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「なまえお姉さーん、こんにちはー」
「遊びにきたぞー」
「みんな、いらっしゃい。どうぞ、上がってー」
「「「お邪魔しまーす」」」
約束していた時間ピッタリに子ども達はマンションにやってきた。
「外、寒かったでしょう?今温かいココア作るね」
子どもたちをリビングに通してソファーに座るように言ってから、私はココアを作るためにキッチンに向かった。
コナンくんに元太くん、歩美ちゃん、光彦くん...あれ、そういえば哀ちゃんがいなかったな...
ふと疑問に思ったが、とりあえずココアを4人分作り、昨日買ったお菓子と一緒にリビングに持っていった。
「お待たせー。熱いから気をつけてねー」
「ありがとう、なまえお姉さん!」
「わぁ、すげー!!お菓子がいっぱいだ」
そう言って元太くんが真っ先に手を伸ばすが、光彦くんに咎められシュンとした顔で私を見てきた。
コナンくんは呆れたような顔をしている。
「ふふっ、よかったらお菓子もどうぞ」
「姉ちゃん、ありがとう!いただきまーす!!」
「あー元太くんばっかり、ずるーい!歩美のもとっといてよ」
私は子どもたちのやり取りが面白くて笑っていると、コナンくんがじっとこっちを見ているのに気づいた。
「コナンくん、どうかした?コナンくんも、お菓子食べていいんだよ?」
「えっ?いや、お菓子じゃなくて」
どうしたんだろう?と思って見ていると、コナンくんは、なんでもない、と首を振った。
そこで先程から気になっていた事を聞いてみた。
「そういえば、今日は哀ちゃんはどうしたの?」
「あ、そうでした!灰原さんから伝言を預かってるんです!」
「そうなの?」
「はい!灰原さんが今日はやる事があるから行けないけど、来週のクリスマスの日に博士の家でみんなでケーキを食べるから、一緒にどうかって」
「みんなでって、光彦くんたちも?」
「はい!博士がケーキ屋さんに予約してくれたんです」
そういえば来週はクリスマスか。
すっかり忘れていた。
一人でクリスマスを過ごすのも寂しいが、
いきなり混ざって迷惑じゃないだろうか?
「ホントにお邪魔してもいいの?迷惑じゃない?」
「迷惑なんかじゃないよ!だって、最初に哀ちゃんがなまえお姉さんも誘おうって歩美たちに言ってきたんだよ」
歩美ちゃんがニコニコとそう教えてくれた。
組織から身を隠す彼女にとって、私は警戒の対象になってしまうかもしれないと思っていたから、友達と言ってくれたり、こうして誘ってくれるのは凄く嬉しい。
「そうなんだ、ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔させて下さいって哀ちゃんとアガサ博士に伝えてくれる?」
「やったー!」
「なまえさんが来てくれるって言ったら、灰原さんも喜びます!」
「ケーキ楽しみだな!」
そう言って、嬉しそうにしてくれる子どもたちに私まで嬉しくなった。
この世界の人たちは皆暖かくて、一緒にいると心がポカポカしてくる。
零さんは命を懸けてこの国を守っている。
それは、この国に生きる人々を守る事と同じだ。
間接的だとしても、零さんが命を懸けてこの子達を守っている。
こうして私やこの子達が安心して笑っていられるのは、零さんやこの国のために働いている多くの人々のおかげなのだ。
だが、今零さんの隣には誰かいるだろうか?
私には今、私を守ろうとしてくれる人やこうして一緒に笑ってくれる人たちがいる。
でも、零さんは...?
「...さん、なまえさん!」
いつの間にかコナンくんが目の前にいて、私は驚いて飛び上がってしまった。
考え事に夢中でボーッとしてしまったようだ。
「ご、ごめんね?なんだっけ?」
「なまえさん、大丈夫?疲れちゃった?」
コナンくんが心配そうに問いかけてきた。
よく見ると、歩美ちゃんたちまでもが心配そうに私を見ていた。
「大丈夫だよ!ごめんね、ちょっと考え事してただけだから。それで、どうかした?」
「うん、これから皆で一緒に町を歩いてみようかってなったんだ。もしかしたらなまえさんの記憶を戻す手掛かりが見つかるかもしれないし」
正直、あまり行きたくなかった。
だって本当は記憶はあって、私はこの子たちを騙しているのだ。
でも、こうして私のために色々考えて、協力しようとしてくれているこの子たちの気持ちを無下にすることもできなかった。
「みんな、ありがとう。じゃあ、ちょっとだけ一緒に行ってもらってもいい?」
そう言うと、子どもたちは大喜びで、じゃあ早く行こうと玄関に向かって走って行ってしまった。
私はそっと肩をすくめ、子どもたちが飲んだココアのカップを流しに下げてからコートを取りにクローゼットに向かった。
玄関から外の通路に出ると、コナンくんが待っていてくれて他の子たちは先に下に行ったと教えてくれた。
「ねぇ、なまえさん、やっぱりまだ何も思い出さない?」
二人でエレベーターに乗っていると、突然コナンくんがそう聞いてきて、私はドキッとしてしまった。
なんだか、コナンくんは私の秘密に気づこうとしているのではないかと、なんとなくそう思った。
「うん。まだ何も...ごめんね」
「ううん。大丈夫だよ」
コナンくんは何か言いたそうな顔をしているが、私は気づかないフリをして話を変えた。
「私、仕事を探そうと思うんだ。いつまでもこのまま皆に甘えてる訳にもいかないしね」
「そんな無理しなくていいんだよ!沖矢さんも別に気にしてないし」
「ありがとね、コナンくん。でも私もちゃんと一人で歩けるようにならないとだから」
そう言ってコナンくんに笑いかけてから、私はエレベーターを降りて子どもたちの方に歩き出した。
「遊びにきたぞー」
「みんな、いらっしゃい。どうぞ、上がってー」
「「「お邪魔しまーす」」」
約束していた時間ピッタリに子ども達はマンションにやってきた。
「外、寒かったでしょう?今温かいココア作るね」
子どもたちをリビングに通してソファーに座るように言ってから、私はココアを作るためにキッチンに向かった。
コナンくんに元太くん、歩美ちゃん、光彦くん...あれ、そういえば哀ちゃんがいなかったな...
