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ピーンポーン...ガチャリ
アガサ博士の家の前に到着し、インターホンを鳴らしてから、コナンくんは玄関の扉を開けた。
勝手に玄関を開けるなら、インターホンを押す必要はあったのだろうか?と思いながら、私もコナンくんに続いて家に入った。
「博士ー、なまえさん連れてきたぞー」
そう呼びかけながら、コナンくんは廊下をどんどん進んでいく。
「おぉコナンくんかー?すまんが今手が離せなくての。勝手に上がってきてくれんかー」
奥の方から、男性の声が返ってきた。
この家の家主、アガサ博士だ。
「たくっ、また何やってんだよ」
アガサ博士の家に着いてから、コナンくんは全く子供らしくない表情と話し方だ。
初めて実物の素の姿を見たが、違和感がありすぎる。
リビングの扉を開けると、甘くていい匂いがフワリと漂ってきた。
見ると、アガサ博士が何か揚げ物をしているようだった。
「博士、何してんだよ」
「すまんすまん、ドーナツを揚げておっての」
「んなの、別にいいってのに」
「あら、博士はあなた達が来るからってわざわざ作ってるのに随分なんじゃない?」
誰もいないと思っていたソファーから、女の子の声がした。
そうか、博士は私達の為にドーナツを...って、そうじゃなくてこの声は...
「なんだ、灰原ここにいたのかよ」
「ここに私がいたら都合でも悪いのかしら、探偵さんは」
「んな事誰も言ってねーだろ?」
見た目は子供だが、大人のようなやり取りをする二人を見ながら、私は所在なさげに立ち尽くしていた。
なんだか私、空気になってない?
挨拶もしてないし、勧められてもいないのにソファーに座る訳にもいかないし...
初めてお邪魔するお宅で、こうも放置されるとは...
「これこれ、二人とも。なまえくんが困っておるじゃろ」
「あ、ごめんね。なまえさん。ここに座って」
やっとコナンくんが私に気づいてくれて、ソファーの自分の隣をポンポンしている。
それに従ってコナンくんの隣に腰を下ろした。
「わしは、阿笠博士じゃ。こっちは灰原哀くん。なまえくんの事は、コナンくんから聞いておるよ。大変じゃったのぅ」
「あ、ご挨拶が遅くなって、すみません!改めて、みょうじなまえです。よろしくお願いします。哀ちゃんもよろしくね」
アガサ博士が自己紹介してくれて、私も慌てて挨拶をした。
哀ちゃんにもニコリと微笑むが、よろしく、と実にクールな対応だった。
目の前のテーブルには、揚げたてのドーナツにカップから湯気を立てる紅茶が置かれている。
ドーナツ凄く美味しそう...
「あまり気を落とさずにの。寂しくなったら、いつでもここに来ていいぞぃ、なぁ哀くん」
「...えぇ、お茶くらいは出してあげるわ」
二人の優しさに触れ、涙が出た。
突如泣き出した私に、博士とコナンくんは慌てて、哀ちゃんはそんな私をじっと見ていた。
なんでこの世界の人は皆こんなにいい人なのだろう。
今日初めて会った他人に、なぜこんなに優しくできるのだろう。
そんな人達を騙している私は、なんて酷い人間なのだろうか。
「あ、ありがとうございます...わた、わたし本当は...」
良心の呵責に苛まれ、うっかり本当の事を喋ってしまいそうになったその時、玄関の方から声がした。
「博士ー、遊びに来たぞー」
「こんにちはー」
「元太くん、人の家に上がる時はお邪魔しますですよ!」
ドタドタとこちらに向かってくる足音がして、勢いよくリビングの扉が開いた。
「遊びに来たぞー、あれ?なんかいい匂いがする...」
「もう元太くん、先に行かないでくださいよー」
「あれ?このお姉さん誰ー?」
一気に部屋が賑やかになり、涙が一瞬で引っ込んだ。
突然の乱入にびっくりしたが、正直このタイミングは有難かった。
子供たちが来なければ、私は何を口走ろうとしていたのか。
覚悟していたはずなのに...
