6 降谷side
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俺の部屋に彼女が現れてから一週間、俺はみょうじなまえをどうすべきか扱いに困っていた。
あの夜、教える情報は自分が決めるなどと強気に言い返してきた彼女に、いつもバーボンが仕事でするように甘い言葉を囁いた。
すると、さっきまであんなに強気だった彼女は、顔を真っ赤にし目を回してしまった。
仕方がないので、彼女の膝裏と腰に腕を回し抱き上げて、自分のベッドに運んだ。
こんなことで目を回すような女が、クロな訳がないのでは?と疑問が湧いた。
まだ日も昇らない時間に悪いなとは思いつつ風見に連絡し『みょうじなまえ』について調べるよう指示した。
2時間程して風見から報告の連絡があったが、彼女『みょうじなまえ』についての情報は一つも出てこなかった。
情報がないどころか、戸籍すらなかった。
偽名かもしれないと疑う半面、本当にこの世界の人間じゃないのではと思っている自分がいて正直戸惑った。
そして昼過ぎに目を覚ました彼女に、オムライスとサラダ、スープを作ってやれば、子供のように目を輝かせて喜ばれた。
夜になって夕食を食べた後、彼女に風呂に入るように言い、その間に昼間風見に頼んだ盗聴機能とGPS機能付きネックレスを持ってこさせた。
風呂から上がった彼女にそれを渡すと、一瞬固まった後、なぜか嬉しそうにお礼を言ってきた。
そして部屋の蛍光灯の光にネックレスをかざし、まるで恋人にプレゼントされたかのように愛おしそうに眺めている彼女を見て、思わずネックレスを取り上げて後ろを向くように言い、それこそ恋人にするように彼女の首につけてやった。
「このネックレスの宝石、空色で降谷さんの瞳とお揃いですね」
そう言われて、初めて自分の瞳の色を無意識に選んでいたことに気づいた。
彼女から情報を聞き出すチャンスのはずなのに、いつも勝手に回る口は仕事を放棄したようで、歯切れの悪い曖昧な返事しかできなかった。
それから毎日のように、ありとあらゆる手を使って彼女のことを調べたが、本当にかけらの一つも情報は出てこなかった。
それならば本人に吐かせるまで、と思ったのだが...なんというか、彼女との生活は調子が狂うのだ。
朝は起こすまで起きない。食事も作ってやると喜んで食べるのだが、一人にしておくと忘れてしまうようで食べない。なので、俺が出掛けるときは作って置いていくようにした。
しかし、それを申し訳なく思ったのか、一度彼女が家事と自分の分の食事は自分で用意するから、と申し出てきた。必ず食事をとるように言い聞かせ、家事を頼んだのだが、それが間違いだった。
帰ってくると彼女が「おかえりなさい」と玄関まで出迎えにきたのだが、彼女の額は赤く腫れていて、指もあちこち絆創膏が貼ってあった。
そして何があったのか、髪が短くなっている。
それも左側半分だけ。
どうしたのかと聞くと、まず掃除機をかけようとしたところコードに足を引っかけてしまい、顔面から転んだらしい。
仕方なく、掃除はあきらめ次は昼食にチャーハンを作ろうとしたのだが、中華料理人の真似をしてフライパンを振るったところ、中身が全て飛び散ったという。
飛び散ったものを片付け終わった頃には、すっかり夕方になり、今度こそ挽回しようと、今度は夕食の支度をすることに。
鍋なら、同じものに手をつけるから、俺も食べてくれるのでは?と考えて、鍋の野菜を切っていたところ、包丁で人差し指と親指を切った。
なんとか、野菜を切り終わり、卓上コンロの用意をしようと出してきたのだが、コンロの調子が悪い。どうしたものかと顔を近づけたところで火が点き、なんと髪に引火。
幸いなことにすぐ近くに水の入ったコップがあったため、大惨事にはならず、15センチ程髪の毛が犠牲になったくらいで済んだ。
ということが、たった1日で起こったらしい。
そんなこんなで、彼女は今までどうしていたのかと思う程、生活力が皆無だった。
それに対して、庇護欲というか放っておけないというか...そんな存在になりつつあった。
日本を守る公安警察のゼロがこんな事ではいけない。絆されてはいけない。
そう思うのに、この一週間気づくと甲斐甲斐しく彼女の世話を焼いている自分がいた。
ほら、また…
本庁からの帰り、愛車であるRX-7を走らせながら、ネックレスの盗聴器のスイッチを入れ日課になりつつある彼女の様子を確認する。
そしてスイッチを入れてすぐに、彼女の声が耳につけたイヤホンへ届く。
「降谷さん、早く帰ってこないかな」
敵かもしれない、疑わなくてはいけないはずの相手なのに…
