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「変装解いて大丈夫なの?」
先ほど勢いよく入ってきたコナンくんは、困惑したような顔をして赤井さんと私を交互に見ながら言った。
「あぁ、問題ない。だが、キーパーソンについては少し状況が変わってな」
赤井さんは、チラリと私を見てきた。
それで、彼が記憶喪失の事を言っているのだと分かった。
おそらく、私が組織の情報を持っていると推測してコナンくんを呼んでいたのだろう。
しかし、蓋を開けてみれば私は記憶を失くしていた、といったところか。
「状況が変わったって?」
「原因は分からないが、彼女は記憶を失くしてしまっているようでな。赤井の姿で会えば何か思い出すかと思ったんだが、ダメだったよ」
「だから、変装を解いたんだね。お姉さん、大丈夫?名前は分かる?」
コナンくんは、もう状況を把握したようで、私に心配そうに聞いてきた。
本当は全部分かるけど、ここでも私は知らないフリをしなければならない。
「...体はなんともないから大丈夫だよ。でも、自分が誰なのかとか、どうしてここにいるのかとか、何も分からないの。ごめんね」
「そっかぁ、ゆっくり思い出していけば大丈夫だよ!」
「ありがとう。ボク、名前は?」
「僕の名前は、江戸川コナンだよ。僕、お姉さんの記憶が早く戻るようにお手伝いしたいな」
え、それってコナンくんと関わる機会が増えちゃうよね?
そんなことになったら、私の下手な演技なんて、すぐに見破られてしまいそうだ。
「コナンくん、ありがとう。でも、そこまで迷惑を掛けるわけにはいかないから、大丈夫だよ」
「大丈夫ってお姉さん記憶がないのに、どうするの?住んでる場所とか分かるの?頼れる人は?」
「...」
コナンくん、怖い。
ちょっと話しただけで質問攻めだよ。
もう私、今日ここでバレてしまうんじゃないだろうか。
でも、どうしよう...
コナンくんの言う通り、この先どうするか考えていなかった。
今回も突然こちらの世界に来てしまったから、前回と同じく身一つの無一文状態だ。
記憶がない事になっているから、自分の家も分かるはずがない。
そもそも、この世界に私の家はないのだが。
そういえば一度目にトリップした時に借りたアパートはどうなっているのだろう?
仕方なかったのだが、花屋のバイトも何も言わずに突然行けなくなってしまった。
花屋の店長や奥さん、アパートの大家さんにきっと凄く迷惑をかけてしまっただろう。
本当に良くしてもらったのに申し訳ない。
そう思って無言で俯いてしまった私を、困っていると思ったのかコナンくんが励ますように話しだした。
「お姉さん、大丈夫だよ!記憶が戻るまで僕の家に来る?」
「え、コナンくんの家?いやいや、それはご家族にもご迷惑じゃ...」
あんなポアロの二階になんて住んだら、すぐに零さんに会ってしまう。
それだけは、なんとしても阻止したい。
「僕も居候だから、聞いてみるよ!」
「でも、役所とか病院に言って事情を話せば、保護してもらえたりしないかな?」
スマホを取り出したコナンくんの手を掴んで慌てて止めた。
零さんが作ってくれた戸籍がそのまま残っていれば、それも可能なのではと思った。
もしかしたら、消されてるかもとも思ったが、なんとなく零さんは残しておいてくれている気がした。
「彼女の名前は、みょうじなまえ。住所はあるにはあるが、その住所のアパートは三年前に既に引き払われているようだ」
ずっと黙っていた赤井さんが突然話し始めた。
三年前に引き払われている、という事は私が元の世界に戻ってからこちらの世界は少なくとも三年は経っているという事か。
あちらでは三ヶ月しか経っていなかったのに。
「三年前に屋上で会ったときに、俺の事や組織の事を知っているようだったから、色々調べさせてもらったんだ。まぁ、至って普通の一般人だったがな」
それから赤井さんは私の事を探したが、今日の今日まで見つからなかったと言った。
それはそうだ。この世界にいなかったのだから、見つからないのは当然だ。
「みょうじなまえさんっていうんだね。名前だけでも分かってよかったね。でも、アパートが引き払われているって事は、なまえお姉さんはどこから来たんだろうね?」
「そ、そうだね」
そう言うコナンくんに私は頬が引き攣りそうになった。
別の世界から来ました、なんて言えるはずがない。
どうしたら、この場を切り抜けられるか頭をフル回転させていると、
「彼女は、FBIで保護しよう」
