20 降谷side
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スコッチが死んだ...
俺が後少し早くあの屋上へ着いていれば、スコッチが公安だとバレたことにもっと早く気づけていれば、と後悔してもしきれない。
俺はなんて無力なのだろうか...
あの後、スコッチをそのままに屋上を後にした。なまえさんが全身返り血で汚れていたので、裏道を選んでアパートに戻る。
途中で風見に連絡し、後処理を頼んだ。
アパートに着き、なまえさんに風呂を勧めるが、自分の姿に気づいていないのか彼女は渋った。仕方がないので、半ば押し込むように脱衣場に連れて行った。
風呂から上がった彼女は、俺のスウェットを着ているがやはり大きかったようで、ダボダボだった。
ずっと不安そうな顔をしている彼女に優しい言葉の一つくらいかけてやりたかったが、正直今はそんな余裕がなく逃げるようにシャワーを浴びに行った。
熱いシャワーを頭から浴びて、風呂場の鏡に映る自分自身を見た。
そこにいたのは、泣いているような情けない顔をした自分。
「くそッ」
スコッチを殺したライが憎くて、それと同時に何もできなかった自分が情けなくて、風呂場の壁を殴りつけた。
風呂から上がりリビングに戻ると、なまえさんがソファーの上で膝を抱えて顔をうずめていた。
なまえさん、と呼びかけるが反応がない。
もう一度呼ぶがそれでも聞こえていないようなので、大きめに呼ぶとハッとしたようにやっと顔を上げた。
俺の名前を呟いたので大丈夫かと問いかければ、泣きそうな苦しそうな顔をして何かを言いかけた。
そんななまえさんの顔を見たくなくて、俺は話を遮るように彼女の手を握ると、風呂上がりのはずなのにずっと外にいたかのように冷たかった。
俺は立ち上がり、ホットミルクを作ることにした。
鍋に牛乳を入れ、ゆっくりかき混ぜながら温める。最後に少しでも彼女が落ち着けるように蜂蜜を垂らした。
出来上がったホットミルクをマグカップに移し、ソファーに座る彼女に差し出した。
俺が慰めるようになまえさんの頭を撫でていると、やがてマグカップに口をつけた。
少し表情が和らいだ彼女に、俺もホッとした。
しかし、またすぐ険しい顔をして、なぜあそこにいたのか聞かないのかと尋ねてきた。
しかし彼女は自分で聞いておきながら、今にも壊れてしまいそうな顔をしていた。
だから、なまえさんが言いたくないことは聞くつもりはないと答えた。
それでも納得しないのか、彼女はスコッチが死んだのは自分のせいだと言い出した。
おそらく彼女はスコッチが死ぬことを知っていて助けようとあの場にいたのだと思う。
だが、例えそれで助けられなかったとしても、それは彼女のせいではない。
スコッチが死んだのは俺が無力だったからだと言えば、彼女はさらに辛そうな泣きそうな顔をした。
彼女が息を吸い込んで何かを言おうとした気配がして、思わずそんな彼女を強く抱きしめていた。
きっとなまえさんは、自分自身で言った言葉に傷ついてしまう気がしたから。まるで自分で自分に罰を与えるかのように。
俺は彼女を抱きしめながら、彼女までいなくなってしまうのではないかと怖くなった。
また、俺の手から零れ落ちてしまうのではないか?
彼女まで俺の手の届かない場所へ逝ってしまうのではないか?
お願いだから、これ以上俺から大切なものを奪わないでくれ...
俺は彼女の存在を確かめるように強く強く抱きしめた。
どうかあなただけは、俺の前からいなくならないで...
その夜、俺は彼女を抱きしめながら眠った。
俺が後少し早くあの屋上へ着いていれば、スコッチが公安だとバレたことにもっと早く気づけていれば、と後悔してもしきれない。
俺はなんて無力なのだろうか...
あの後、スコッチをそのままに屋上を後にした。なまえさんが全身返り血で汚れていたので、裏道を選んでアパートに戻る。
途中で風見に連絡し、後処理を頼んだ。
アパートに着き、なまえさんに風呂を勧めるが、自分の姿に気づいていないのか彼女は渋った。仕方がないので、半ば押し込むように脱衣場に連れて行った。
風呂から上がった彼女は、俺のスウェットを着ているがやはり大きかったようで、ダボダボだった。
ずっと不安そうな顔をしている彼女に優しい言葉の一つくらいかけてやりたかったが、正直今はそんな余裕がなく逃げるようにシャワーを浴びに行った。
熱いシャワーを頭から浴びて、風呂場の鏡に映る自分自身を見た。
そこにいたのは、泣いているような情けない顔をした自分。
「くそッ」
スコッチを殺したライが憎くて、それと同時に何もできなかった自分が情けなくて、風呂場の壁を殴りつけた。
風呂から上がりリビングに戻ると、なまえさんがソファーの上で膝を抱えて顔をうずめていた。
なまえさん、と呼びかけるが反応がない。
もう一度呼ぶがそれでも聞こえていないようなので、大きめに呼ぶとハッとしたようにやっと顔を上げた。
俺の名前を呟いたので大丈夫かと問いかければ、泣きそうな苦しそうな顔をして何かを言いかけた。
そんななまえさんの顔を見たくなくて、俺は話を遮るように彼女の手を握ると、風呂上がりのはずなのにずっと外にいたかのように冷たかった。
俺は立ち上がり、ホットミルクを作ることにした。
鍋に牛乳を入れ、ゆっくりかき混ぜながら温める。最後に少しでも彼女が落ち着けるように蜂蜜を垂らした。
出来上がったホットミルクをマグカップに移し、ソファーに座る彼女に差し出した。
俺が慰めるようになまえさんの頭を撫でていると、やがてマグカップに口をつけた。
少し表情が和らいだ彼女に、俺もホッとした。
しかし、またすぐ険しい顔をして、なぜあそこにいたのか聞かないのかと尋ねてきた。
しかし彼女は自分で聞いておきながら、今にも壊れてしまいそうな顔をしていた。
だから、なまえさんが言いたくないことは聞くつもりはないと答えた。
それでも納得しないのか、彼女はスコッチが死んだのは自分のせいだと言い出した。
おそらく彼女はスコッチが死ぬことを知っていて助けようとあの場にいたのだと思う。
だが、例えそれで助けられなかったとしても、それは彼女のせいではない。
スコッチが死んだのは俺が無力だったからだと言えば、彼女はさらに辛そうな泣きそうな顔をした。
彼女が息を吸い込んで何かを言おうとした気配がして、思わずそんな彼女を強く抱きしめていた。
きっとなまえさんは、自分自身で言った言葉に傷ついてしまう気がしたから。まるで自分で自分に罰を与えるかのように。
俺は彼女を抱きしめながら、彼女までいなくなってしまうのではないかと怖くなった。
また、俺の手から零れ落ちてしまうのではないか?
彼女まで俺の手の届かない場所へ逝ってしまうのではないか?
お願いだから、これ以上俺から大切なものを奪わないでくれ...
俺は彼女の存在を確かめるように強く強く抱きしめた。
どうかあなただけは、俺の前からいなくならないで...
その夜、俺は彼女を抱きしめながら眠った。