例え、世界中の人を騙す事になろうとも、零さんだけは必ず守ると。
「あなた達、うるさいわよ。彼女びっくりしてるじゃない」
「まぁまぁ、哀くん。すまんのなまえくん。この子らは近所の子どもたちなんじゃ」
「はじめまして!私は吉田歩美だよー」
「俺小嶋元太!よろしくな、ねぇちゃん」
「僕は円谷光彦です!よろしくお願いします」
「はじめまして。みょうじなまえです。よろしくね、みんな」
子どもたちが元気よく自己紹介してくれたので、私もそれに応えるように涙を拭いて明るく自己紹介した。
アガサ博士の家の前に到着し、インターホンを鳴らしてから、コナンくんは玄関の扉を開けた。
勝手に玄関を開けるなら、インターホンを押す必要はあったのだろうか?と思いながら、私もコナンくんに続いて家に入った。
「博士ー、なまえさん連れてきたぞー」
そう呼びかけながら、コナンくんは廊下をどんどん進んでいく。
「おぉコナンくんかー?すまんが今手が離せなくての。勝手に上がってきてくれんかー」
奥の方から、男性の声が返ってきた。
この家の家主、アガサ博士だ。
「たくっ、また何やってんだよ」
アガサ博士の家に着いてから、コナンくんは全く子供らしくない表情と話し方だ。
初めて実物の素の姿を見たが、違和感がありすぎる。
リビングの扉を開けると、甘くていい匂いがフワリと漂ってきた。
見ると、アガサ博士が何か揚げ物をしているようだった。
「博士、何してんだよ」
「すまんすまん、ドーナツを揚げておっての」
「んなの、別にいいってのに」
「あら、博士はあなた達が来るからってわざわざ作ってるのに随分なんじゃない?」
誰もいないと思っていたソファーから、女の子の声がした。
そうか、博士は私達の為にドーナツを...って、そうじゃなくてこの声は...
「なんだ、灰原ここにいたのかよ」
「ここに私がいたら都合でも悪いのかしら、探偵さんは」
「んな事誰も言ってねーだろ?」
見た目は子供だが、大人のようなやり取りをする二人を見ながら、私は所在なさげに立ち尽くしていた。
なんだか私、空気になってない?
挨拶もしてないし、勧められてもいないのにソファーに座る訳にもいかないし...
初めてお邪魔するお宅で、こうも放置されるとは...
「これこれ、二人とも。なまえくんが困っておるじゃろ」
「あ、ごめんね。なまえさん。ここに座って」
やっとコナンくんが私に気づいてくれて、ソファーの自分の隣をポンポンしている。
それに従ってコナンくんの隣に腰を下ろした。
「わしは、阿笠博士じゃ。こっちは灰原哀くん。なまえくんの事は、コナンくんから聞いておるよ。大変じゃったのぅ」
「あ、ご挨拶が遅くなって、すみません!改めて、みょうじなまえです。よろしくお願いします。哀ちゃんもよろしくね」
アガサ博士が自己紹介してくれて、私も慌てて挨拶をした。
哀ちゃんにもニコリと微笑むが、よろしく、と実にクールな対応だった。
目の前のテーブルには、揚げたてのドーナツにカップから湯気を立てる紅茶が置かれている。
ドーナツ凄く美味しそう...
「あまり気を落とさずにの。寂しくなったら、いつでもここに来ていいぞぃ、なぁ哀くん」
「...えぇ、お茶くらいは出してあげるわ」
二人の優しさに触れ、涙が出た。
突如泣き出した私に、博士とコナンくんは慌てて、哀ちゃんはそんな私をじっと見ていた。
なんでこの世界の人は皆こんなにいい人なのだろう。
今日初めて会った他人に、なぜこんなに優しくできるのだろう。
そんな人達を騙している私は、なんて酷い人間なのだろうか。
「あ、ありがとうございます...わた、わたし本当は...」
良心の呵責に苛まれ、うっかり本当の事を喋ってしまいそうになったその時、玄関の方から声がした。
「博士ー、遊びに来たぞー」
「こんにちはー」
「元太くん、人の家に上がる時はお邪魔しますですよ!」
ドタドタとこちらに向かってくる足音がして、勢いよくリビングの扉が開いた。
「遊びに来たぞー、あれ?なんかいい匂いがする...」
「もう元太くん、先に行かないでくださいよー」
「あれ?このお姉さん誰ー?」
一気に部屋が賑やかになり、涙が一瞬で引っ込んだ。
突然の乱入にびっくりしたが、正直このタイミングは有難かった。
子供たちが来なければ、私は何を口走ろうとしていたのか。
覚悟していたはずなのに...
例え、世界中の人を騙す事になろうとも、零さんだけは必ず守ると。
「あなた達、うるさいわよ。彼女びっくりしてるじゃない」
「まぁまぁ、哀くん。すまんのなまえくん。この子らは近所の子どもたちなんじゃ」
「はじめまして!私は吉田歩美だよー」
「俺小嶋元太!よろしくな、ねぇちゃん」
「僕は円谷光彦です!よろしくお願いします」
「はじめまして。みょうじなまえです。よろしくね、みんな」
子どもたちが元気よく自己紹介してくれたので、私もそれに応えるように涙を拭いて明るく自己紹介した。