ウィンチェスターの秋
英国の午後。久しく晴れた街で、澄んだ空気を感じながら行き交う人々。この老紳士と痩躯な青年も同じだった。
ひと時の暇を楽しみながらストリートを歩いていると、ぽつぽつ。太陽はいつの間にかすっかり覆われ、天気模様が変わり始めた。
「一度戻りましょうか」
老紳士が大きな黒傘を広げようとすると、
「いや、このまま雨宿りも悪くない」
青年の視線の先にはこじんまりとしたティールーム。表の看板には、『ブレックファースト・ランチ・アフタヌーンティー』の文字。
「雨宿り……というより、アフタヌーンティーが目当てでしょう」
「もちろん」
そう微笑む青年に、この老紳士はめっぽう弱いのだろう。しょうがありませんね、といった顔をして店のドアを開く。店のドアベルはからりと音を立て、二人を歓迎した。
ひと時の暇を楽しみながらストリートを歩いていると、ぽつぽつ。太陽はいつの間にかすっかり覆われ、天気模様が変わり始めた。
「一度戻りましょうか」
老紳士が大きな黒傘を広げようとすると、
「いや、このまま雨宿りも悪くない」
青年の視線の先にはこじんまりとしたティールーム。表の看板には、『ブレックファースト・ランチ・アフタヌーンティー』の文字。
「雨宿り……というより、アフタヌーンティーが目当てでしょう」
「もちろん」
そう微笑む青年に、この老紳士はめっぽう弱いのだろう。しょうがありませんね、といった顔をして店のドアを開く。店のドアベルはからりと音を立て、二人を歓迎した。