ふと横を見ると、随分と緩んだ顔をした自分の姿がガラスに映っていた。
そして、俺はアクセルを強く踏んだ。
あの夜、教える情報は自分が決めるなどと強気に言い返してきた彼女に、いつもバーボンが仕事でするように甘い言葉を囁いた。
すると、さっきまであんなに強気だった彼女は、顔を真っ赤にし目を回してしまった。
仕方がないので、彼女の膝裏と腰に腕を回し抱き上げて、自分のベッドに運んだ。
こんなことで目を回すような女が、クロな訳がないのでは?と疑問が湧いた。
まだ日も昇らない時間に悪いなとは思いつつ風見に連絡し『みょうじなまえ』について調べるよう指示した。
2時間程して風見から報告の連絡があったが、彼女『みょうじなまえ』についての情報は一つも出てこなかった。
情報がないどころか、戸籍すらなかった。
偽名かもしれないと疑う半面、本当にこの世界の人間じゃないのではと思っている自分がいて正直戸惑った。
そして昼過ぎに目を覚ました彼女に、オムライスとサラダ、スープを作ってやれば、子供のように目を輝かせて喜ばれた。
夜になって夕食を食べた後、彼女に風呂に入るように言い、その間に昼間風見に頼んだ盗聴機能とGPS機能付きネックレスを持ってこさせた。
風呂から上がった彼女にそれを渡すと、一瞬固まった後、なぜか嬉しそうにお礼を言ってきた。
そして部屋の蛍光灯の光にネックレスをかざし、まるで恋人にプレゼントされたかのように愛おしそうに眺めている彼女を見て、思わずネックレスを取り上げて後ろを向くように言い、それこそ恋人にするように彼女の首につけてやった。
「このネックレスの宝石、空色で降谷さんの瞳とお揃いですね」
そう言われて、初めて自分の瞳の色を無意識に選んでいたことに気づいた。
彼女から情報を聞き出すチャンスのはずなのに、いつも勝手に回る口は仕事を放棄したようで、歯切れの悪い曖昧な返事しかできなかった。
それから毎日のように、ありとあらゆる手を使って彼女のことを調べたが、本当にかけらの一つも情報は出てこなかった。
それならば本人に吐かせるまで、と思ったのだが...なんというか、彼女との生活は調子が狂うのだ。
朝は起こすまで起きない。食事も作ってやると喜んで食べるのだが、一人にしておくと忘れてしまうようで食べない。なので、俺が出掛けるときは作って置いていくようにした。
しかし、それを申し訳なく思ったのか、一度彼女が家事と自分の分の食事は自分で用意するから、と申し出てきた。必ず食事をとるように言い聞かせ、家事を頼んだのだが、それが間違いだった。
帰ってくると彼女が「おかえりなさい」と玄関まで出迎えにきたのだが、彼女の額は赤く腫れていて、指もあちこち絆創膏が貼ってあった。
そして何があったのか、髪が短くなっている。
それも左側半分だけ。
どうしたのかと聞くと、まず掃除機をかけようとしたところコードに足を引っかけてしまい、顔面から転んだらしい。
仕方なく、掃除はあきらめ次は昼食にチャーハンを作ろうとしたのだが、中華料理人の真似をしてフライパンを振るったところ、中身が全て飛び散ったという。
飛び散ったものを片付け終わった頃には、すっかり夕方になり、今度こそ挽回しようと、今度は夕食の支度をすることに。
鍋なら、同じものに手をつけるから、俺も食べてくれるのでは?と考えて、鍋の野菜を切っていたところ、包丁で人差し指と親指を切った。
なんとか、野菜を切り終わり、卓上コンロの用意をしようと出してきたのだが、コンロの調子が悪い。どうしたものかと顔を近づけたところで火が点き、なんと髪に引火。
幸いなことにすぐ近くに水の入ったコップがあったため、大惨事にはならず、15センチ程髪の毛が犠牲になったくらいで済んだ。
ということが、たった1日で起こったらしい。
そんなこんなで、彼女は今までどうしていたのかと思う程、生活力が皆無だった。
それに対して、庇護欲というか放っておけないというか...そんな存在になりつつあった。
日本を守る公安警察のゼロがこんな事ではいけない。絆されてはいけない。
そう思うのに、この一週間気づくと甲斐甲斐しく彼女の世話を焼いている自分がいた。
ほら、また…
本庁からの帰り、愛車であるRX-7を走らせながら、ネックレスの盗聴器のスイッチを入れ日課になりつつある彼女の様子を確認する。
そしてスイッチを入れてすぐに、彼女の声が耳につけたイヤホンへ届く。
「降谷さん、早く帰ってこないかな」
敵かもしれない、疑わなくてはいけないはずの相手なのに…
ふと横を見ると、随分と緩んだ顔をした自分の姿がガラスに映っていた。
そして、俺はアクセルを強く踏んだ。