今夜はカレーにしよう、くらいの軽いノリで赤井さんはそう言った。
先ほど勢いよく入ってきたコナンくんは、困惑したような顔をして赤井さんと私を交互に見ながら言った。
「あぁ、問題ない。だが、キーパーソンについては少し状況が変わってな」
赤井さんは、チラリと私を見てきた。
それで、彼が記憶喪失の事を言っているのだと分かった。
おそらく、私が組織の情報を持っていると推測してコナンくんを呼んでいたのだろう。
しかし、蓋を開けてみれば私は記憶を失くしていた、といったところか。
「状況が変わったって?」
「原因は分からないが、彼女は記憶を失くしてしまっているようでな。赤井の姿で会えば何か思い出すかと思ったんだが、ダメだったよ」
「だから、変装を解いたんだね。お姉さん、大丈夫?名前は分かる?」
コナンくんは、もう状況を把握したようで、私に心配そうに聞いてきた。
本当は全部分かるけど、ここでも私は知らないフリをしなければならない。
「...体はなんともないから大丈夫だよ。でも、自分が誰なのかとか、どうしてここにいるのかとか、何も分からないの。ごめんね」
「そっかぁ、ゆっくり思い出していけば大丈夫だよ!」
「ありがとう。ボク、名前は?」
「僕の名前は、江戸川コナンだよ。僕、お姉さんの記憶が早く戻るようにお手伝いしたいな」
え、それってコナンくんと関わる機会が増えちゃうよね?
そんなことになったら、私の下手な演技なんて、すぐに見破られてしまいそうだ。
「コナンくん、ありがとう。でも、そこまで迷惑を掛けるわけにはいかないから、大丈夫だよ」
「大丈夫ってお姉さん記憶がないのに、どうするの?住んでる場所とか分かるの?頼れる人は?」
「...」
コナンくん、怖い。
ちょっと話しただけで質問攻めだよ。
もう私、今日ここでバレてしまうんじゃないだろうか。
でも、どうしよう...
コナンくんの言う通り、この先どうするか考えていなかった。
今回も突然こちらの世界に来てしまったから、前回と同じく身一つの無一文状態だ。
記憶がない事になっているから、自分の家も分かるはずがない。
そもそも、この世界に私の家はないのだが。
そういえば一度目にトリップした時に借りたアパートはどうなっているのだろう?
仕方なかったのだが、花屋のバイトも何も言わずに突然行けなくなってしまった。
花屋の店長や奥さん、アパートの大家さんにきっと凄く迷惑をかけてしまっただろう。
本当に良くしてもらったのに申し訳ない。
そう思って無言で俯いてしまった私を、困っていると思ったのかコナンくんが励ますように話しだした。
「お姉さん、大丈夫だよ!記憶が戻るまで僕の家に来る?」
「え、コナンくんの家?いやいや、それはご家族にもご迷惑じゃ...」
あんなポアロの二階になんて住んだら、すぐに零さんに会ってしまう。
それだけは、なんとしても阻止したい。
「僕も居候だから、聞いてみるよ!」
「でも、役所とか病院に言って事情を話せば、保護してもらえたりしないかな?」
スマホを取り出したコナンくんの手を掴んで慌てて止めた。
零さんが作ってくれた戸籍がそのまま残っていれば、それも可能なのではと思った。
もしかしたら、消されてるかもとも思ったが、なんとなく零さんは残しておいてくれている気がした。
「彼女の名前は、みょうじなまえ。住所はあるにはあるが、その住所のアパートは三年前に既に引き払われているようだ」
ずっと黙っていた赤井さんが突然話し始めた。
三年前に引き払われている、という事は私が元の世界に戻ってからこちらの世界は少なくとも三年は経っているという事か。
あちらでは三ヶ月しか経っていなかったのに。
「三年前に屋上で会ったときに、俺の事や組織の事を知っているようだったから、色々調べさせてもらったんだ。まぁ、至って普通の一般人だったがな」
それから赤井さんは私の事を探したが、今日の今日まで見つからなかったと言った。
それはそうだ。この世界にいなかったのだから、見つからないのは当然だ。
「みょうじなまえさんっていうんだね。名前だけでも分かってよかったね。でも、アパートが引き払われているって事は、なまえお姉さんはどこから来たんだろうね?」
「そ、そうだね」
そう言うコナンくんに私は頬が引き攣りそうになった。
別の世界から来ました、なんて言えるはずがない。
どうしたら、この場を切り抜けられるか頭をフル回転させていると、
「彼女は、FBIで保護しよう」
今夜はカレーにしよう、くらいの軽いノリで赤井さんはそう言った。