを求めるようにコナンくんを見るが、コナンくんはガラス越しに店内を見ていて鋭い目をしていた。
何かあったのかと、私もコナンくんの視線の先を見て固まってしまった。
零さんだ...
私の視線に気づいた零さんが、こっちを見てほんの少し目を見開いた。
心臓が激しく暴れだして、ドクドクと耳に響いて気分が悪い。
背中に冷たい汗が流れるのが分かる。
その時、ぐっと腕を引っ張られた。
「なまえお姉さん、お店入ろう?」
「歩美ちゃん、ごめん!お姉さん、このお店は入れないんだ。ホントにごめんね!」
こうなったら、コナンくんに怪しまれても仕方ない。
零さんに会うよりマシだ。
姿は見られてしまったが、この際それももうどうでもいい。
「えーなんでー?ポアロ来たことあるの?」
「来たことはないと思う、けど...」
「無意識に嫌がるって、もしかして、記憶が戻りそうなんじゃないですか?」
「じゃあ、やっぱり入ってみた方がいいじゃんか!俺も腹減ったしよー」
そう言って元太くんまで、私のもう片方の腕を掴んだ。
あぁ、もうどうしたらいい?
今すぐ走ってこの場を去りたいが、子ども二人の手を振り払うのは良心が咎める。
「さっき見えたこの喫茶店の店員さんイケメンだったから...」
もう私の頭はパニックだったのだと思う。
何かこの場を離れられる言い訳はないかと考えて、気づいたときにはとんでもないことを口走っていた。
「安室お兄さんのこと?イケメンじゃダメなの?」
「分かりました!なまえさんは安室さんに一目惚れしてしまって、恥ずかしいんですね!」
違う、違くないけど違う。
私も何を言ってるんだ。
更に盛り上がる子どもたちに、このままでは店内に連れていかれそうだ。
「わ、私、イケメンを見ると蕁麻疹がでるの!私イケメンアレルギーなの!!」
私は道のど真ん中で、子供相手に何を宣言しているのだろう。
そんなアレルギーあるわけない。
道行く人たちが、変なものを見る目でチラチラと私を見ていく。
子どもたちは目が点だし、コナンくんにいたっては半目で苦笑いしている。
「いらっしゃい。入らないのかい?」
そして最悪なタイミングで店の扉を開けて出てきた彼と目が合って、時が止まったかのようだった。
1秒だったか、3秒だったのか、しかし私には永遠に感じられる程だった。
「安室さん!この女性がこの間話したみょうじなまえさんです!」
光彦くんが紹介してくれるが、私の周りだけ空気が存在しないかのように息が苦しかった。
自分で決めたことだろう?
もう逃げることはできない。
甘えるな、覚悟を決めろ。
「はじめまして。みょうじなまえと申します」
私は心の中で何度もごめんねと愛してるを繰り返しながら、彼に微笑んだ。