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みょうじ
なまえ

「なぁなぁ、なんで最初姉ちゃん泣いてたんだ?」

「みんなが優しいから、嬉しくて泣いてたんだよ」

元太くんに痛いところをつかれてしまった...
大人のくせに、人前で泣いて、しかも子どもたちにまで見られてしまうなんて恥ずかしすぎる。

なまえお姉さんは、いくつ?なんのお仕事してるの?哀ちゃんのお友達?」
「俺も俺も!姉ちゃんの好きな食べ物はなんだ?やっぱりうな重か?」
「うな重が好きなのは元太くんでしょう」

「えっと...」

そして子どもたちからの怒涛の質問攻めが始まった。
なんて答えたらいいんだ...
私記憶がないの、なんてこんな子どもたちに言ってもいいのだろうか?

「おめぇら、なまえさんは記憶喪失なんだよ。だから、あんまり困らせるなよ」

どうしたものかと考えていると、先にコナンくんが子どもたちに言ってしまった。

「きおくそーしつってなんだ?」
「記憶喪失とは、記憶を失くしてしまうことですよ。つまり自分の事や友達の事、今までの思い出なども忘れてしまうんです」
「えーなまえお姉さん記憶がないのー!?かわいそう」
「じゃあ、俺たちで姉ちゃんの記憶を取り戻そうぜ!」
「少年探偵団の出番ですね!」

私を差し置いてどんどん盛り上がっていく子どもたちを、どうする事もできず見ているしかなかった。
助けを求めようとコナンくんを見るが、彼は頭を掻きながらため息をついていた。
もうこうなった子どもたちを止める事は無理なようだ。

なまえお姉さん、私たちがお姉さんの記憶を取り戻してあげるね!」
「でも、私今日みんなと会ったばっかりだし...」
「お姉さん哀ちゃんのお友達なんでしょ?なら、歩美たちとも友達だよ!」

いいのだろうか...
本当は記憶を失っていないのに、こんな純粋な子どもたちまで巻き込んで...
それに、私は命を狙われる危険があるからとFBIに保護されているのだ。
そんな私と関わる事で子どもたちにまで危険が及ぶかもしれない。
零さんを守りたいのは事実だが、だからといって他の人が傷ついてもいいと思っている訳じゃない。
できるなら、誰も傷つかないように守りたい。
だが、そんな力は私には無い訳で、だったらあまり関わりを持たない方がいいのではないか?
そう考えたところで、哀ちゃんと目が合うと少し呆れたように笑われた。

「別にいいんじゃない?私たち、友達のようだし」

あなたにも何か事情があるようだけど、と最後に哀ちゃんは付け足した。

まだ少し迷いはあるけれど、本音を言えばここにいる皆の気持ちが嬉しかった。

前にトリップした時は、零さんしか頼る人がいなかった。
でも、今回は赤井さんやコナンくんを始め、アガサ博士や哀ちゃん、少年探偵団の皆がこうして私を助けようとしてくれる。
皆を騙している事に罪悪感はあるけれど、私はどうしようもない程それが嬉しかった。

だから、私も皆を助けたいと思った。
何もないのが一番だけど、もし今後皆に何かあった時は、少しでも力になりたい。
それが皆に嘘をつく私の償いになればいい。

「ありがとう、皆」

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