18 降谷side
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「悪い...降谷...奴らに...オレが公安だとバレた...逃げ場はもう...あの世にしかないようだ......じゃあな...ゼロ...」
早く、もっと早く...
頼む...間に合ってくれ......スコッチ...
俺はまた...大切なものを失うのか...?
全力で走って、やっと例のビルに辿り着いた。俺は休むことなく、ビルの非常階段を駆け上がる。
しかし、あともう少しで屋上だというところで、銃声が鳴り響いた。
俺は残りの階段を駆け上がり、屋上へ飛び込んだ。
そこで見た光景に、まるで全身が心臓になったかのような激しい鼓動の音が耳に響く。
「裏切りには、制裁をもって応える...だったよな」
そう言いながら、こちらを振り返ったのは顔に返り血をつけたライだった。
胸から血を流し、ぐったりと壁にもたれかかるスコッチ、スコッチに縋りつき俯く女の頭に拳銃を突き付けているライ。
何があったかを理解するには、この状況だけで十分だった...
「おい!スコッチ!!...くそッ」
俺はすぐにスコッチに走り寄り、呼びかけながら左胸に耳をあてるが、すでに鼓動は止まっていた。
「心臓の鼓動を聞いても無駄だ。死んでるよ。心臓を拳銃で撃ち抜いてやったからな」
「ライ...貴様ッ!!」
「聞いてないのか?そいつは、日本の公安の犬だぞ。残念なのは、やつの胸のポケットに入った携帯ごとぶち抜いてしまった事...おかげでそいつの身元は分からずじまい...幽霊を殺したようで気味が悪いぜ...だが...」
一度言葉を区切った奴は、拳銃を突き付けている女をチラリと見た。俺はライにつられるように女の顔を見て、ハッとした。
ここにいるはずのない彼女が、なまえさんがいる。
彼女は涙を流していて、なぜここにいるのか問い詰めたかったが、今ここで俺と彼女が知り合いだと分かれば、なまえさんの命が危ない。
「この子猫は、どうやらそいつと知り合いらしい。だから、この子猫から情報を聞き出せば、そいつの身元も分かるかもしれん。だが、生憎俺はそういうことは苦手でな。バーボン、君に任せよう。こういうことは君の方が得意だろう?」
奴はそう言って、拳銃を彼女の頭から下ろすとそのままジャケットの胸元へ仕舞い、こちらに背を向けて歩き出した。
呆然と奴の後姿を見ていると、突然立ち止まった。
「それから、個人的にだが、その子猫に興味が沸いた。だから、特別に組織には黙っておいてやろう」
そう言うと、今度こそ奴は屋上から消えた。
屋上に残ったのは、俺と冷たくなったスコッチ、それに縋りついて泣いているなまえさん、それからなぜあいつは彼女を見逃したのかという疑問だけだった。
俺はまた大切なものを一つ失った...
早く、もっと早く...
頼む...間に合ってくれ......スコッチ...
俺はまた...大切なものを失うのか...?
全力で走って、やっと例のビルに辿り着いた。俺は休むことなく、ビルの非常階段を駆け上がる。
しかし、あともう少しで屋上だというところで、銃声が鳴り響いた。
俺は残りの階段を駆け上がり、屋上へ飛び込んだ。
そこで見た光景に、まるで全身が心臓になったかのような激しい鼓動の音が耳に響く。
「裏切りには、制裁をもって応える...だったよな」
そう言いながら、こちらを振り返ったのは顔に返り血をつけたライだった。
胸から血を流し、ぐったりと壁にもたれかかるスコッチ、スコッチに縋りつき俯く女の頭に拳銃を突き付けているライ。
何があったかを理解するには、この状況だけで十分だった...
「おい!スコッチ!!...くそッ」
俺はすぐにスコッチに走り寄り、呼びかけながら左胸に耳をあてるが、すでに鼓動は止まっていた。
「心臓の鼓動を聞いても無駄だ。死んでるよ。心臓を拳銃で撃ち抜いてやったからな」
「ライ...貴様ッ!!」
「聞いてないのか?そいつは、日本の公安の犬だぞ。残念なのは、やつの胸のポケットに入った携帯ごとぶち抜いてしまった事...おかげでそいつの身元は分からずじまい...幽霊を殺したようで気味が悪いぜ...だが...」
一度言葉を区切った奴は、拳銃を突き付けている女をチラリと見た。俺はライにつられるように女の顔を見て、ハッとした。
ここにいるはずのない彼女が、なまえさんがいる。
彼女は涙を流していて、なぜここにいるのか問い詰めたかったが、今ここで俺と彼女が知り合いだと分かれば、なまえさんの命が危ない。
「この子猫は、どうやらそいつと知り合いらしい。だから、この子猫から情報を聞き出せば、そいつの身元も分かるかもしれん。だが、生憎俺はそういうことは苦手でな。バーボン、君に任せよう。こういうことは君の方が得意だろう?」
奴はそう言って、拳銃を彼女の頭から下ろすとそのままジャケットの胸元へ仕舞い、こちらに背を向けて歩き出した。
呆然と奴の後姿を見ていると、突然立ち止まった。
「それから、個人的にだが、その子猫に興味が沸いた。だから、特別に組織には黙っておいてやろう」
そう言うと、今度こそ奴は屋上から消えた。
屋上に残ったのは、俺と冷たくなったスコッチ、それに縋りついて泣いているなまえさん、それからなぜあいつは彼女を見逃したのかという疑問だけだった。
俺はまた大切なものを一つ失った...