ふと疑問に思ったが、とりあえずココアを4人分作り、昨日買ったお菓子と一緒にリビングに持っていった。
「お待たせー。熱いから気をつけてねー」
「ありがとう、なまえお姉さん!」
「わぁ、すげー!!お菓子がいっぱいだ」
そう言って元太くんが真っ先に手を伸ばすが、光彦くんに咎められシュンとした顔で私を見てきた。
コナンくんは呆れたような顔をしている。
「ふふっ、よかったらお菓子もどうぞ」
「姉ちゃん、ありがとう!いただきまーす!!」
「あー元太くんばっかり、ずるーい!歩美のもとっといてよ」
私は子どもたちのやり取りが面白くて笑っていると、コナンくんがじっとこっちを見ているのに気づいた。
「コナンくん、どうかした?コナンくんも、お菓子食べていいんだよ?」
「えっ?いや、お菓子じゃなくて」
どうしたんだろう?と思って見ていると、コナンくんは、なんでもない、と首を振った。
そこで先程から気になっていた事を聞いてみた。
「そういえば、今日は哀ちゃんはどうしたの?」
「あ、そうでした!灰原さんから伝言を預かってるんです!」
「そうなの?」
「はい!灰原さんが今日はやる事があるから行けないけど、来週のクリスマスの日に博士の家でみんなでケーキを食べるから、一緒にどうかって」
「みんなでって、光彦くんたちも?」
「はい!博士がケーキ屋さんに予約してくれたんです」
そういえば来週はクリスマスか。
すっかり忘れていた。
一人でクリスマスを過ごすのも寂しいが、
いきなり混ざって迷惑じゃないだろうか?
「ホントにお邪魔してもいいの?迷惑じゃない?」
「迷惑なんかじゃないよ!だって、最初に哀ちゃんがなまえお姉さんも誘おうって歩美たちに言ってきたんだよ」
歩美ちゃんがニコニコとそう教えてくれた。
組織から身を隠す彼女にとって、私は警戒の対象になってしまうかもしれないと思っていたから、友達と言ってくれたり、こうして誘ってくれるのは凄く嬉しい。
「そうなんだ、ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔させて下さいって哀ちゃんとアガサ博士に伝えてくれる?」
「やったー!」
「なまえさんが来てくれるって言ったら、灰原さんも喜びます!」
「ケーキ楽しみだな!」
そう言って、嬉しそうにしてくれる子どもたちに私まで嬉しくなった。
この世界の人たちは皆暖かくて、一緒にいると心がポカポカしてくる。
零さんは命を懸けてこの国を守っている。
それは、この国に生きる人々を守る事と同じだ。
間接的だとしても、零さんが命を懸けてこの子達を守っている。
こうして私やこの子達が安心して笑っていられるのは、零さんやこの国のために働いている多くの人々のおかげなのだ。
だが、今零さんの隣には誰かいるだろうか?
私には今、私を守ろうとしてくれる人やこうして一緒に笑ってくれる人たちがいる。
でも、零さんは...?
「...さん、なまえさん!」
いつの間にかコナンくんが目の前にいて、私は驚いて飛び上がってしまった。
考え事に夢中でボーッとしてしまったようだ。
「ご、ごめんね?なんだっけ?」
「なまえさん、大丈夫?疲れちゃった?」
コナンくんが心配そうに問いかけてきた。
よく見ると、歩美ちゃんたちまでもが心配そうに私を見ていた。
「大丈夫だよ!ごめんね、ちょっと考え事してただけだから。それで、どうかした?」
「うん、これから皆で一緒に町を歩いてみようかってなったんだ。もしかしたらなまえさんの記憶を戻す手掛かりが見つかるかもしれないし」
正直、あまり行きたくなかった。
だって本当は記憶はあって、私はこの子たちを騙しているのだ。
でも、こうして私のために色々考えて、協力しようとしてくれているこの子たちの気持ちを無下にすることもできなかった。
「みんな、ありがとう。じゃあ、ちょっとだけ一緒に行ってもらってもいい?」
そう言うと、子どもたちは大喜びで、じゃあ早く行こうと玄関に向かって走って行ってしまった。
私はそっと肩をすくめ、子どもたちが飲んだココアのカップを流しに下げてからコートを取りにクローゼットに向かった。
玄関から外の通路に出ると、コナンくんが待っていてくれて他の子たちは先に下に行ったと教えてくれた。
「ねぇ、なまえさん、やっぱりまだ何も思い出さない?」
二人でエレベーターに乗っていると、突然コナンくんがそう聞いてきて、私はドキッとしてしまった。
なんだか、コナンくんは私の秘密に気づこうとしているのではないかと、なんとなくそう思った。
「うん。まだ何も...ごめんね」
「ううん。大丈夫だよ」
コナンくんは何か言いたそうな顔をしているが、私は気づかないフリをして話を変えた。
「私、仕事を探そうと思うんだ。いつまでもこのまま皆に甘えてる訳にもいかないしね」
「そんな無理しなくていいんだよ!沖矢さんも別に気にしてないし」
「ありがとね、コナンくん。でも私もちゃんと一人で歩けるようにならないとだから」
そう言ってコナンくんに笑いかけてから、私はエレベーターを降りて子どもたちの方に歩き出した。