やるせない

僕は本当におまえを愛しているのだけれど、

おまえが何を考えているのかが分からない。

僕が初めて「好きなんだ」と言うと、

「そうですか」

「私も、です」

と返してくれた。

でもその瞳は、今よりもその先を見ている気がしたんだ。



「手伝うよ。早く終わらせて二人で寝よう」

「寒いのか? 僕の上着着ろよ」

「ずっと、このままでいたい」

恋慕を言葉で伝えても、体で伝えても虚ろなまま。



何を抱えているのか。

何が見えているのか。

もしあの日の「私も」がうそじゃないなら、

一緒に背負わせてくれよ。


それでも、この気持ちをぶつけるのは自己満足でしかないから

僕にできることは変わらず愛をもっておまえに接する事だけ。
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