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「どうですか?」
「おいしいです...とても...」
「それはよかった」
煮込み料理はなかなか奥が深いんですよ、なんて微笑むイケメンの前で、カレーを食べる私。
二度目のトリップ後、記憶を失くしたフリをすることにしたのだが、何故かリビングに連れて行かれ、あれよあれよという間にソファーに座らされてもう私にはカレーを食べる道しか残されていなかった。
ボロが出る前にここを離れなければと、掻き込むようにカレーを食べお皿をテーブルに戻すと、向かいのソファーで長い足を優雅に組んだ沖矢さんがじっとこちらを見ていた。
どうやら、ずっと見られていたようで恥ずかしい。早くここを離れたくて、部活終わりの男子高校生のようにカレーを掻き込んでしまった。
羞恥心で、俯いていると突然頬に触れられた。
「頬にご飯粒がついていました。僕のカレーをそんなに気に入っていただけて嬉しいです」
私の頬についていたご飯粒を指先で取った彼は、そう言ってその取ったご飯粒を食べてから微笑んだ。
それけら沖矢さんは私が食べ終わった食器を片付けに行ってしまった。
もう私は、耳まで真っ赤になっていたと思う。
ごめんなさい、零さん。
私が好きなのはあなただけだけど、これは仕方ないと思います。イケメンって罪だよね。
高鳴る胸を落ち着けようと、目を閉じて深呼吸を繰り返していると、しばらくして沖矢さんが戻ってきた音がした。
彼の顔を見るとまたドキドキしてしまうので、私は顔を見ないように俯いたままでいた。
紅茶を目の前に置かれ、早く気持ちを落ち着かせたくてお礼を言ってからすぐにカップに口をつける。
「あっつ!」
温度を確認せずに、勢いよく飲んでしまった。
「大丈夫か?」
平気だと答えようとして、私の動きは止まった。
あれ、今の声赤井さんじゃなかった?
違うよね?気のせいだよね?
私が記憶がない(フリをしている)からって、そう簡単に正体を明かすはずないよね?
気のせいである事を願いながら、恐る恐る顔を上げると、そこにいたのはやはり変装を解いた赤井さんだった。
「...誰、ですか」
赤井さん、と叫ばなかった私を褒めてほしい。
驚きはしたものの、それは急にさっきと全く違う人物が目の前にいたからだと思われただろう。
「やはり、ダメか。俺を見たら、もしかしたら記憶が戻るかもしれんと思ったんだが」
そう言って、赤井さんはほんの少しだけ寂しそうな顔をした気がした。
正体まで明かしてくれた赤井さんに、私はどうしようもない程の罪悪感が湧き上がった。
本当は何も忘れてないし、赤井さんの事も知ってるのに。
いつまでバレずにいられるかは分からないが、これからこういう思いを抱えていかなければならないのか。
でも、きっと零さんに対して知らないフリをするのは、もっともっと辛いだろう。
「すみません、何も思い出せなくて...」
「いや、気にするな。むしろ記憶がない方が安全かもしれないからな」
安全?どういう意味だろうか。
どういう事ですか、と聞こうとしたところで勢いよく玄関の扉が開く音がした。
そして、子供のような軽い足音がどんどんこの部屋に近づいてくる。
「沖矢さん!組織の壊滅に繋がるキーパーソンが見つかったって...なんで、変装を...」
そう言いながら勢いよく入ってきたのは、予想した通り青いブレザーに赤い蝶ネクタイ、眼鏡を掛けた小学生だった。
「おいしいです...とても...」
「それはよかった」
煮込み料理はなかなか奥が深いんですよ、なんて微笑むイケメンの前で、カレーを食べる私。
二度目のトリップ後、記憶を失くしたフリをすることにしたのだが、何故かリビングに連れて行かれ、あれよあれよという間にソファーに座らされてもう私にはカレーを食べる道しか残されていなかった。
ボロが出る前にここを離れなければと、掻き込むようにカレーを食べお皿をテーブルに戻すと、向かいのソファーで長い足を優雅に組んだ沖矢さんがじっとこちらを見ていた。
どうやら、ずっと見られていたようで恥ずかしい。早くここを離れたくて、部活終わりの男子高校生のようにカレーを掻き込んでしまった。
羞恥心で、俯いていると突然頬に触れられた。
「頬にご飯粒がついていました。僕のカレーをそんなに気に入っていただけて嬉しいです」
私の頬についていたご飯粒を指先で取った彼は、そう言ってその取ったご飯粒を食べてから微笑んだ。
それけら沖矢さんは私が食べ終わった食器を片付けに行ってしまった。
もう私は、耳まで真っ赤になっていたと思う。
ごめんなさい、零さん。
私が好きなのはあなただけだけど、これは仕方ないと思います。イケメンって罪だよね。
高鳴る胸を落ち着けようと、目を閉じて深呼吸を繰り返していると、しばらくして沖矢さんが戻ってきた音がした。
彼の顔を見るとまたドキドキしてしまうので、私は顔を見ないように俯いたままでいた。
紅茶を目の前に置かれ、早く気持ちを落ち着かせたくてお礼を言ってからすぐにカップに口をつける。
「あっつ!」
温度を確認せずに、勢いよく飲んでしまった。
「大丈夫か?」
平気だと答えようとして、私の動きは止まった。
あれ、今の声赤井さんじゃなかった?
違うよね?気のせいだよね?
私が記憶がない(フリをしている)からって、そう簡単に正体を明かすはずないよね?
気のせいである事を願いながら、恐る恐る顔を上げると、そこにいたのはやはり変装を解いた赤井さんだった。
「...誰、ですか」
赤井さん、と叫ばなかった私を褒めてほしい。
驚きはしたものの、それは急にさっきと全く違う人物が目の前にいたからだと思われただろう。
「やはり、ダメか。俺を見たら、もしかしたら記憶が戻るかもしれんと思ったんだが」
そう言って、赤井さんはほんの少しだけ寂しそうな顔をした気がした。
正体まで明かしてくれた赤井さんに、私はどうしようもない程の罪悪感が湧き上がった。
本当は何も忘れてないし、赤井さんの事も知ってるのに。
いつまでバレずにいられるかは分からないが、これからこういう思いを抱えていかなければならないのか。
でも、きっと零さんに対して知らないフリをするのは、もっともっと辛いだろう。
「すみません、何も思い出せなくて...」
「いや、気にするな。むしろ記憶がない方が安全かもしれないからな」
安全?どういう意味だろうか。
どういう事ですか、と聞こうとしたところで勢いよく玄関の扉が開く音がした。
そして、子供のような軽い足音がどんどんこの部屋に近づいてくる。
「沖矢さん!組織の壊滅に繋がるキーパーソンが見つかったって...なんで、変装を...」
そう言いながら勢いよく入ってきたのは、予想した通り青いブレザーに赤い蝶ネクタイ、眼鏡を掛けた小学生だった。