23 降谷side
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目が覚めると、なまえさんがいなくなっていた。
昨夜、確かに俺は彼女をこの腕に閉じ込めて眠りについた。
それなのに朝目が覚めると、さっきまであったはずの温もりは消え失せ、初めからここには自分しかいなかったかのように彼女の気配はなかった。
ベッドの隣を触っても、シーツはもう冷たくなっていた。
俺は起き上がり、部屋中を探した。リビングに風呂場、トイレ、クローゼットの中まで探したが、彼女はどこにもいなかった。
だが気づいたことがあった。
それは、彼女が昨日着ていた服もコートもこの部屋に置いてあること。そして、玄関には彼女が履いていた靴がそのままあり、他の靴がなくなっていることもない。
玄関の鍵もかかっている。もちろん彼女が合鍵を持っていったということもない。
つまり、彼女はこの部屋から出たわけではない。
「不可能なものを除外していって、最後に残ったものが、例えどんなに信じられなくとも、それが真実...」
信じられないんじゃない、信じたくないのだ。
彼女が、なまえさんが、この世界から消えてしまったなんて...
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なまえさんがいなくなってから、3年がたった。
俺はしばらく彼女が元の世界に帰ったという、その真実を受け入れられずにいた。
彼女がバイトをしていた花屋にも行ったし、アパートを見張ったりもしてみた。
あらゆる権力を駆使し、自分の能力を総動員して彼女を探した。
しかし、何をしてもどこに行っても彼女は見つからなかった。
この3年の間、俺は相変わらず組織への潜入捜査を続けていた。
そして安室透は最近、探偵である毛利小五郎に弟子入りした。
そのため、普段は探偵事務所の下にある喫茶ポアロでアルバイトをしながら、弟子として毛利先生の事件に同行している。
正直、この探偵から学べる事はないに等しいが、組織の命令で裏切り者のシェリーの情報を集めるために近づいた。
そのシェリーも死んだ今、ここにいる必要はないのだが、気になる人物がいるため、しばらくはここで喫茶店員を続けるつもりだ。
それから、ライというコードネームを与えられ組織に潜入していた赤井秀一だ。
奴は組織にFBIだとバレて殺されたが、絶対に奴は生きている。
必ず奴を探し出して、スコッチの敵を討ってやる...
俺にはやるべき事も、果たすべき使命もある。
その目的のために、必要な数だけ顔を使い分けてきた。
でもこの3年、どれだけ別人を演じようが、心には必ず彼女がいた。
家に帰れば、もしかしたらと彼女の姿を探しているし、こうして満月の夜は月を眺めては、彼女が置いていったGPS付ネックレスを出してきてなまえさんのいる世界に繋いでくれたら...なんて願っている自分はなんて女々しいのかとも思う。
捨ててしまおうかと思ったが、それは出来なかった。
もし行けるなら、俺はどこへでも迎えに行くのに...
なぜ自分の大切なモノは全て手の届かない所へ行ってしまうのか。
俺は月に手を伸ばした。
もちろん掴むことのできないそれは、まるで彼女のようだった...
昨夜、確かに俺は彼女をこの腕に閉じ込めて眠りについた。
それなのに朝目が覚めると、さっきまであったはずの温もりは消え失せ、初めからここには自分しかいなかったかのように彼女の気配はなかった。
ベッドの隣を触っても、シーツはもう冷たくなっていた。
俺は起き上がり、部屋中を探した。リビングに風呂場、トイレ、クローゼットの中まで探したが、彼女はどこにもいなかった。
だが気づいたことがあった。
それは、彼女が昨日着ていた服もコートもこの部屋に置いてあること。そして、玄関には彼女が履いていた靴がそのままあり、他の靴がなくなっていることもない。
玄関の鍵もかかっている。もちろん彼女が合鍵を持っていったということもない。
つまり、彼女はこの部屋から出たわけではない。
「不可能なものを除外していって、最後に残ったものが、例えどんなに信じられなくとも、それが真実...」
信じられないんじゃない、信じたくないのだ。
彼女が、なまえさんが、この世界から消えてしまったなんて...
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なまえさんがいなくなってから、3年がたった。
俺はしばらく彼女が元の世界に帰ったという、その真実を受け入れられずにいた。
彼女がバイトをしていた花屋にも行ったし、アパートを見張ったりもしてみた。
あらゆる権力を駆使し、自分の能力を総動員して彼女を探した。
しかし、何をしてもどこに行っても彼女は見つからなかった。
この3年の間、俺は相変わらず組織への潜入捜査を続けていた。
そして安室透は最近、探偵である毛利小五郎に弟子入りした。
そのため、普段は探偵事務所の下にある喫茶ポアロでアルバイトをしながら、弟子として毛利先生の事件に同行している。
正直、この探偵から学べる事はないに等しいが、組織の命令で裏切り者のシェリーの情報を集めるために近づいた。
そのシェリーも死んだ今、ここにいる必要はないのだが、気になる人物がいるため、しばらくはここで喫茶店員を続けるつもりだ。
それから、ライというコードネームを与えられ組織に潜入していた赤井秀一だ。
奴は組織にFBIだとバレて殺されたが、絶対に奴は生きている。
必ず奴を探し出して、スコッチの敵を討ってやる...
俺にはやるべき事も、果たすべき使命もある。
その目的のために、必要な数だけ顔を使い分けてきた。
でもこの3年、どれだけ別人を演じようが、心には必ず彼女がいた。
家に帰れば、もしかしたらと彼女の姿を探しているし、こうして満月の夜は月を眺めては、彼女が置いていったGPS付ネックレスを出してきてなまえさんのいる世界に繋いでくれたら...なんて願っている自分はなんて女々しいのかとも思う。
捨ててしまおうかと思ったが、それは出来なかった。
もし行けるなら、俺はどこへでも迎えに行くのに...
なぜ自分の大切なモノは全て手の届かない所へ行ってしまうのか。
俺は月に手を伸ばした。
もちろん掴むことのできないそれは、まるで彼女のようだった...