25
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
......すか?だ...じょ......で...か?
んー、うるさいなぁ。
どうやら昨日飲みすぎたようで、ぐっすり眠る事には成功したが、頭がガンガンする。
二日酔いだ...
誰かが私の肩を揺すりながら、声を掛けているようだ。ん?誰か?
あれ、私自分のアパートで飲んでたはずなんだけど...
痛む頭を抑えながら、ゆっくり目を開くと、そこは知らない部屋だった。
え?デジャブ?
私は酒を飲んで寝ると知らない部屋にトリップする体質かなんかなの?
なに、その要らないスペック...
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈...夫......、え?」
突然横から声を掛けられて、とりあえず大丈夫ですと答えようとしたが、最後まで言う事はできなかった。
なぜなら目の前には、茶髪に眼鏡をかけた細目の好青年がいたから。
ねぇヒロさん、なんで?
最後に零さんによろしくって言ったよね?
よろしくしたいのは零さんだよね?
こっちじゃないよね?間違ってるよね?
ねぇなんで赤井さんの所なの?
「...あの、本当に大丈夫ですか?どこか具合でも...?」
ヒロさんが満面の笑みで親指を立ててくる姿が浮かんできて、呆然としている私の顔を赤井さん、今は沖矢さんが心配そうに覗き込んできた。
赤井さんが既に沖矢さんになっているという事は、ここはほぼ間違いなく工藤邸だ。
沖矢さんはほんの少し薄目を開けて、探るように私を見ている。
かなり怪しまれてしまっているようだ。
以前、あの屋上で赤井さんや組織について色々と知っている事を匂わせてしまったから、余計に疑われているのだろう。
もし赤井さんやあの見た目は子供な高校生探偵に色々と聞かれたら、零さんの事や私の事を上手いこと誤魔化せる自信がない。
最悪私の事はどうでもいい。
仮に全てを話しても信じてもらえないくらいで特に被害はない。
私の頭がおかしいと思われるだけだ。
だが、零さんは違う。
私がうっかり喋った事で赤井さんたちに零さんの正体がバレてしまうかもしれない。
いつかは気づかれる事なのだが、私がその原因にはなりたくない。
それに、原作と違うタイミングで気づかれた場合に零さんの身が危険に晒されない保証はどこにもないのだ。
赤井さんたちを信じてない訳じゃないが、零さんの立場はたった一つの小さなミスが命取りになる。
私は零さんの弱みになりたくない。
だから、私は一つの決意をしていた。
しかしこれをしたら、もう零さんとは会えない。
会えたとしても、もう私は以前の私ではいられないし、零さんと呼ぶ事もできない。
それでも、零さんを影ながら守れるならそれでいい。
小さく息を吐いてから、私はゆっくりと口を開いた。
「あの、ここはどこですか?私はなぜここにいるんでしょう?」
「僕が朝起きてきた時にはこの部屋にいたようですが。あなたの名前は?」
「私の名前...名前は...ごめんなさい、分かりません」
「では、あなたの家はどちらですか?」
「......ごめんなさい、分かりません」
フム、と言って沖矢さんは顎に手を当てて、しばらく考えていたようだが、やがてこう言った。
「どうやら、あなたは何らかの原因で記憶を失っているようだ」
そう、私が選んだのは全てをリセットする事。
一度目のトリップも、零さんと過ごした日々もヒロさんや赤井さんの事も全ての記憶を失くしたフリをする。
もとの世界の事もこの世界の事も何もない、何も知らない私でいること。
零さんを、大切な人を守ることが出来るなら、側にいられなくてもいい。
ヒロさんに頼まれた事は果たせそうにないが、心の中ではずっと零さんを想っているから、どうか許してほしい。
それが今私にできることだから。
んー、うるさいなぁ。
どうやら昨日飲みすぎたようで、ぐっすり眠る事には成功したが、頭がガンガンする。
二日酔いだ...
誰かが私の肩を揺すりながら、声を掛けているようだ。ん?誰か?
あれ、私自分のアパートで飲んでたはずなんだけど...
痛む頭を抑えながら、ゆっくり目を開くと、そこは知らない部屋だった。
え?デジャブ?
私は酒を飲んで寝ると知らない部屋にトリップする体質かなんかなの?
なに、その要らないスペック...
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈...夫......、え?」
突然横から声を掛けられて、とりあえず大丈夫ですと答えようとしたが、最後まで言う事はできなかった。
なぜなら目の前には、茶髪に眼鏡をかけた細目の好青年がいたから。
ねぇヒロさん、なんで?
最後に零さんによろしくって言ったよね?
よろしくしたいのは零さんだよね?
こっちじゃないよね?間違ってるよね?
ねぇなんで赤井さんの所なの?
「...あの、本当に大丈夫ですか?どこか具合でも...?」
ヒロさんが満面の笑みで親指を立ててくる姿が浮かんできて、呆然としている私の顔を赤井さん、今は沖矢さんが心配そうに覗き込んできた。
赤井さんが既に沖矢さんになっているという事は、ここはほぼ間違いなく工藤邸だ。
沖矢さんはほんの少し薄目を開けて、探るように私を見ている。
かなり怪しまれてしまっているようだ。
以前、あの屋上で赤井さんや組織について色々と知っている事を匂わせてしまったから、余計に疑われているのだろう。
もし赤井さんやあの見た目は子供な高校生探偵に色々と聞かれたら、零さんの事や私の事を上手いこと誤魔化せる自信がない。
最悪私の事はどうでもいい。
仮に全てを話しても信じてもらえないくらいで特に被害はない。
私の頭がおかしいと思われるだけだ。
だが、零さんは違う。
私がうっかり喋った事で赤井さんたちに零さんの正体がバレてしまうかもしれない。
いつかは気づかれる事なのだが、私がその原因にはなりたくない。
それに、原作と違うタイミングで気づかれた場合に零さんの身が危険に晒されない保証はどこにもないのだ。
赤井さんたちを信じてない訳じゃないが、零さんの立場はたった一つの小さなミスが命取りになる。
私は零さんの弱みになりたくない。
だから、私は一つの決意をしていた。
しかしこれをしたら、もう零さんとは会えない。
会えたとしても、もう私は以前の私ではいられないし、零さんと呼ぶ事もできない。
それでも、零さんを影ながら守れるならそれでいい。
小さく息を吐いてから、私はゆっくりと口を開いた。
「あの、ここはどこですか?私はなぜここにいるんでしょう?」
「僕が朝起きてきた時にはこの部屋にいたようですが。あなたの名前は?」
「私の名前...名前は...ごめんなさい、分かりません」
「では、あなたの家はどちらですか?」
「......ごめんなさい、分かりません」
フム、と言って沖矢さんは顎に手を当てて、しばらく考えていたようだが、やがてこう言った。
「どうやら、あなたは何らかの原因で記憶を失っているようだ」
そう、私が選んだのは全てをリセットする事。
一度目のトリップも、零さんと過ごした日々もヒロさんや赤井さんの事も全ての記憶を失くしたフリをする。
もとの世界の事もこの世界の事も何もない、何も知らない私でいること。
零さんを、大切な人を守ることが出来るなら、側にいられなくてもいい。
ヒロさんに頼まれた事は果たせそうにないが、心の中ではずっと零さんを想っているから、どうか許してほしい。
それが今私にできることだから。